なすがおいしくなる夏は、どうしたってマーボーなすは何度も作る。となれば飽きないように、同じマーボーなすでもちょっとずつ、違いを出したいところである。
その一つとして、「和風」に作るのは非常におすすめ。しみじみとした味になり、大変うまい。
「和風」と「中華風」の何が違うかと いえば、
「油に味を溶かしこむかどうか」
なのである。中華料理は油で香味野菜をじっくり炒め、この香味油が味つけの基本になる。
日本は中国からたくさんのことを輸入したにも関わらず、この油の技術は、どういうわけか、ついに輸入しなかった。
中国が炒め物を始めたのは、日本でいえば鎌倉時代に当たるそうだが、日本がそのころ中国から輸入したのは精進料理で、全く正反対の方向へ行ってしまったわけなのだ。
マーボーなすも、中華風に作る場合は、まず豆板醤やネギ、ニンニク、しょうがなどを、たっぷりの油でじっくり炒める。
ここからまずニンニクをとり除き、唐辛子とネギ、しょうがを後から入れるようにすれば、和風になるわけである。
これは要は、「なすのそぼろ甘辛味噌あんかけ」で、またこれがやさしい味になって実にウマイ。マーボーなすレパートリーの一つに加えるのはおすすめだ。
味噌で煮込むことになるので、味噌は八丁・赤だし味噌を使うのがいい。
ふつうの味噌が煮込むと風味が飛ぶのに対し、八丁味噌は、煮込めば煮込むほどコクが増す。
作り方は、非常に簡単。みじん切りする手間がなくなり、中華風よりラクである。
まずなすを炒めておく。
なす・2本は3センチ程度の乱切りにする。
- ゴマ油 大さじ1
- サラダ油 大さじ1
を入れ、中火にかけたフライパンで、4~5分、なすがややしんなりしかけるくらいまで炒める。
なすは後からさらに煮るから、ここで火を通し過ぎないことが肝心だ。
火が通ったなすは皿にとり出しておき、改めてフライパンに、
- ゴマ油 大さじ1
- 豚ひき肉 200グラム
を入れ、中火にかける。
スプーンで押し潰してよくほぐしながら、4~5分、水気が飛ぶまでじっくり炒める。
合わせておいた調味料を入れ、1分ほど炒めて味をなじませる。
調味料は、
- 赤だし味噌 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- しょうゆ 小さじ1
- おろしたショウガ 2センチ大くらい
を、よく溶きまぜる。
水・1カップと、とり出しておいたなすを入れ、フタをして弱火で5分くらい煮る。
味をみて塩加減をし、火加減を中火に戻して、
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ1
をよく混ぜた水溶き片栗粉を、スプーンで少しずつ入れては混ぜしながら、トロミをつける。
皿に盛り、小口切りにした青ねぎと一味をたっぷりかける。
これは、たまらない、、、
甘辛味噌は、日本人にとってはゴールデン。
しみじみとした味で、本家のマーボーなすより、こちらの方がうまいくらいである。
あとは、焼麩入りのとろろ昆布吸物と、、、
冷やしトマト。
それにたたきキュウリのレモン和え。
すりこ木でたたき、ちぎって1つまみの塩で揉み、20~30分おいて水洗いして水気をよくふき取ったキュウリ1本を、
- 砂糖 小さじ1
- レモン汁(ポッカレモン100) 大さじ1
で和え、一味をかける。
シメはご飯にしたのだが、これは温かいうどんを合わせてもうまいと思う。
酒は、冷や酒。
自作の料理で酒を飲むと、いつも気分がとても良くなり、だいたい寝る前には朦朧としている。いつもこんないい思いをして、料理しない奴には申し訳ないことだ。
それでつい、毎日飲み過ぎてしまうわけだが、50を過ぎればあとは死ぬだけなのだから、別にそれでいいのである。
「体を壊しても知らないよ。」
そうだよな。
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