きのうは、サバ寿司。
旬まっ盛りで、トロトロに脂が乗ったサバ寿司の、原価は500円なのである。
サバもいよいよトップシーズン、旬のまっ盛りに入った。
きのうの昼、買い物へ行こうと思い、何を食べようか考えてみるに、
「魚屋にいいサバが入っているにちがいない、、、」
ふとそう確信したのである。
魚屋の若大将は、サバには目がない。このトップシーズンに、半端なサバを置いているわけがない。
魚屋へ行ってみると、思った通り。
「このサバ、どうですか?」
「いいですよ!脂が乗って、最高です。ぜひしめサバにしてください!」
若大将は、意気込んで答える。
値段は一尾950円。
サバ寿司にすれば2本分、1本500円という話になる。
サバを三枚におろすのは、家でもできる。骨がそれほど硬くないから、家庭用の包丁でも十分歯が立つ。
でもぼくは、サバは若大将におろしてもらうと決めている。
魚料理で「しめサバが一番好き」という若大将、サバをおろすのにも力が込もる。
若大将におろしてもらうと、サバが一層おいしくなると思えるからだ。
塩を振るところまでやってもらえば、少しでも早く、酢に漬けはじめることができる。
あらにも塩を振ってもらい、持ち帰る。あらは吸物のだしにすると、これがまたうまいのである。
塩を振ったサバは、冷蔵庫に5時間おく。
5時間たったら、水で塩を洗い流して、水気をよく拭き取っておく。
次に酢に漬ける。
酢にはカドを取るため、小さじ1ほどの砂糖を溶かしこんでおく。
10センチ長さくらいのだし昆布と一緒に、サバをビニール袋にでも入れ、酢をかぶるまで注ぎこむ。
漬け時間は、3時間。
これはサバが、外は白くて中は赤い、「レア」の状態になるまでの時間である。
3時間たったら取り出して、酢を拭きとって皮を剥ぐ。
皮は前の方の端から指でつまむと、「ピーッ」ときれいに剥げる。
裏返し、太い中骨をいくつか取った方がいいにはいい。
しかしサバの中骨はやわらかく、すぐに折れてしまってなかなか取れず、丁寧にやろうとするとすごくイライラするから、これは適当にしておいても問題ない。
皮を剥いだらラップに包み、冷蔵庫で寝かせておく。
最低でも「数時間」は寝かせるのがオススメで、翌日が一番の食べごろだ。
このしめサバを、そのまま食べてももちろんうまいが、サバ寿司にすると「死ぬか」と思うほどうまくなる。
サバ寿司を作るためには、寿司めしを作ることが必要だ。
サバ寿司1本にたいして、米は1カップ。
水は少なめ、米と同量の1カップで、5センチ角くらいのだし昆布を入れて、ふつうに炊く。
米を炊いているあいだに寿司酢を用意する。
1カップの米に対して、
- 酢 小さじ3
- 砂糖 小さじ2
- 塩 小さじ1
を、よく混ぜ溶かす。
ご飯が炊けたら皿に移し、寿司酢をまんべんなくかける。
しゃもじを横にし、切るようにしながら、1分ほどで手早く混ぜる。
混ぜたら濡れ布巾を皿にかけ、人肌くらいになるまで冷ます。
巻きすの上にラップを敷いて、しめサバを皮を下にして置く。
先頭の半端な部分は切り落とし、尻尾の細くなったところに合わせるようにする。
水に濡らした手で寿司めしを取り、おにぎりにしてサバの上に置く。
巻きすをかぶせ、半回転させてサバが上に来るようにして、「キュッキュッキュッ」と手で締める。
出来たサバ寿司は、1~2時間置いておくと、味がなじむ。
水に濡らした包丁で、2センチ幅くらいに切り分ける。
脂でトロトロ。これはたまらない、、、
旬まっ盛りのサバ寿司は、この世の中で一番うまい。
それを自分で作れば、500円で食べられる。
巷には、「カネがない」からと、牛丼ばかり食べている輩もいるそうだ。
そういう頭の悪い奴は、勝手に牛丼を食べていればいいのである。
あとは、ハタハタの煮汁で煮た高野豆腐。
魚の煮汁は捨てないで、何かにしみ込ませるようにすると、手軽なおかずが一品できる。
おからもいいが、高野豆腐はおすすめだ。
煮汁はそのままでは濃く、甘すぎるから、水で2~3倍に薄め、しょうゆを足す。
水で戻し、両手のひらでよく押して絞った高野豆腐を、15分くらい煮る。
サバ酢の酢の物。
サバをシメるのに使った酢と昆布も、酢の物に使うとまたうまい。
きのうは塩もみし、水で洗って絞ったレタスと竹輪を、砂糖少々を加えて和えた。
それと残りのカブの吸物。
自家製梅干し。
酒は、熱燗。
肴がこうもうまいと、飲み過ぎるのも仕方がないのである。
「牛丼が好きな人に失礼だよ。」
そうだよな。
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