きゅうりは炒め煮にするとウマイです。このきゅうりとエリンギ・スパムの紹興酒炒めは歯ごたえよし、紹興酒の風味よしでツマミにはまじでグレートな一品です。
きゅうりは炒め煮にするとウマイ
「きゅうりに火を通して食べる」というと違和感がある人も多いかと思いますが、じつは日本でも普通にされていてかなりオツです。この火の通し方として「炒め煮」は最強で、エリンギと組み合わせるとツマミとして完璧にグレートです。
きゅうりは火を通して食べるのもオツ
きゅうりに火を通すことを筆者が学んだのは京都にいた頃で、八百屋のご主人から教えてもらいました。特に直径3センチくらいのぶっといきゅうりを関西風のうす味のだしで煮るのは京都ではよくやる食べ方だとのことで、それを応用した「豚肉ときゅうりの肉吸い」とかものすごくウマイです。
考えてみたらきゅうりはウリや冬瓜とおなじウリ科です。煮るとホックリとして夏にはうってつけの煮物になります。
それからきゅうりを炒め物に使うのも、やはり京都の小料理屋で教えてもらいました。
ただしきゅうりは炒めるだけだと味がしみにくいので、その小料理屋では古漬けのきゅうりを使っていました。
世界を見ても、やはりウリ科のズッキーニは煮込んで食べるのがふつうです。きゅうりに火を通して食べることを覚えると、料理の幅がまた一つ広がると思います。
火の通し方は炒め煮が最強
さてそのきゅうりの火の通し方ですが、これがけっこう、それなりに工夫がいります。味をしみさせるところに本領がありますが、きゅうりは水分が多いため炒めるだけだと味が入りません。
それで上のレシピの通り、炒める場合は古漬けなど、味がすでに入ったものを使わないといけないです。
また煮る場合にも、きゅうりの水気は青臭さもあるために下ゆでが必要で、そうなるとちょっと手間がかかります。
このきゅうりの水気問題をもっとも手軽に解決するのが「炒め煮」で、炒めることで水気と青臭みを抜き、そのあと調味料とだしを加えて煮ることで、おなじ鍋のまま短い時間できゅうりに火を通すことができます。
筆者も炒め煮でつくる「マーボーきゅうり」は、得意料理の一つとしています。
紹興酒・エリンギとの組み合わせはグレート
ところが今回、さらに手軽でおいしいきゅうりの炒め煮を最近よく行く中国スナックで食べたというわけで、それがこの「きゅうりとエリンギの紹興酒炒め」です。
ポイントはまずきゅうりを3ミリ厚さくらいにタテに切ることで、このくらいの厚さだと火が通り、味がしみるのが早いとともに、タテに切るので適度な食べごたえが残ります。また紹興酒を使うのもミソで、紹興酒の風味とニオイ消し作用によってきゅうりの青臭みが完全になくなります。
そしてさらにスゴイのが、きゅうりをエリンギと合わせること。
適度な弾力があってきゅうりとはまた違った食べごたえがあるエリンギをきゅうりと同じくらいの大きさ・厚さに切って入れると、きゅうりとエリンギが「食べごたえのバトルロワイヤル」をくり広げてくれるわけで、まさに「グレート」としか言いようがありません。
紹興酒と塩だけのうす味とあいまって、酒のツマミにはこの上ないです。だいたい547回くらいは死にます。
作り方
これはとても手軽な料理で、中国スナックのママが接客のあいだにチャチャッと作るわけですので、切る時間を入れても10分もあればできます。最後に炒め煮しているあいだに水気がなくなってしまうこともあるかと思いますけど、その場合には紹興酒か水を足しましょう。
味出しは、今回はスパムを使いましたが、中国スナックでは牛のコマ切れ肉を使っていて、これもとてもうまかったです。また肉に限らず、ツナ缶を使ってみたのもうまかったですし、たぶんさつま揚げなどを使ってみてもおいしいのではないかと思います。
コツは、火加減を終始弱めでやることです。
炒め煮は煮物とおなじことですので、じっくりやってしっかり味を含ませましょう。
STEP1 スパムときゅうり・エリンギを炒める
フライパンに、
- サラダ油 大さじ1
- 減塩スパム 50グラム程度(3ミリ厚さくらいに切る)
を入れて弱めの中火くらいにかけ、2~3分炒めて味をひき出す。
つづいて、
- きゅうり 1本(タテ4等分に切ってから、3ミリ厚さくらいにタテに切る)
- エリンギ 1本(タテ2等分に切ってから、やはり3ミリ厚さくらいにタテに切る)
を入れ、さらに1~2分炒めて肉の味をからませる。
STEP2 紹興酒をくわえて炒め煮する
- 紹興酒 大さじ3程度
- 塩 小さじ4分の1(スパムに塩気があるので少なめ。入れる味出しの具材によって調整する)
を入れ、ときどき上下を返しながら弱めの中火のまま炒め煮する。4~5分してきゅうりが適度にしんなりしたら、皿に盛る。
何もかけずにそのまま食べます。
味付けは、にんにくやナンプラーなどを使ってみたりしてもまたイイですが、とりあえずシンプルに作ってみるのがおすすめです。