レシピはあまり見ないほうだ。自分が思った通りにやりたいのだ。
自分でつくった料理の味は、ただ料理そのものの味にとどまらず、自炊の達成感も大きいと思っている。手はもちろんのこと、頭も使えば使うほど、その達成感は大きくなる。
それでその料理の味を、他人がどう思うかは、まったく知ったことではない。
自分が満足すればいいわけで、完全に、唯我独尊なのである。
それでもたまに、レシピを見ることもある。「きょうの料理」のツイートもフォローしてたりする。
きょうの料理は、以前テレビを持っていたころ、感動して涙をながすことがあったくらい、好きな番組だ。ツイートも、10回に1回くらいは「なるほどね~」と感心するものがある。
きのう感心したのはこれ。
【キムチとあさりのテンジャンスープ】韓国でテンジャンとは「みそ」のことです。煮干しは食べにくければ残しても。 http://t.co/XxqDk0JHjf
#レシピ #minkyou— みんなのきょうの料理 (@m_kyounoryouri) October 16, 2015
まず最近、不覚にもハマっている韓国式だというのがいい。しかも「テンジャンスープ=みそ汁」というのが、日韓の境界線あたりにありそうで興味深い。
レシピを見ると、まずキムチをゴマ油で炒めていて、「フムフム、これはおれもやっている」と思う。
つづいて煮干しも、ゴマ油で炒めている。「ほ~、なるほど~」と、ちょっと感心。
そしてさらに感心したのが、ジャガイモを入れていること。これがいかにも「韓国っぽい」と思うとともに、「さすがよく分かっている」と思った。
日本だと、あさりとジャガイモは、まず合わせないのではないかと思う。ジャガイモは、「肉じゃが」を代表として、肉に合わせるのが定石だろう。
でもじつは、ジャガイモはあさりと相性がとてもいいのだ。「クラムチャウダー」が代表だ。
ただしその際、クラムチャウダーがそうであるように、味つけをコッテリさせる必要がある。
日本ではあさりを食べる場合、油を使わずあっさりとさせるから、ジャガイモとは合わせないのだと思う。
でも韓国式のみそ汁は、キムチをゴマ油で炒めるわけだ。
「これは最高にウマそうだ」と思った。
作り方は、ほぼ上のレシピ通りにやってみた。でももちろん、一部自己流にしたところもある。
いちばん大きく変えたのは、みそを、普通のみそを使うことになっているところを八丁赤出しみそにしたこと。
これは、
「まちがいなくその方がうまい」
と主張したい。
八丁みそは、普通のみそに比べて味が複雑で、やはり味が複雑なキムチにほんとによく合う。
さらに八丁みそは、みそを入れてから煮込むことができるので、今回のようにジャガイモや豆腐を入れる場合には、よく味がしみるのだ。
まずあさり1パックを、海水くらいの塩水(水カップ1にたいして塩小さじ1くらい)に30分~1時間ほどひたしておく。
ただしあさりは、スーパーなどで売ってるのはほとんど砂抜きされているから、これは「念のため」ということで、まったく砂抜きしなくても、1回くらいガリッと砂を噛むくらいなものだ。
それよりも大切なのは「よく洗うこと」で、あさりの殻についている汚れやヌメリが、臭みの元になる。
洗うには、両手であさりをこすり合わせるようにして、水を4~5回は替える。
鍋にゴマ油・大さじ1とキムチ・100グラム(300グラム入りのパック3分の1くらい)を入れて、中火にかける。
じっくりと5分くらい炒めたら、頭とわたを取った煮干し・1つかみを加え、サッと炒める。
- 水 3カップ
- 酒 大さじ1
- 八丁赤出しみそ 大さじ3くらい(味を見ながら)
を入れて、味つけする。
- 1センチ厚さくらいに切ったジャガイモ 2個
- 1センチ暑さくらいに切った豆腐(きのうは厚揚げ) 2分の1丁
を加え、5分くらい、ジャガイモにまだちょっと歯応えが残るくらいまで、弱火で煮る。
洗ったあさりを入れ、あさりの殻が開くまで、ひきつづき弱火で煮る。
斜め切りにした青ねぎ・1本を、タイミングを見て加え、青ねぎがしんなりしたら火を止める。
どんぶりに、並々とよそう。
これは、マジでうまい。
ベースは、いわば「あさりの赤出し」。まずこれがうまいのは、決まっている。
そこにキムチ、ゴマ油、ジャガイモが入ると、これがもう、最高。
「たまらんな~」と、ため息をつくことは、うけ合いだ。
あとは、鶏めし。
米1合を研ぎ、ふつうに水加減して30分くらいおいておく。ここに、
- 2センチ大くらいに切った鶏肉 100グラム
- ささがきにし、5分くらい水にひたしたゴボウ 2分の1本
- せん切りにしたショウガ 1~2センチ大
- 酒 小さじ1
- 塩 小さじ2分の1
を加えて混ぜ、ふつうに炊く。
酒は、冷や酒。
きのうも酒は、うまかった。
これだけうまい肴を毎日作ってしまうおれは、まちがいなく「自炊の天才」なのである。
「自己満足で幸せだね。」
ほんとにな。