スパムとキムチ、じゃがいもは、ゴールデンなコンビである。ブテチゲ風に煮込むと死ぬかど思うほどウマイ。
キムチ煮をつくる際には、「キムチをケチらない」ことがコツとなる。キムチとスパムは蒸し焼きにし、油に味をよくなじませる。
晩飯をどうするか考え始めると、食べたいものとして「ブテチゲ」が思い浮かんだ。
こってりとしたスパムやウィンナーとキムチは最高の相性なわけで、これでじゃがいもを初めとした野菜を煮込んだブテチゲ(部隊チゲ)は、ガッツリと食べたいときには打ってつけの料理である。
ただし今は夏だから、具だくさんの鍋を卓上でグツグツ煮る気はしない。
そこで材料を絞り、鍋ではなく煮込み料理として、器によそって食べることにした。
具は、まずはもちろん、スパムとウィンナー、それにキムチ。
それで煮込む野菜は、やはり筆頭はじゃがいもだろう。こってりとしたキムチ味の汁がしみ込んだ、ホッコリとしたじゃがいもは、必殺のうまさである。
野菜はあとは玉ねぎだけ、豆腐は油あげで代用する。
スパムは、ツナ缶と並び、常備している。
「レギュラー」と「20%減塩」の2種類があり、料理に使うには、あとから味はいくらでも入れられるわけだから、減塩の方がいい。
340g入りだから、半分を使うと一食分にちょうどいい。残りは冷凍しておけば、またいつでも使える。
鍋かフライパンにゴマ油・大さじ2を引き、1センチ厚さくらいに切ったスパム・170グラム(2分の1缶)、半分に切ったウインナーソーセージ・4本くらいをならべる。
その上にキムチ200グラムくらいを乗せてフタをして、弱めの中火にかける。
キムチ煮をつくる場合、「キムチをケチらない」ことが最大のコツとなる。家庭で自家製する韓国とはちがい、日本で買えばキムチも安いものではないが、キムチ煮は要はキムチで味つけするわけだから、キムチが足りないとお話にならないのだ。
1カップの煮汁に対し、キムチ100グラムくらいが目安である。きのうは煮汁を2カップとしたから、200グラムを使ったわけだ。
5分くらい蒸し焼きにしたら、全体を一度まぜ、さらに5分くらい、蒸焼きする。
こうすることで、肉類とキムチに火を通すとともに、キムチのうまみとゴマ油、豚の脂を反応させ、いわば「香味油」を作るわけだ。
蒸し焼きしたら、2センチ大くらいのゴロゴロに切ったじゃがいも2~3個をいれ、混ぜて油と汁をよく絡め、煮詰まる分を見越して、水・2+2分の1カップの水を入れる。
くし切りにした玉ねぎ・2分の1個と、短冊に切った油あげ・2分の1枚を加え、煮立ってきたらフタをして弱火にし、10分くらい煮る。
10分煮て、キムチの味が煮汁にしみ出したところで味つけするわけなのだが、ほんとにおいしいキムチなら、塩を加えるだけでいい。
でもスーパーなどではなかなかそこまでおいしいキムチは手に入らないから、味を見ながら、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油 大さじ1
- おろしショウガ 1~2センチ大分
くらいで味つけする。
味つけしたら、さらに10分くらい煮る。竹串を刺し、じゃがいもがちょうどいい柔らかさになっていることを確認したら火を止めて、そのまま少し置いてじゃがいもに味をしみさせる。
器によそい、青ねぎをかける。
これは、たまらない、、、
これはじゃがいもを使った料理の中で、「一番うまいのではないか」と思うくらいだ。
キムチ煮には、もちろんご飯。
それに、キャベツ塩もみ。
芯は落とし、1センチ幅くらいに切ったキャベツを1つまみの塩で揉み、20~30分おいて水洗いし、よく絞る。
たっぷりのレモン汁と、砂糖と淡口醤油・それぞれ少々で和え、一味をかけた。
それに、キムチ。
酒は、冷や酒。
きのうもキムチ煮を食べ、酒を飲んで、大変幸せな気持ちになった。世の中には最悪なことが多いけれど、これだけあれば、おれは持ち堪えることができる。
これで彼女ができれば言うことはないけれど、べつにできなければできなかったで、いいのである。
「年なんだから高望みしないことだね。」
そうだよな。