みりんと豆板醤、酢を加えたチャンポン。麺が甘辛酸っぱくてコクがある汁を吸ったのは、たまらない。
豚肉とニンニク、それに中華麺の魔のトライアングルにハマりまくってしまい、抜け出せる見込みはないのだ。
きのうは、酸辣チャンポン。
酸辣湯麺は、実はまだ食べたことがない。でも辛くて酸っぱくて、おいしい湯麺を作ればいいだけなのだから、食べたことがなくても問題はないわけだ。
「辛みと酸味」は黄金の取り合わせなわけで、中華なら「酢醤油にラー油」がその代表。カレーでも、トマトやヨーグルトの酸味をきかせるわけで、酸味があると、辛みがまた引き立ってくる。
さらにその際、ちょっと「甘み」があるといいのだ。
「甘辛酸っぱい味」は、世界中でよく使われる。日本なら、「ポン酢にもみじおろし」。中国なら酢豚がそうだし、カレーやキムチもフルーツの甘みを入れる。
南米では果物にチリパウダーをかけて食べるし、タイの料理などでもトムヤムクンをはじめとして甘辛酸っぱい味は多い。
なので酸辣湯も、ちょっと甘みがあるといいのは間違いない。今回は、みりんを入れることで対応している。
入れる具は、豚コマ肉に、白菜。これは白菜の処理も兼ねているのだ。
白菜は煮汁を吸ってやわらかくなるのが本領だから、歯応えのあるものとしてタケノコと木クラゲを加える。
緑もニラや青菜ではなく、今回はしゃっきりピーマン。ピーマン・タケノコと相性がいいしゃっきり玉ねぎも加えることとし、さらにコク出しとして、長ねぎを一緒に煮た。
あとはだしにも使う干し椎茸で、具は一通りとなる。
麺はきのうは焼きそば用の「蒸し麺」を使ってみた。
これまでは「ゆで麺」を使っていたのだが、蒸し麺もなかなかよかった。
蒸し麺は、要は麺にふくまれる水分が、ゆで麺より少ないということなのだと思う。そのため煮込むと、ゆで麺よりよく汁を吸ってホンワリとなる。
関東だと、「麺にコシがないのは許せない」と思う人が多いと思う。でも関西・西日本では煮魚にそうめんを入れることからも分かる通り、「煮汁を吸ってやわらかくなった麺」も一つのおいしさだといえる。
麺を煮込む時間は、再沸騰までの「1分」だ。
さらにそのあと、すぐにトロミをつけてしまえば、麺がさらに汁を吸って伸びるのを防ぐことができる。
まずは干し椎茸と木クラゲをもどす。
鍋に、
- 水 2+2分の1カップ (2カップのだしが取れる)
- 干し椎茸(中) 3枚
- 乾燥木クラゲ 3個
を入れ、フタをして中火にかけ、煮立ったら火を止めて15分くらい置いておく。
ピーマンと玉ねぎを炒める。
フライパンにサラダ油・大さじ2分の1を入れてよく熱し、
- 玉ねぎ 4分の1個 (1~2センチ幅のくし切りにする)
を30秒くらい炒める。玉ねぎがほぐれかけてきたところで、
- ピーマン 1個 (玉ねぎと同じくらいの大きさに切る)
を加え、さらに30秒くらいサッと炒め、シャキシャキ感を残して皿にとり出す。
あらためてフライパンを弱火にかけ、
- サラダ油 大さじ1
- 豆板醤 大さじ1
- ニンニク 1かけ (みじん切り)
を入れて、2~3分じっくり熱する。つづいて、
- 酒 小さじ1
- 塩 小さじ4分の1
- コショウ 1ふり
をやさしくもみ込み、片栗粉・小さじ1をまぶした豚コマ肉・100グラムを入れ、豚肉の色が変わるまでじっくり炒める。
- 白菜の芯 2~3枚分 (2センチ幅くらいのそぎ切りにする)
- 白菜の葉 同上 (ざく切り)
- 水煮タケノコ 4分の1本 (玉ねぎやピーマンと同じくらいの大きさ・厚さに切る)
- 長ねぎ 5センチくらい (斜め薄切り)
- もどした干し椎茸 3枚 (汁気をしぼり、石づきの先端だけ落として1センチ幅くらいに切る)
を入れ、強めの弱火くらいで2~3分、白菜がややしんなりし、油が全体に絡むまで炒める。
- 干し椎茸のもどし汁 2カップ
- 酒 大さじ2
- みりん 小さじ2
- 薄口醤油 大さじ1
- オイスターソース 大さじ1
- 塩 小さじ4分の1
- コショウ 1~2ふり
を加えて中火にし、煮立ってきたら弱火にもどして、白菜がやわらかくなるまで2~3分コトコト煮る。
- もどした木クラゲ 3枚
- 焼きそば麺 1人前
を加え、弱めの中火くらいにして、麺をほぐしながら1分煮る。
- 片栗粉 大さじ2
- 水 大さじ2
の水溶き片栗粉を、スプーンで混ぜながら加えてトロミをつける。
最後に、
- 皿にとり出しておいたピーマンと玉ねぎ
- ゴマ油 小さじ1
- 酢 大さじ1
を入れ、全体を混ぜて火を止める。
好みで粗挽きコショウをかけて食べる。
これは、死ぬ。
汁をしっかりと吸い、さらにトロミがたっぷり絡んだふわふわの麺。
甘辛酸っぱく、コクがある汁も、たまらない。
でも例のごとく、料理があまりに酒に合うから、飲み過ぎてしまうのだ。
この料理を前にして飲み過ぎない方法は、どう考えても「ない」としか思えないのである。
「考えてないくせに。」
ホントだな。