キムチを加えたゴーヤチャンプルー。ゴーヤチャンプルーの味つけの中で、これが一番うまいと思う。キムチが豚肉、豆腐、卵のいずれとも相性が最高なのは知れた話で、しかもゴーヤにもバッチリ合う。ゴーヤが姿を消さないうちに、絶対に作るべきだ。
ゴーヤチャンプルーの味つけは、沖縄式にやるのなら醤油と削りぶし。
それ以外にも、削りぶしは使わずに、すき焼き式に生卵を落としたのとか、ピリ辛みそ味、マーボー味、カレー味などいずれもうまい。
しかし中でも最もうまいのは、「キムチ味」だとおれは思う。
だいたいキムチが、豚肉やスパム、豆腐、卵のいずれとも相性が最高なのは、豚キムチやキムチ鍋、ブテチゲなどが証明している通り知れた話だ。しかもキムチは、ゴーヤとも実によく合う。
キムチ味は、青臭い、クセのある食材と相性がいいのである。韓国料理でよく出てくる、ゴマの葉の唐辛子漬けなどその代表だし、ゴーヤと近縁のきゅうりも、やはりキムチとして漬ける。
実際にあるかどうかは知らないが、「ゴーヤのキムチ」があっても、おかしくないと思うほどだ。
なのでキムチのゴーヤチャンプルー、完全に王者の味なのだ。
ゴーヤもそろそろ終わるから、姿を消してしまわないうちに、絶対に作るべきだ。
ゴーヤチャンプルーをよく作る人なら、要は炒めるときに肉と一緒にキムチを加えるだけでいい。味つけは、キムチだけだと寂しいから、酒とみりん、ちょっとの淡口醤油を加える。
ただし卵だけは、キムチチャーハンに習って目玉焼きにする。
キムチ炒めは色が全体に赤くなるから、この白と黄色のコントラストが、見栄えもまたいいのである。
フライパンにゴマ油・大さじ2を引き、5ミリ~1センチ厚さの短冊に切った減塩スパム(または豚肉)170グラム(2分の1缶)を並べ、その上に肉と同量くらい(=170グラムくらい)を乗せる。
フタをして、弱めの中火で10分くらい、蒸し焼きにする。こうすることで、キムチから味がよくしみ出すし、生肉を使う場合なら、その下味をつけることにもなる。
フタを外し、中火にしてさらに少し炒めたら、
- タテ半分に切り、スプーンでわたをかき出して、3~5ミリ幅くらいに切ったゴーヤ 2分の1本
- 2センチ大ほどに手でちぎった焼き豆腐か固めの木綿豆腐 2分の1丁
を加えてさらに炒める。
豆腐は焼き豆腐を使えば、水切りの必要がない。手でちぎると、断面にデコボコができるから、その分、味がしみやすくなる。
豆腐をくずさないように気を付けながら2~3分炒めたら、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油 小さじ1
- おろしショウガ 1センチ大分
を加え、さらに1~2分、汁気がなくなるまで炒める。
生肉を使った場合は、味をみて少し塩を加えた方がいいと思うが、スパムなら、スパムに塩があるからそのままでいいはずだ。
皿に盛り、目玉焼きを乗せる。
まずはそのまま食べ、しばらくしてから目玉をくずす。
これは、ウマイ、、
トロッとした卵の黄身も、火が通った白身も、どちらもいい癒やしになっている。
あとは、トマトとオクラの赤だし。
トマトの赤だしはとにかくウマくて、それにオクラが入ると、またたまらない。
- 鍋に2カップ半の水と、頭をワタを取った煮干し10本くらいを入れ、中火にかけ、煮立ってきたら弱火にし、10分ほど煮出してだしを取る。
- 酒・大さじ1と、大さじ2~3の八丁赤だし味噌を溶き入れて、油あげを5分くらい煮る。
- まず5ミリ幅くらいの小口切りにしたオクラ・5本、それから6~8等分のくし切りにしたトマト・1個を入れ、1分ほどして火を止める。
- お椀によそい、小口切りにしたミョウガと一味をかける。
酒は、冷や酒。
うまいものを食い、酒を飲むと、最高に幸せな気分になる。完全に満ち足りて、一日を終わることができるのだ。
そのためには、少しくらい飲み過ぎても仕方がないのである。
「お酒を飲まなくたって幸せな人もいるんだよ。」
そうだよな。