きのうは、豚肉と水菜のすまし汁。ラーメン的なものが食べたいときにはオススメだ。
ラーメンは、好きなのである。だいたいおれは、豚肉好きだ。あの並々とどんぶりに注がれた、豚のうまみと風味、脂がたっぷり出たスープがたまらない。
この年になると、コレステロールなどが気にならないわけでもない。
でもラーメンを食べるときには、だいたい餃子とチャーハンも注文し、スープもすべてしっかり飲み干す。
きのうも晩、ラーメンが食べたくなった。でもラーメン屋へ行く気もせず、家でのんびり飲みたい気分だった。
家でラーメンを作ろうかとも一瞬考えはしたのだが、さすがに何時間もスープを煮出す気にはならない。だいたいラーメンは、家で作るのが割に合わないからこそ、ラーメン屋が存在する価値があるのだ。
しかしすぐ、何時間もかけずとも、ラーメン的な味が家で作れることに思い至った。
カツオだしのすまし汁で、豚のうす切り肉を煮たらいいのだ。
ラーメンスープのポイントは、まずうまみ。ところがこのうまみ、要はグルタミン酸とかイノシン酸とかいう話なわけで、べつに豚に固有のものではない。昆布にカツオ節のだしとおなじなのだ。
ラーメンスープで豚ならではなのは、あの風味と脂。でもこれは、豚のうす切り肉をサッと煮れば、じゅうぶん出る。
最近のラーメンは魚介だしを加えるのが流行っているくらいだから、そういう意味でも、カツオだしを使うのはうってつけ。
カツオだしなら、ものの20分もあれば取れてしまう。豚のだしを取ることとくらべれば、はるかに簡単なのである。
豚のうす切り肉は、火を通しすぎて硬くしてしまわないことがこの場合の最大のポイントだ。なのでできるだけ最後に煮て、火が通ったらすぐに火から上げるようにする。
豚肉は、何でもかまわないのだが、きのうはバラ肉。「脂重視」の場合は、やはりこれだ。
豚肉と合わせるのは、水菜と油あげ、それに玉ねぎ。コッテリとした豚肉とシャッキリ水菜は、最高の相性だ。
3カップの汁をつくる場合は、煮詰まる分を見越して4カップの水を鍋に入れる。
10センチくらいのだし昆布を入れ、中火にかけて、煮立ったら弱火にし、煮立てないようにしながら15分ほど、昆布がビロンとのびるまで煮出す。
昆布をとり出し、中火にして一度煮立てたら、カツオ節6パック分(15グラムくらい)を入れて、火を止める。
2~3分おいてカツオ節が沈んだら、絞ってとり出す。
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油 大さじ3
で味をつけ、まずは、細く刻んだ油あげ・1枚と、くし切りにした玉ねぎ・2分の1個を、弱火で5分くらい煮る。
つづいて食べやすい大きさに切った豚うす切り肉を入れ、弱火のまま、色が変わるまで煮る。
最後にざく切りの水菜・2分の1把を加える。
中火にし、ひと煮立ちしたら火を止める。
好みで青ねぎや一味をふってもいいが、きのうはサイドディッシュにおなじようなものがあったので省略した。
ぷんと香るカツオの風味と、コッテリとした豚肉のコンビが、たまらない。
あとは、お取り寄せのチャンジャ。
それに、キムチ。
豚肉のすまし汁には、卵かけご飯が、死ぬほど合うのだ。
酒は、冷や酒。
この年になっても、脂ギッシュなものが好きなおれ。
でも、好きなモノを食べて悪いことなどないのである。
「そのうち絶対体をこわすよ。」
そうだよな。
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