年をとると、疲れやすくなるのは確かだ。おまけにその疲れが抜けるのに、時間がかかる。
若いころなら、一晩寝ればとれた疲れが、このごろだと、3日も4日も持ち越してしまうこともある。
それはそうなのだが、おれの場合問題なのは、それを理由に仕事をサボることである。
仕事は、フリーのライターをしている。1文字いくらでやっていて、書かないと金にならない。
25年勤めた会社をやめ、この仕事をはじめた当初は、それなりに危機感があったから、「がんばらなきゃ」と思っていた。金が途切れてしまうことは、恐怖だった。
ところがそれを4年、5年と続けると、「金は意外になんとかなる」ことが分かってくる。
「もうダメだ」と思っても、どこかからポンと金が入ってきたりすることが何度かあると、サボりぐせがつくわけだ。
だいたいおっさん一人、これから結婚しようというわけでもなし、生きていくにはたいして金はかからない。
仕事の優先順位がどんどん下がってしまうのだ。
きのうもカウンター疲れが残っていた。それでも普通の人は、仕事へ行く。
ところがおれは、「とりあえず眠くなくなるまで」と、たっぷり12時間睡眠。昼前ごろに起きだして、ノロノロとコーヒー屋へ行って一応なんとかブログは更新。
帰ってきて、飯を食ったらまた昼寝。
昼寝から起き、一応はパソコンに向かうものの、ぐったりと疲れてもう仕事をする気にならない。
仕事をサボっても、誰にも怒られることもない自由業、
「もうきょうは仕事をやめて、飯食って寝よう」
となった。
まったく、自分でもどうかと思うが、そういう生活なのである。
それで家に帰って作ったのは、キムチ鍋。
疲れた時は、やはりこれだ。
豚肉とニラ、それにキムチは、疲労を回復するには黄金のとり合わせ。これで回復できない疲労は、「あきらめるしかない」というほどだ。
キムチ鍋を作るには、とにもかくにも、キムチをケチらないこと。キムチ鍋は「キムチ味」なのだから、おいしいキムチをたくさん入れれば入れるほどおいしい。
理想としては、「水1カップにたいしてキムチ100グラム」。これだけ入れれば、他に調味料は、塩だけでいい。
でも、キムチもそう安くはない。それできのうは、キムチは半分くらいの量にして、その分をしょうゆなどで補った。
入れる野菜は、キムチが白菜だから、白菜以外ならなんでもいいという話。きのう入れたのは、豆腐にジャガイモ、玉ねぎ、えのきにシメジ、もやしとニラ。
それからキムチ鍋には、アサリを入れると大変おいしい。
アサリには、しじみ同様、アルコールの分解を助ける効果もあるそうだ。
アサリは水1カップにたいして小さじ1くらいの塩を入れた塩水に30分~1時間くらいひたしておく。
そのあと両手で殻をこすり合わせるようにして、水を4~5回替えながらよく洗う。
鍋に、
- ゴマ油 大さじ2
- キムチ 150グラム(300g入りパックの2分の1くらい)
- キムチの汁 大さじ1(あれば)
を入れて弱火にかけ、フタを閉め、ときどき混ぜながら蒸し焼きにする。
キムチがしんなりとして油が赤く色づいたら、カップ3の水を入れ、まず5分くらい弱火で煮る。
味を見ながら、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油 大さじ1
- おろしショウガ 大さじ1
- 塩 少々
で味つけする。
このとき、肉や野菜、アサリなどの具が入り、コクが出るのはこれからだから、味がまだイマイチでもジタバタせず、塩味を決めるくらいにとどめておく。
まずジャガイモ、玉ねぎ、豆腐など、煮えにくいものから入れ、5分くらい煮たところで、えのきとシメジ、もやし、それに洗ったあさりと、豚うす切り肉200グラムを入れる。
豚肉の色が変わり、アサリの殻がひらいたら、ニラをくわえ、ひと煮立ちさせて火を止める。
キムチと豚肉、ニラの相性は、ほんとに最高。
味がしみたジャガイモが、またたまらない。
あとは、白めし。
酒は、花春。
飯を食い、早く寝るつもりだったのに、結局ダラダラ酒を飲み、布団に入ったのはいつもの時間。
まったく、だらしないことこの上ない。
「わかってるならちゃんとしなよ。」
そうだよな。