きのうは、さばのショウガ煮。さばはみそ煮もいいが、ショウガ煮もまたうまいのだ。
年は取りたくないものだ。二十歳のころなら、36時間遊んで18時間寝て、起きたら8時、「学校へ行かなくちゃ」と思って家を出ると、12時間ちがって夜だった、みたいなことは平気の平左だったのに、いまはそういうわけにはいかない。
40になるころから疲れが抜けないようになり、朝起きても前日の疲れがグッタリと残っている。それ以来、疲労回復食として、豚肉とニラが欠かせないようになった。
50を過ぎるとなおひどい。
今回、9月の中旬に東京へ行き、国会前での抗議行動に参加した。そこでけっこう疲れたわけだ。帰ってきてから体調をくずし、熱を出して2日寝込んだ。
さらにそれからも体調はイマイチで、鼻水や咳がとれなかったり、奥歯の歯根に飼育している雑菌が顔面にまわって炎症をおこしたり。
それがようやく、きのうになって、体調が完全に復調したから、疲れが抜けるのに1ヶ月ほどもかかったことになる。
これからさらに年を取れば、ますます疲れは抜けにくくなるのだろう。
それを思うと、気が重くなることこの上なしだ。
ところでなぜ、きのうで体調が完全に復調したとわかったのかといえば、魚をつかった純和風の料理を1ヶ月ぶりに食べたくなったからだ。
それまではほんとに、豚肉とニラとか、魚でもキムチ煮とか、そういうスタミナのあるものしか食べたくならなかった。
ご飯の量も、その前より増えていたのが、きのうはようやく元にもどった。体は必死で疲れを取ろうとしていたようだ。
それできのうは、さばを食べることにした。真さばもぼちぼち、脂が乗りはじめるころだ。
さばを和風に食べるといえば、まずみそ煮。これがうまいのは、もちろん認める。
ただしきのうは、みそ汁も作ろうと思っていた。みそ味がかぶるのは何だから、さばはショウガ煮にすることにした。
ショウガ煮も、さばのおいしい煮方の一つ。みそ煮のやさしい味にたいして、ショウガで味がシャープになる。
いっしょに炊き込む相手はゴボウ。魚の煮付けにゴボウを入れると、ゴボウに味がしみてうまいのとともに、ゴボウの香味で煮付け自体もうまくなる。
魚の煮付けをつくる場合のコツは、しょうゆを初めから入れないこと。
しょうゆは砂糖より分子が小さいとのことで、砂糖といっしょに入れるとしょうゆばかりが染みてしまい、塩っぱくなるのだ。
鍋に、
- 水 1カップ
- だし昆布 5センチくらい
- 3ミリ厚さくらいの斜め切りにし、5分ほど水にさらしたゴボウ 1本
- 細切りにしたショウガ 2~3センチ大(たっぷり)
- 酒 大さじ3
- 砂糖 大さじ2
- みりん 大さじ3
を入れて煮立て、サッと洗って皮に×(バツ)の切り込みを入れたさばを入れる。
皮に切り込みを入れるのは、皮が縮んで身が反るのをふせぐためと、味をしみやすくするためだ。
落としブタをし、中火で5分煮たら、しょうゆ・大さじ2を入れる。さらに5分煮て、しょうゆ・大さじ1を入れ、ひと煮立ちさせて火を止める。
しょうゆを最後に入れるのは、しょうゆの風味をつけるため。
火を止めたらフタをして、そのまま置いて味をしみさせる。
好みで一味をかけて食べる。
ほっくりとした、日本の味だ。
あとは、ほうれん草とシメジのおひたし。
シメジはさっとゆでてザルに上げ、冷ましておく。おなじゆで汁でほうれん草をゆで、水にとってよく絞り、食べやすい大きさに切る。
器にシメジとほうれん草を入れ、削りぶし少々、しょうゆ少々、みりんをほんのちょびっとで和える。
ちなみにほうれん草は、1把ずつ、ゆで汁の沸騰を止めないようにしながらゆでると、アクが出にくい。
ほうれん草のアクは、温度が70度になると出るそうだ。
それに、油あげの焼いたの。
これは京都では(関西では?)、「エレベーター」と呼ばれる。「揚げおろし」という意味だ。
大根おろしとおろしたショウガ、青ねぎにぽん酢で食べる。
残り野菜と豆腐の赤だし、
それに、ご飯。
酒は、冷や酒。
酒も、以前にくらべれば弱くなった。
でもおかげですぐ酔っ払うので、経済的だ。
「無理して飲まなくてもいいんだよ。」
そうだよな。
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