レシピに収まりきらないところに面白さがあるのである。(イワシ山椒煮)

イワシ山椒煮 イワシ

 
イワシ山椒煮を一時間半かけて煮た。

イワシ山椒煮

料理は、レシピに収まりきらないところに面白さがあるのである。

 

 

レシピはたしかに便利なもので、多くの場合、その通りにやればおいしく出来る。

ぼくなどのように料理ブログをやっている者にとっても、料理の味を伝えられるものはレシピしかないから、それをどのように書くかはそれなりに考える。

ただし料理の「面白さ」については、レシピでは伝えることができない。

レシピはその性質上、「全てをその通りにきちんとやる」ことが前提とされている。

他人の言うことにただ従って料理して、仮にそれがどんなにおいしく出来たとしても、面白いわけがないだろう。

 

料理の一番の面白さとは、「イメージする」ことにあるとぼくは思う。

完成形を強くイメージし、その手前の味付やら、調理の段取りやらを自分で考え出すところに、料理の醍醐味がある。

自分で考えて料理すると、失敗して不味くなることもあるわけだが、「おいしさ」と「面白さ」とは、また別の話なのである。

 

しばしば重要性が強調される「味見」についても、ぼくは懐疑的である。

炊込みご飯や焼き物など味見が不可能なものも多いし、下手に部分を味見してしまうことで全体を見失い、味をまちがうこともある。

それよりも、調理途中の料理の状態を直感的にイメージし、それに従って作業を進めていく方がよっぽど面白く、またうまくいくのではないかと思う。

 

きのうは魚屋へ行ってイワシを買い、これを煮付けることにした。

イワシ山椒煮

この魚の煮付けがまた「面白い」わけだが、それは魚の煮付けが、レシピ的な考えに収まらないことが多いからである。

 

レシピは「分量」「時間」と「火加減」により、料理法をすべて指定できることを前提としている。

その通りにやれば、極端にいえばロボットでも、同じようにおいしく出来るというわけである。

ところが魚の煮付けは、それだけではうまくいかない。

それは「煮詰める」からで、煮詰めるに当たっては「煮時間」と「煮詰めたあとの煮汁の量」の両方を同時に管理する必要がある。

「2カップの煮汁が10分で、3分の1に煮詰まるよう、火加減を調整する」とレシピに書いても、何も指定したことにはならないだろう。

 

だから魚の煮付けは、レシピはもちろん参考にするにしても、調理しながら自分で判断する余地が大きい。

「判断」が味を決定的に決めるからこそ、「面白い」のである。

 

といっても魚の煮付けは、べつに難しいわけではない。

話としては単純だ。

 

平たい鍋、またはフライパンにだし昆布を敷き、頭を落としてワタを抜き、よく洗ったイワシを並べる。

イワシ山椒煮 作り方

ここに水を2カップくらい、イワシが完全にひたるまで入れる。

水の量は、どちみち煮詰めるのだから「正確に2カップかどうか」はどうでもよく、「イワシが完全にひたる」ことが大事である。

昨日はここに冷凍してあった実山椒を入れたが、これはべつに、穴をあけた梅干しを2~3個入れるのでもいいし、ショウガを細く刻んでもいい。

 

ここに調味料を入れていくのだが、その量は、初めの水の量ではなく、「煮汁をどの程度残すか」によって決まることになる。

残った煮汁が、一定の濃さである必要があるからだ。

昨日は煮汁をほとんど残さないことにしたから、その煮汁があまり濃くなり過ぎないよう、調味料は少なめにする。

酒とみりん、砂糖と醤油をそれぞれ大さじ2ずつ。

さらに梅干しを入れない場合は、イワシの骨をやわらかくするため、酢大さじ1を加えておく。

 

強火にかけ、出てきたアクをサッと取る。

イワシ山椒煮 作り方

そのあと落としブタをし、弱火で1~2時間、コトコト煮る。

イワシは1時間以上煮ることで、骨がそのまま食べられるくらいやわらかくなる。

 

