きのうは、豚肉の若竹汁。
これがまた、ウマイのだ。
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旬のタケノコをどうやって食べるかといえば、やはり「若竹汁」ではないだろうか。
まず「おなじ季節の海のものと山のものとは相性がいい」という鉄則があり、タケノコとわかめとはまさにそれに当てはまる、最高に相性がいいものの一つだ。どんなものでも、単独で料理するより、相性がいいものを添えることで、味はより引き立つものだ。
特に旬のタケノコは、「姫皮」とよばれる皮のやわらかい部分が食べられる。姫皮のプニプニとした食べ応えは、ゆでわかめのハリのある食べ応えと実によく合うのである。
この姫皮とわかめ、うす味の煮物にするのも悪くはないが、それよりも吸物にした方が食べ応えを楽しめる。汁をすすると、姫皮とわかめが一緒に口に入ってきて、ちょうど湯葉などを吸物にするのとおなじ感じだ。
若竹汁は、吸物の中でも最もうまいものの一つとすら、いえるのではないかと思う。
きのうも、八百屋でタケノコを買った。
最盛期となって値段が下がり、一人分にはちょうどいい小さめサイズが300円ほどで買えるのだが、その日の朝採れたものを八百屋がすぐに湯がいたもので、「さすが京都」と言いたくなる、やわらかな食べ応えなのである。
これをやはり、若竹汁にすることにしたのだが、きのうはさらに豚肉を加え、メイン料理とできるものにした。
豚肉とタケノコ、およびわかめとの相性も、バツグンだ。「上品」とは言いがたくなるけれど、これはこれで、また大変ウマイのだ。
若竹汁には、姫皮に加えてタケノコ本体の下半分も入れることにする。豚肉にはむしろ、こちらの方が食べ応えとしては合う。
ふつうの吸物よりやや甘みを強めにし、薬味はネギに一味として、全体として「うどん」の味にするのが豚肉を入れるにはいい。
タケノコの姫皮は、外の硬い皮をとり去るとすぐに現れてくる。中の皮の下部にあるやわらかいところがそうで、これを皮の一枚一枚、包丁できれいに切り取っていく。
5~6枚の皮を剥がしたら、あとは、皮がほとんど姫皮ばかりになってくる。そうしたら、上部の茶色いところをまとめて切り落としてしまってもいい。
吸物には、この姫皮と、本体下半分のやや硬めの部分を使い、本体の上半分はタケノコごはんにする。
本体下半分のところは、2~3ミリの厚さに切っておく。
だしは、昆布と削りぶし。
2~3杯分、3カップのだしを取るには、まず4カップの水と10センチくらいのだし昆布を鍋に入れて中火にかけ、ふつふつと煮立ってきたら弱火にし、10~20分くらい、だし昆布がでろんと伸びるまで、煮立てないようにしながら煮出す。
これはタケノコの下処理をしているあいだなどにやれば、時間としては節約できる。
昆布がでろんと伸びたところでザルを入れ、一つかみの削りぶしを5分くらい弱火で煮出して、削りぶしは絞ってとり出す。
できた3カップほどのだしに、
- みりん 大さじ1
- 淡口醤油 大さじ2
- 塩 少々
で味をつけ、タケノコ本体の下の部分をまず5分くらい、弱火で煮る。
つづいて酒・大さじ3を入れ、豚こま肉200グラムを、アクを適当に取りながら、やはり弱火で2~3分煮る。
酒を豚肉と一緒に入れるのは、酒は入れてすぐ、アルコールが蒸発していく時に、臭みをとる働きがあるからだ。
豚肉の色が変わったら、食べやすい大きさに切った姫皮とゆでわかめを入れ、サッとひと煮立ちさせて火を止める。
器によそい、青ねぎをかけて一味を振る。
コッテリしながらさっぱりし、たまらない味なのだ。
タケノコ本体の上半分は、タケノコごはんにする。
ごはんはコッテリとした吸物やら、お新香やらと一緒に食べるわけだから、くどく・塩辛くなり過ぎないよう、うすめに味をつけるのがコツとなる。
鍋にだし昆布を敷き、
- 研いだ米・1カップ
- 水1カップ+大さじ2
を入れてすこし置き、つづいて、
- 酒 小さじ1
- みりん 小さじ1
- 淡口醤油 小さじ1
- 塩 小さじ2分の1
で味付して、
- 食べやすい大きさに切ったタケノコ本体の上の部分
- 熱湯をかけて油抜きし、細く刻んだ油あげ 2分の1枚
を入れて、中火にかける。
湯気が勢いよく吹き出してくるようになったら弱火にして10分炊き、一旦30秒ほど中火にして、水気を飛ばしたあと、火を止めて10分蒸らす。
あとは、ほうれん草のゴマ和え。
サッとゆでて水に取り、よく絞って食べやすい大きさに切ったほうれん草を、
- 削りぶし 少々
- 砂糖 小さじ1
- 醤油 小さじ1
- ひねり潰したゴマ 2~3つまみ
で和える。
ミョウガの冷奴。
タテにうすく刻んだミョウガを豆腐の上にのせ、味ぽん酢と一味をかける。
それに、すぐき。
酒は、冷や酒。
きのうも「めしを作る前に一杯」と飲み始めたら、それが2杯になり、3杯になり、結局めしを作り始めるまでに、フルに酔っ払ってしまっていた。さらにめしを作りながら飲み続けるわけだから、食べ始めるころには泥酔状態。
何もこんなに酒を飲まなくても、いいのではないかと思わなくもない。
でも飲んでもいいわけだから、となればやはり、飲むのである。
「酒飲みは仕方がないね。」
ほんとにな。
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