きのうは「豚肉の日」だったのだ。いやべつに、精肉業界が10月17日を豚肉の日と決めたというわけではない。ただ単に、おれの体が「きょうは豚肉が食べたい」と要求する日だったということ。
豚肉好きのおれなのだが、さすがに普段は、毎日は食べられない。3日に1ぺんくらいがいいとこだ。
前に豚肉を食べてから2日くらいたつと、なんとなく全身に疲れがたまったような、エネルギーが足りないような、しょぼくれた状態になる。すると体が、「これは豚肉だ!」と信号を発する。
その信号を受信して、おれは「よし!」となるわけだ。大好きな豚肉が、ようやくきょう食べられる。
「ガッツリ行ってやるぞ」と、手ぐすねを引くのである。
50を過ぎたおっさんが、こんな風に豚肉にワクワクするなど、「まったくキモわるい」と、おれも思う。おっさんには、焼き魚にほうれん草のおひたしあたりがお似合いだ。
しかし、好きなものは、仕方がないのだ。
豚肉が好きなために人に嫌われることがあったとしても、それは本望というものだ。
さて豚肉は、やはり炒めるのが、もっともおいしい食べ方の一つ。豚肉を炒めるなら、王道中の王道は、豚キムチ。
豚肉を炒める場合、まずは塩コショウだけがうまい。でも日本人は、やはり発酵系の味がほしいわけだ。となると、日本の発酵系調味料は「しょうゆかみそ」ということになる。
でもしょうゆもみそも、日本では、肉食が禁じられた長い期間のなかで発展してきた。なので魚との相性は完璧なのだが、肉とはどちらもイマイチなのだ。
その点、お隣の朝鮮半島では、肉をふんだんに食べながら、調味料も発展してきた。発酵食品であるキムチも、豚肉との相性はパーフェクト。
しかも朝鮮半島は、日本と地理的にいちばん近く、歴史的に、人の往来も盛んだった。
だからアジアの他の国とくらべても、韓国の人たちなどは、日本人と気質が近いと思う。食文化も言わずもがなだ。
だから日本人が豚肉を炒めるなら、「まずは豚キムチ」だと思うのだ。
しかも豚キムチは、要はキムチを入れるだけで味がほぼ決まるから、簡単にできること甚だしく、自炊するなら、定期的にメニューに取り入れるべきだろう。
きのうはキムチは、お取り寄せしたおいしいやつが、2週間くらいたち、炒め物にするには打ってつけになったのがあったのだ。でもスーパーに売っているキムチでも、問題なくおいしくできる。
入れる具は、豚肉とキムチだけでも十分おいしい。
でもきのうはさらに、玉ねぎとニラを入れ、皿に盛ってから生卵を落とすことにした。
フライパンにゴマ油・大さじ1を引き、
- 食べやすい大きさに切った豚うす切り肉 200グラム
- キムチ 100グラムくらい(300グラム入りパック3分の1ほど)
- くし切りにした玉ねぎ 2分の1個
を敷きつめて重ね、キムチの汁・大さじ1(あれば)をかける。これで5分くらいおいておくと、豚肉に味がしみる。
強いめの弱火にかけ、5分ほど、じっくり炒める。玉ねぎは、完全にやわらかくならず、少しシャキシャキしたくらいがうまい。
- 酒 小さじ1
- みりん 小さじ1
- 淡口醤油 小さじ1
- 塩 少々
で味つけし、ざく切りにしたニラ・2分の1把を加える。
ひと混ぜし、まだニラがシャキシャキと硬いくらいのうちに、皿に盛る。
生卵を落とし、ゴマを振る。
この生卵で、味が死ぬほどまろやかになるという企画。
あとは、残り野菜のみそ汁。
煮干しだしに、酒と淡口醤油それぞれ少々でうすく味つけし、野菜を煮えにくい順番に煮る。最後にみそを溶き入れる。
お取り寄せのチャンジャ、、
それに、タクワン。
もちろん、ご飯。
酒は、冷や酒。
豚肉にニラの、疲労回復効果は最強だ。
おかげできょうも、たまった疲れはシャッキリと取れたのである。
「お盛んですな。」
ほんとにな。