きのうは太っといきゅうりを、豚肉、トマトと合わせて吸い物にした。きゅうりはうす味のだしで煮ると、夏には打ってつけの涼しげな料理となる。
きゅうりは青臭みを取るために、皮を縞に剥いてよく下ゆでする。だしは昆布とかつお節できちんと取ると、圧倒的なうまさである。
きのうは八百屋へ行ったら、太っといきゅうりが売っていたのである。
べつに品種が違うわけではなく、きゅうりは1日か2日採り忘れると、このように大きく太くなってしまうものらしい。
実はこの太っといきゅうり、格好の食べ方がある。煮て食べるとうまいのだ。
要はおなじウリ科の冬瓜などと一緒の話だ。うす味のだしで煮ると、コックリとだしを吸い込み、でありながら涼し気な、夏には打ってつけの煮物になる。
うす味で煮るのは決まりとして、さらにこの太っといきゅうりを何と合わせるかを考えた。
一つの定番と思われたのは、鶏そぼろと合わせてあんかけにすることだ。冬瓜もこのような煮方をする。
しかしこれだとメイン料理として、ちょっとボリュームが足りないと思われた。
となれば、豚肉なのである。豚肉ときゅうりは相性が非常にいい。豚肉が、やはりおなじウリ科のゴーヤと黄金のコンビなのからも分かる通りだ。
豚肉ときゅうりを、吸い物だしで煮て肉吸いにしたら、さぞおいしかろうと思われた。
きのうはここに、さらにトマトも入れることにした。
トマトは、青臭くなりがちなきゅうりをうまく補い、まろやかな味にしてくれるのだ。
肉吸いは、やはり何といってもだしが大きなポイントだ。化学調味料を使うのではなく、昆布とかつお節できちんとだしを取るのが圧倒的においしくなる。
3カップのだしを取るには、4カップの水と10センチくらいのだし昆布を鍋に入れ、中火にかける。
沸いてきたら弱火にし、ほとんど煮立てないようにしながら10~15分、昆布がビロンと延びるまで煮出す。
つづいて鍋にザルを据え、かつお節をミニパック(2.5グラム)6袋分ほど入れ、やはり煮立てないようにしながら5分ほど煮出す。
かつお節をスプーンで絞ってとり出せば、3カップほどのおいしいだしが出来ているはずである。
ここに、
- 酒 大さじ3
- みりん 大さじ1(=小さじ3)
- 淡口醤油 大さじ3
で味つけする。
これは「うどんだし」の分量で、肉吸いは、だしにちょっと甘みを付けるのがコツとなる。
だしを取るのと並行し、きゅうりを下ゆでする。
きゅうりの皮は青臭さの元になるから、冬瓜同様、全部剥いてしまうのが味的には一番うまい。ただそれでは「きゅうりらしさ」がなくなってしまうので、タテに縞に剥いておく。
真水で10~15分ほど、青臭さがなくなり、「このままもう食べられる」というくらい柔らかくなるまで、完全に火を通してしまう。
きゅうりが煮えたら、豚こま肉200グラムと一緒に味つけしただしに入れ、弱火で10分ほどコトコト煮る。
肉が硬くなるから、ここでもほとんど煮立たせないようにするのが大事だ。
10分煮たら、8等分のくし切りにし、タネをとり除いたトマトを入れる。
弱火で1分ほど煮たら火を止めて、そのまま20~30分おいて、きゅうりに味をしみさせる。
温め直してお椀によそい、青ねぎと一味をかける。
これは、うまい、、、
かつおだしが豚肉でコッテリし、それがきゅうりにしみ込んだのが、たまらないわけである。
それからこれは、そうめんを入れるとまたウマイのは、言うまでもないのである。
吸い物に入れる場合、そうめんは30~40秒、また芯が残るくらい固めにゆで、水をサッとかけて粗熱を取る。
あとは、ナスのからし酢醤油。
ナスは3ミリ厚さくらいに切り、塩1つまみで揉んで10分くらい置き、水洗いしてよく絞ってからし酢醤油で和える。醤油はうす口を使えば、色がきれいに保たれる。
それからオクラの冷奴。
オクラは板ずり(塩を振ってまな板の上でズリズリする)し、水で1~2分ゆでる。冷めたら小口切りにして、味ポン酢とかつお節で和え、豆腐に乗せて、一味をふる。
あとは、農家のおばさんのきゅうり古漬け。
酒は、冷や酒。
自分で作った料理は、つくづくうまい。自分が食べたいものを、食べたい通りに作るのだから、これは当たり前の話である。
料理がうまければ、酒も飲み過ぎるのが必然だ。しかし家で飲めばあとは寝るだけなのだから、別にそれでいいのである。
「もっとシャッキリ生活しなよ。」
そうだよな。
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