「きゅうりは生で食べるもの」と思っている人も多いと思うが、じつはきゅうりは、火を通しても大変うまい。コッテリとした豚肉との相性がまた抜群で、炒め物にすると、とてもいい。
さらにきゅうりは、ピリ辛味がまた合うわけだ。となれば「マーボーきゅうり」となるわけで、これが意外に、王道の味なのである。
マーボーはおとといも食べたのだが、きのうはきゅうりをメイン料理にしようと思ったわけである。メインとなれば、やはり火を通さなくてはならないが、きゅうりは火を通しても、大変うまい。
要はきゅうりも瓜の仲間だから、冬瓜やゴーヤとおなじようなものなのだ。
煮物にすれば、コックリとしながらさっぱりした、夏には打ってつけの料理になる。豚肉との相性も非常によく、炒め物にするには、とてもいい。
さらにきゅうりは、オイキムチなどがあることからも分かる通り、ピリ辛味はよく合うわけだ。
煮物、豚肉、ピリ辛とくれば、それは「マーボー」に決まりなのだ。
連日になってしまっても、仕方ないのである。
冬瓜は、そぼろあんかけが一つの定番料理である。マーボーきゅうりは、いわば「きゅうりのピリ辛そぼろあんかけ」なのだから、「王道」といえる料理法なのである。
きのうはここに、トマトも入れた。きゅうりとトマトは、サラダでおなじみのゴールデンコンビだし、ピリ辛味にも、酸辣湯があることで分かる通り、酸味は合う。
きゅうりに火を通して使う場合、ちょっと青臭いのと、味がしみにくいところがあるから、扱いに工夫は必要になる。まずきゅうりの皮は、青臭さの元だから、できるだけ剥いてしまうのがおすすめだ。
ただ、完全に剥いてしまうと、「きゅうりに見えなくなる」という弱点がある。そこで皮は縞にむいて、きゅうりらしさは残しておく。
それから味をしみさせるためには、包丁で切るよりも、すりこ木で叩いてちぎるのがいい。炒め物にするのなら、さらに塩もみして薄く味をつけておいた方がいいが、今回は煮物だから、そこまではしなくて良い。
マーボー味は、ニンニクを使わなくても、ショウガをたっぷり入れれば味に全く不足はない。コク出しに味噌とオイスターソースを使い、隠し味程度に砂糖を入れる。
香味野菜は、通常マーボーで使われる長ねぎよりも、玉ねぎがおすすめだ。洋食っぽい、ちょっとやさしい味になり、ピリ辛の刺激を和らげてくれるのだ。
きゅうり2本の皮をタテに縞に剥き、すりこ木で叩いて大きめにちぎる。
太っといきゅうりの場合なら、タネも取ったほうがいいが、普通サイズなら、そこまでしなくて大丈夫。
フライパンに、
- ゴマ油 大さじ3
- ショウガみじん切り 2センチ大くらい
- 玉ねぎみじん切り 4分の1個分
- 豆板醤 小さじ2
- 豚ひき肉 200グラム
を入れて弱めの中火にかけ、豚肉はスプーンで潰してほぐしながら炒める。
豚肉がほぐれたら、きゅうりを入れて、さらに4~5分、水気が飛んで、「ジュージュー」という音が収まってくるまで、じっくり炒める。
溶きまぜておいた調味料、
- 味噌 大さじ1
- オイスターソース 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
を加え、さらに1~2分炒める。
この時点までで、豚肉ときゅうりに香味油と調味料の味を、バッチリつけてしまうわけである。
水・1カップを入れ、味をみて塩加減し、弱火で10分くらい、コトコト煮る。
最後に中火にし、くし切りにしたトマト1個を入れてひと混ぜしたら、
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ1
の水溶き片栗粉を、スプーンで少しずつ、加えては混ぜしてトロミをつける。
粉山椒をふって食べる。
コックリと味がしみたきゅうりは、本当にたまらない。
あとは、豚肉のわかめスープ。
おととい同様、ひき肉がちょっと多すぎるのでこちらに流用したのだが、マーボーには、やはりわかめスープだ。
鍋に、
- 水 2+2分の1カップ
- 豚ひき肉 50グラム
- わかめ
- うす切り玉ねぎ 4分の1個分(これも余ったものを流用)
- うす切りのショウガ 2~3枚
を入れて中火にかけ、煮立ってきたら弱火にし、20分くらい煮る。
- 酒 大さじ2
- オイスターソース 小さじ2
- 塩 少々
で味付してさらに5分くらい煮て、お椀によそって青ねぎとひねり潰したゴマをかける。
わかめは、こうしてトロトロにしてしまうのも、またうまい。
塩もみナスのからし酢醤油。
ナスは、3ミリ幅くらいに切り、一つまみの塩で揉んで5分くらい置き、水洗いしてよく絞る。
醤油と酢それぞれ小さじ1くらいと、からし少々で和える。
あとは、キムチ。
酒は、冷や酒。
きのうもまた、飲み過ぎるわけである。
しかし飲み過ぎなければ、酒などおもしろくもクソもないのだから、飲み過ぎないくらいなら、初めから飲まない方がいいのである。
「飲む理由だけは立派だね。」
ほんとだな。
◎関連記事