きのうは免疫細胞を応援するため、豚肉の入ったニラ玉。和風で作ると、またほっこりとやさしい味。
1週間ほど前にひいた風邪は、熱はもうとうに下がり、残っていた鼻水や咳も、ほぼなくなった。
でも、どうもまだ体調がさえない。右の頬の内側、骨の上あたりのところで炎症が起こっているのが、肌のざわついた感じとか、鼻水に膿の気配がまじることから察せられる。
おれは、右上の奥歯の歯根に、細菌を飼っているのだ。奥歯は治療済みなのだが、どうも治療の不手際で、細菌が入りこんだものらしい。何かの拍子にあばれ出し、ときどき痛む。
この細菌が、このところの風邪で防御力が低下した隙をつき、頬に勢力を拡大しようとしているようだ。
歯根もやはり、ジンジン痛む。
以前左上の奥歯がおなじようになったとき、歯医者に行ったら治療に2ヶ月くらいかかった。ガリガリと歯を削られて不愉快だし、もう懲りて、右上の方は歯医者には行っていない。
でもだいたい、細菌を退治するには、免疫細胞の精鋭部隊が体内に備わっているわけだ。彼らの活躍で、奥歯が痛んでも、2ヶ月などかかることなく、いつも3日くらいで痛みはおさまる。
ただし免疫細胞に活躍してもらうためには、宿主である自分にも、それなりの配慮と努力は必要となる。
まずは「食べて応援」。免疫が働くのに栄養が必要なのは、いうまでもないことだ。
でもそれだけでなく、免疫細胞の士気を高めるには、こちらもそれなりの「姿勢」でいることが必要だと思っている。
要はあばれる細菌にたいし、
「ナメんなよ、このクソ細菌野郎」
と、きちんとドスを利かすのだ。
免疫細胞は、精神状態に大きな影響を受けると聞く。ということは、こちらの言葉が分かると思ってまちがいない。
心の中で、細菌野郎にたいしてドスを利かすと、意気に感じた免疫諸君ががんばってくれ、痛みはサッと治ってしまう。
ひとつ残念なのは、免疫諸君は、細菌にたいしてトドメは刺さないようなのだ。細菌があばれるのをやめると、それで満足するのか攻撃するのをやめてしまう。
なので細菌は、また奥歯の上の定位置で、じっと息を潜めて暮らすことになる。
何かの折にまたあばれ出すのだが、それが免疫のやり方だから、仕方がないというものだ。
というわけで、きのうは頬での戦いにがんばる免疫細胞を、食べて応援することにした。といってもべつに考えるまでもなく、おれの場合、体が消耗していると、食べたくなるものは決まっている。
豚肉と、ニラの組み合わせ。
豚肉には「ビタミンB1」が豊富にふくまれているそうで、このビタミンB1が、炭水化物を効率的にエネルギーに変換するそうだ。またニラに含まれる「硫化アリル」が、このビタミンB1の働きをさらに促進するとのこと。
ニラはほかにも、ビタミンA、B群、C、カルシウムなどを豊富に含んでいるのだとか。なのでこの豚肉とニラのコンビは、体力を回復するには最強なのだ。
きのうはこれに、さらに栄養豊富な卵をたっぷり加え、和風のやさしい味で、ニラ玉を作ることにした。
作り方は、要は親子丼を作るのと、まったくいっしょ。
だしに味をつけ、玉ねぎと豚肉、ニラを煮て、卵で閉じるというだけの話だ。
だしは、煮干しで取るのが簡単だ。
鍋に、
- 水 1+2分の1カップ(「2分の1」は煮詰まることを想定した分)
- 頭とわたを取った煮干し 1つまみ
- くし切りにした玉ねぎ 2分の1個
を入れ、中火にかけて、煮立ってきたら弱火にし、10分くらい、玉ねぎがやわらかくなるまで煮る。
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油 大さじ1
- 塩 少々(好みで味をみて)
で味をつけ、豚薄切り肉(きのうはバラ切り落とし)200グラムを入れ、弱火のままサッと煮る。
豚肉の色が変わってきたら、ざく切りにしたニラ・1把を入れてサッと煮て、溶き卵・3個分をまわし入れる。
30秒~1分ほど火にかけて、煮立ってきたら、フタを閉め、しばらく蒸らす。
栄養満点でありながら、ほっこりとするやさしい味。
酒の肴には、まず最高。
ご飯のおかずとしては味がうすいと思う場合は、キムチを添えると、またこれがよく合う。
あとは、ナスの赤だし。
煮干しだしに酒と赤だしみそで味をつけ、ナスとピーマン、油あげにソーセージを、ナスがやわらかくなるまで煮る。
酒は、冷や酒。
デザートは、免疫細胞がよろこぶビタミンC豊富なみかん。
食べて応援、ドスを利かせて応援し、ぐっすり寝たら、今朝には免疫細胞は、たたかいに勝利したようだ。もう頬の炎症はおさまって、歯根の痛みもなくなった。
本当は、酒とタバコもよくないのは、分かっている。
でもそれはやめるわけにはいかないから、免疫細胞諸君には「ごめんな」と謝り、理解してもらっている。
「都合がいいね。」
ほんとだな。
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