素揚げしたなすをミートソースで煮る「ナスミート」は、王道の定番料理。トマトとなすは夏野菜どうしだし、種も近縁で、相性がとてもいい。
ここに、万願寺とうがらしを加える。
これは「ラタトゥイユのミート版」ともいえるものになるわけで、大変うまいわけである。
ミートソースの味つけには、みりんやしょうゆなどを使って和風にする。なのでご飯にもガッツリ合い、このままこれを、ご飯にかけて食べてもいいほどだ。
つくり方
トマトソースは粘り気があるから、煮込んでも、野菜がやわらかくなりにくい。なのでなすにも万願寺にも、それぞれあらかじめ火を通しておき、しっかりやわらかくしてから煮込むのがポイントだ。
火を通すには、素揚げが定石なのだけれど、揚げ物はめんどうだし、不必要にカロリーも高くなる。なので炒めたり、蒸し焼きにしたりするのだが、それで問題はまったくない。
フライパンに
- オリーブオイル 大さじ1
- なす 2本 (3センチ大くらいの乱切りにする)
を入れ、弱めの中火くらいで5分ほど、しんなりとしてくるまでじっくり炒め、皿にとり出す。
なすは油が冷たいうちに入れ、よくかき混ぜてから火をつけるようにすると、油が均一にまわりやすい。
あらためて、フライパンに、
- オリーブオイル 大さじ2分の1
- 万願寺とうがらし 5~6本 (ヘタだけ落として2~3センチ大に切る。種はとらなくていい)
を入れ、弱めの中火で1分ほど炒めたら、酒・大さじ1をふり入れてフタをして、弱火でやはり5分くらい、ときどき鍋をゆすって混ぜながら、蒸し焼きにする。
しんなりしたら、皿にとり出す。
フライパンに、
- オリーブオイル 大さじ1
- 豚ひき肉 100~200グラム (きのうは150グラム)
を入れ、スプーンで押しつぶしてほぐしながら、弱めの中火でじっくり炒める。
肉汁が「ジュージュー」と弾ける音がおさまってきたら酒・大さじ1を入れ、さらに焼色がついてくるまでじっくり炒める。
ひき肉に火が通ったら、フライパンを傾けて油をあつめ、油が足りないようならオリーブオイルを少し足し、
- ニンニク 1~2かけ (みじん切り)
- 豆板醤 小さじ1
を弱火で2~3分じっくり炒めて味をひきだす。
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ2
- 薄口しょうゆ 大さじ2
- オイスターソース 小さじ2
- コショウ 少々
を加えて1~2分炒めたら、弱めの中火にし、とり出しておいたなすと万願寺をもどしてさらに1~2分炒め、カットトマト・1缶を入れる。
フタをして、弱火で10~20分、じっくり煮込む。
火を止めて、しばらくそのまま置いておけば、さらに野菜に味がしみる。
皿に盛り、粗挽きコショウと、ご飯のおかずにする場合にはさらにパルメザンチーズをかける。
これは、たまらない……。
トマトの味が、トロトロのなすと万願寺にしみて、740回は死ぬ。
肉厚でやわらかな万願寺とトマトソースが、これまたビックリするくらい合う。
そしてもちろん、これがまた、酒には完璧ともいえる合い方なのだ。
ここまで酒に合ってしまうと、「飲み過ぎない」という言葉が辞書から消えてしまうほどだ。
「消えないよ」
そうだよな。