2カップくらいの水なら、1~2時間でいい具合に煮詰まると思う。

イワシ山椒煮 作り方

最後は煮汁をスプーンですくって上からかけ、味をしみさせる。

煮汁が大さじ2見当くらいまで煮詰まったら、火を止める。

 

イワシはこれだけ煮ても脂が抜けず、プリプリなのである。

イワシ山椒煮

ただしそれは、弱火で時間をかけて煮るからだ。

これが圧力鍋など使ってしまうと、とんでもないことになる。

脂が抜けてモソモソになるのは請け合いである。

 

あとはセロリの葉の卵炒め。

セロリの葉と卵の炒め

セロリの葉とツナ2分の1缶をオリーブオイルでさっと炒め、砂糖とうすくち醤油それぞれ小さじ1で味付けし、溶き卵2個分をくわえてさらに炒める。

 

厚揚げの焼いたの。

厚揚げの焼いたの

中火にかけたフライパンでこんがり焼き、おろしショウガと青ねぎ、味ぽん酢をかける。

 

とろろ昆布の吸物。

とろろ昆布の吸物

 

すぐき。

すぐき

 

酒は冷や酒。

酒は冷や酒

イワシを煮ているあいだも酒を飲んでいたから、昨日もよく酔っ払い、終盤は記憶があまりない。

 

「おっさんもレシピは見るよね。」

チェブ夫

参考になるからな。

 

ちなみに昨日の昼は、前日残してあった豚肉とレタスのオイスターソース炒めを使ってチャーハン。

豚肉とレタスのオイスターソース炒めを使ってチャーハン

卵と青ねぎでご飯を炒め、炒め物を入れて醤油とオイスターソースを少し足し、さらに炒める。

 

 

 

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コメント

  1. zen より:

    楽しく見ています。ただカセットコンロで料理してるようですが、かなりボンベの消費じゃないですかね?
    私もカセットコンロでたんまに料理しますが、煮物なんてしたら一本はじき無くなりますが・・・ 何か長持ち工夫してるんでしょうか?
    い、のメーカーのボンベは高いですが、他社との違いなんてあるんでしょうか?
    しょうもない質問してすんません。

    • 高野 俊一 より:

      ガス台買うのが面倒で、不経済なことしてるんですよ。
      高いのは、たぶん使い切るまで火力が落ちないんじゃないかと思いますが、買ったことがないのでわからないですね。

  2. 匿名 より:

    やっぱりガスレンジ買ったほうがカセットコンロより安いですか???

    • 高野 俊一 より:

      ガス台も、2口で7~8千円のがあるそうですからね。
      あー、でもカセットボンベと都市ガスは、ちゃんと料金の比較したことないですねー。

  3. けも より:

    毎日おじゃましています。
    料理以前の質問ですが、
    セロリの炒めものと厚揚げの焼いたのはどちらを先に調理するのでしょうか?
    コンロやフライパンが一つの場合は、
    調理後皿に取り、フライパンを洗ってすぐ次の調理にかかり、少し冷めた料理を食べることになりますか?

    • 高野 俊一 より:

      火を通すものが複数ある場合の調理の順番は、ぼくもかなり考えるんですよ。
      セロリの炒め物と厚揚げの焼いたのとでは、厚揚げの焼いたののほうがより熱々である必要があると思い、そちらを最後にやりました。

  4. けも より:

    ありがとうございます。
    昨夜は以前教えていただいた、セロリの葉と卵炒めを作りました。美味しいです。
    新福菜館三条店も京都に行くたびに行きます。
    今度は嵐山のお店に行きたいです。
    初めて祇園祭りに行きますので、何か情報ありましたら、教えてください。
    よろしくお願い致します。

    • 高野 俊一 より:

      宵山は、六角通沿いなどちょっと離れた場所におもしろい出店が出ますよ。
      山鉾巡行は、新町通で見るのがいいです。
      鉾一つ、山2つが出て行くところを間近で見られますし、帰りは全ての山鉾が戻ってくるのを、やはり間近で見られます。

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