豚肉とねぎを焼き肉的な味でガッツリ焼いて、ライスを添えた男子めし。10分でできるのにご飯が100杯は食べられて、しかも563回はぜったい死ねる。
これは朝めしだったのだ。きのうは夕方ラーメンを食べたから、晩は酒だけにして、朝にガッツリ行くことにした。
朝だから、手間がかかるものはやりたくない。そこで豚肉と、豚肉と相性最高のねぎだけを合わせ、焼き肉的なタレをかけて炒めるという、10分もあればできながら、超ガッツリしたメニューをつくることにしたのである。
ライスと合わせたかったから、味付けはやはりしょうゆ味。豚肉と醤油を合わせるためには、ニンニクを使うのがてっとり早い。
日本で豚肉をしょうゆ味で焼く場合、「しょうが焼き」が定番だ。でも本当にしょうゆとみりんと、しょうがだけで炒めた場合、「ひと味足りない」のはしょうが焼きをつくった人なら知っていることなわけで、そのためしょうが焼きは、みそやら酢やら、バターやら、その他さまざまなものが隠し味として使われる。
これは豚肉としょうゆの味が、相性がよくないからだ。ラーメンを初めとして、日本人は「豚肉・しょうゆ問題」の解決に、長年頭を悩ませている。
ところがしょうがの代わりにニンニクを加えれば、豚肉・しょうゆ問題は一発で解決する。
おまけに豚肉とニンニクを合わせると、豚肉の栄養がさらにパワーアップされるから、これは致せり尽くせりなのである。
しょうゆとみりん、それにニンニクを合わせた味付けは、ひとことで言えば「焼肉のタレ」。これは日本の味と朝鮮の味の両方を知り尽くした在日コリアンの発明品だ。
ここにニンニクと相性がよいゴマ油と唐辛子、それにコショウを加えれば、焼肉のタレ度はさらに上がる。
白めしがいくらでも進むのは、食べる前から明らかなのだ。
つくり方
肉は火が通ると硬くなり、味がしみにくくなる。そこですき焼きの要領で、肉と調味料をいっしょに入れ、味をふくませながら焼くのがポイントだ。
なので全体の工程は、まずニンニクと豆板醤を炒めたら、一旦火を止め豚肉と調味料、それにねぎを入れ、そのまま炒め上げてしまう。本当に10分でできるから、ウソだと思うのならやってみるのがおすすめだ。
豚肉は、しょうが焼き用のやや厚めのだともちろんうまい。でも安いコマ肉を使っても、きちんと味をふくませれば問題なくおいしくできる。
フライパンに、
- ゴマ油 大さじ1
- ニンニク みじん切り 1かけ
- 豆板醤 小さじ2分の1 (好みで)
を入れ、弱火にかけて、2~3分炒めて味をひき出す。
一度火を止め、豚うす切り肉(しょうが焼き用/コマ肉)100グラムを、食べやすい大きさに切って広げてならべる。
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- しょうゆ 大さじ1
をこの順番でかけ、ななめ切りにした長ねぎ・1本(青いところも使ってOK)を入れたら中火にかける。
1~2分、動かさずにそのまま焼いて、豚肉に半分ほど火が通ったところで上下を返し、そのままさらに1~2分、ねぎがしんなりするまで炒め、最後に酢・小さじ1を入れて火を止める。
皿に盛り、ライスを添えて、粗挽きコショウをかけて食べる。
これは、たまらない……。
豚肉とねぎにしっかりと味がしみ、563回はぜったい死ねる。
ご飯も、100杯は食べられるのはうけ合いだ。
しかもこれが、まちがいなく酒に合う。
ところがきょう、朝だったためにまたしても日和って飲まなかったのは、「やはり僕はまちがっていたのではなかろうか」と、後悔することしきりである。
「バカすぎだね」
ほんとだな。