イワシの食べ方には、塩焼きを初めとして、蒲焼き、梅煮、甘露煮、酢じめ、つみれ汁などなど色々ある。でももし迷ったら、「炊き込みご飯」が絶対におすすめだ。塩焼きして炊き込むだけだから、作るのも簡単。しかもバツグンにうまいのである。
きのうは魚屋へ行ったら、大きくてピカピカ光った、いかにも活きのよさそうなイワシが売っていたから、3匹買ってきたのである。
これで100円あまりなわけで、イワシはまず何といっても安いのがいい。
それでまずいのかといえば、もちろんそんなことはない。ただ塩焼きしてもおいしいし、蒲焼き、梅煮、甘露煮、酢じめ、つみれ汁などなど、イワシのおいしい料理法はいくらでもある。
しかしそれらイワシの料理法で、もし一つを選ぶとしたら、
「炊き込みご飯」
なのである。
魚をご飯に炊き込むなど、あまりイメージが湧かない人も多いと思う。炊き込みご飯といえば、まっ先に浮かぶのは「鶏肉」なわけで、あとご飯に合わせるなら蒲焼きや、塩焼きしたのを混ぜ込むくらいなのではないか。
しかし魚は、塩焼きしたのをご飯に炊き込むと、史上空前にうまいのだ。
これはまちがいなく全ての魚について言えることで、イワシももちろん例外ではない。
炊き込むことで、魚のうま味が煮汁に出て、それがご飯にバッチリしみこむわけで、これはほんとにたまらない。
塩焼きして米などと一緒に鍋に入れ、ただ炊くだけだから、作るのは簡単で時間もかからない。
「臭み」を心配する人もいると思うが、塩焼きするから、臭みはまったく、微塵もない。
一人分の炊き込みご飯なら、一人用の土鍋でやるのが一番いい。
炊飯器で炊くよりおいしくできるし、そのまま食卓へ出しても見栄えがする。
具は、ごぼうと油あげが定番だ。あれこれゴテゴテ入れるより、具はシンプルにした方が、魚のうまさが引き立つと思う。
イワシの場合は、ちょっと味がクドいから、薬味を入れるようにする。
千切りのショウガを一緒に炊き込み、さらに炊き上がってから、青ねぎとゴマをたっぷりまぜ込む。
イワシは包丁で頭を落とし、腹を肛門まで割いてわたを出し、水で洗う。イワシはウロコもあるから、指でやさしく擦って落とす。
水気をふき取り、表と裏にパラパラと振って、焼く。
べつに中までちゃんと火が通る必要はないわけで、むしろあまり焼き過ぎると脂が落ちて、うま味が抜け過ぎてしまうことになる。
強火で、軽く焼き色がつく程度まで、サッと焼くのがコツとなる。
土鍋に、
- だし昆布 5センチくらい
- 研いで20~30分ザルに上げておいた米 1カップ
- 千切りにしたショウガ 2センチ大くらい
- ナイロンたわしで泥をよく洗い落とし、ささがきにして5分くらい水にさらしたゴボウ 2分の1本
- 細く刻んだ油あげ 2分の1枚
- 焼いたイワシ
を、この順番に積み上げていき、さらに、
- 水 1カップ
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油 おおさじ1
をイワシの上からかけてフタをし、中火にかける。
湯気が勢いよく吹き出してきたら一番の弱火にし、10分炊いて、火を止めて10分蒸らす。
この時間でやれば、多少オコゲができるくらいの炊き上がりになるはずだ。
たっぷりの青ねぎと、ひねり潰したゴマをまぜ込んで食べる。
これは、たまらない、、、
ほんのりとやさしい味で、しかもこれがまた酒にもよく合う。
それから魚の炊き込みご飯は、お湯や氷水を入れて食べるとまたウマイ。
その場合、わさびをちょんと落としてもいい。
あとは、とろろ昆布とオクラの吸い物。
お椀にとろろ昆布と削りぶし、板ずり(塩を振ってまな板の上でズリズリする)し、水洗いして小口切りにしたオクラを入れてお湯を注ぎ、淡口醤油で味つけする。
それに冷やしトマトと、、、
農家のおばさんから買った、きゅうりの古漬け。
酒は、冷や酒。
きのうも酒は、うまかった。
飲み過ぎたのは、もちろんのことなのである。
「開き直るのはよくないよ。」
そうだよな。
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