しめサバの残りの半身で、きのうもサバ寿司。汁物は、塩サバのあらを使った「船場汁」。
塩サバは、この船場汁がまたうまいのである。
しめサバは、残りの半身が冷蔵庫に入っていた。
言うまでもなく、再びサバ寿司にするのである。
しめサバは、作った翌日がいちばんの食べ頃。これを逃してしまっては、何のためにしめサバを作ったのかわからない。
ちなみにきのうは、サバ寿司を四角く作ってみたくなった。
そこで箱寿司の、押し型を買った。1400円。
洗って水気を拭きとった押し型に、しめサバを入れる。
押し型は、サバがぴったり入る大きさだ。
半端な部分は切り取って、尻尾の細くなったところに合わせるようにしている。
寿司めしを上まで詰め、フタをする。
寿司めしは、これもちょうど1合分がピタリと入った。
上から体重をかけて「ギュッ」と押し、左右を入れ替えてさらに押す。
箱から取り出せば、、、
サバ寿司の一丁上がり。巻きすでやるより簡単でいい。
濡らした包丁で切り分ける。
2日目のしめサバを使ったサバ寿司。これは本当に、たまらない。
トロトロなのはもちろん、味はまろやか。
けっこうな量だったけれども、難なく一気食いした。
ちなみにこれを、きのうツイッターに投稿したら、「それはサバ寿司ではなく、バッテラでは?」という指摘があった。
しかし聞いた話では、バッテラは、サバを薄く切るそうだ。
まあいずれにせよ、うまいのだから、何であっても問題ない。
さてきのうは、持ち帰ってきた塩サバのあらで、吸物を作った。
船場汁(せんばじる)。大阪の問屋街「船場」が発祥なのだそうだ。
「サバのあらを吸物にする」というと、「臭み」を心配する人もいるだろう。しかしどうしてどうして、実にまろやかな、コクのある味になる。
塩サバだから、塩で臭みが抜けている。もし生サバを使うのでも、塩を振り、1時間くらいは置くのがいい。
湯通しをして水で洗い、味付に、ほんの少しみりんを使えば、もうバッチリ。ほんとにうまい。
まず鍋にお湯を沸かし、火を止めてから、サッと水洗いした塩サバのあらを入れる。「しゃぶしゃぶ」としたら湯を捨てて、ていねいに水洗いする。
改めて鍋に3カップくらいの水を入れ、洗ったあらと、だし昆布を入れる。
中火で煮立て、煮立ったら弱火にして、アクを取りながら20分くらい煮る。
だし昆布とあらを取り出し、残っただしが2カップなら、酒・大さじ2、みりん・小さじ1・淡口しょうゆ・大さじ1くらいで味付する。
サバに塩があるから、塩辛くなり過ぎないよう、しょうゆは味を見ながら入れる。
あとは細く刻んだ油あげと、薄く切った大根を煮る。
お椀によそい、青ねぎと一味をかける。
それから水菜のおひたし。
ちりめんじゃこと、味ポン酢で和える。
わさび醤油の冷奴。
酒は、熱燗。
こうして家で、自分の好きな肴を作って飲む酒は、ほんとにうまい。
ネコは、相変わらずエサを食べに来る。来るのは3匹。
これが、それぞれで性格が違うのが分かってきておもしろい。
一番たくさんエサを食べるのは、「ちびニャン」。
まだ若いから、ほかにエサ場がないのではないかと思う。
警戒心もわりと小さく、エサを食べているときに近寄っても、振り向きもしないこともある。
しかしとにかく「聞かん気」で、ほかにネコが寄ってこようものなら威嚇する。
せっかく手に入れた自分のエサ場を、守ろうと必死なのだろう。
元から家のまわりをウロウロしていたのが、「デカイの」。
これはちびニャンの「お母さん」であることが、すぐ近所にあるバー「スピナーズ」のマスターの話から判明した。
野良ネコ歴はもう相当なものらしい。さすが警戒を怠らず、近寄っては来るのだが、少し動くとすぐ逃げる。
しかしこれが、ちびニャンに接するのを見ると、「年長者の矜持」を感じるのである。
ちびニャンの威嚇に相手はするが、自分から威嚇したりは決してしない。
最近になって、「黒いの」が来るようになった。
警戒心はいちばん強く、ぼくが近くにいるときは、エサがあっても決してそばに寄ってこない。
でも、やはりエサは食べたいのだ。ぼくがいなくなるのを、少し離れた場所に座り、じっと待つ。
時には待っているあいだに目をつぶり、「寝てしまったのか」と思うこともある。
ほかにネコがいても動じることもなく、人生を達観しているかのようにも見える。
以上のように、3匹のネコは、三者三様。それぞれに個性がある。
ネコに性格があることは、話には聞いていた。
しかしそれを、こうして目の当たりにすると、ネコに対する愛着が、より湧いてくるわけである。
「野良ネコはたくましいよね。」
ほんとにな。
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