鶏肉と大根のうす味煮/味付はファッションと似てるのだ

鶏肉と大根煮 鶏肉

きのうは、鶏と大根のうす味煮。

鶏肉と大根煮

味付は、ファッションと似てるのだ。

 

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味付とファッションって、似たところがあるのではないかと常々思っているのだ。

まあおなじ人間がつくり出すものだから、それも当然かもしれないけど、味覚と視覚というまったく違ったところに、共通するものがあるのは面白い。

 

まず味付にもファッションにも階層があり、いちばんの基礎の部分、ファッションだったら肌着・下着類とか、男性ならワイシャツにあたるのが、味付なら油とか、ニンニクやショウガ、ねぎ、香味野菜などの火を通したもの、だしなどになる。

それから中核の部分、ファッションならドレスとか、男性ならスーツとかに当たるところが、味付なら、醤油や味噌、砂糖、塩、外国なら、トマトだとか牛乳だとか、そういうもの。

最後にアクセサリー、男性ならネクタイや時計、靴に相当する部分が味付にもあり、これがじつに、奥深い。唐辛子や山椒、コショウ、カラシやわさびなどのスパイス類、ねぎやショウガ、パセリなど香味野菜の火を通さないもの、それに少量の酒、などがそれに当たる。

 

アクセサリーは、小さなものを加えることで、全体をつよく引き締める効果があるものだと思うけれど、味付についても全くおなじだ。酒などは、ためしに他の調味料をすべて入れ、酒だけあとから、味見しながら少しずつ入れてみると、その効果がよく分かる。

酒を入れない時点では、調味料や素材のそれぞれの味が、それぞれバラバラに、独立に感じられる。ところが酒を少量入れることで、そのバラバラ感がなくなって、一つの味に統合されるのだ。

 

これは日本酒で、醸造用アルコールをほんの少し入れることと、事情はおなじだ。なにかと純米酒が尊ばれる時勢だが、じつは純米酒は味がちょっと不安定で、醸造用アルコールを入れた本醸造酒のほうが、しっかりとした味がする。

 

味付の3つの階層は、ある程度独立に考えることができ、ある階層を別のものでおき換えられることもある。たとえば和風カレーなどは、ヨーロッパ風のカレーから、基礎と中核の部分はすべて和風の調味料におき換えて、アクセサリーであるカレー粉だけ残したものだ。

京都に来てつくづく思うのは、京都の人は、アクセサリーに当たる調味料の使い方がうまいこと。そば屋などでも、一味と七味、それに山椒がかならず置かれているし、その他にもゆずだとかショウガだとか木の芽だとか、じつに洒落た使い方をする。

 

料理を自分で考えようとする場合、調味料それぞれの役割と、味付の基本的な構造がわかってくると、より考えやすくなる。

それがわかるのに必要なのは、料理中の味見だから、せいぜい味見し、研究するのがおすすめなのだ。

 

さてきのうは、鶏と大根をうす味のだしで煮ることにした。

鶏と大根煮

鶏と大根は、相性最強のものの一つだが、きのうはこれに、油あげを加えた。

 

油あげは、味を吸う役目として入れるもの。

煮物は、汁をたっぷり吸うものがあることで、だしの味がより楽しめることになる。

 

鶏肉からだしが出るから、水にたっぷりの酒などで煮てしまっても悪くはないが、やはり醤油味をつける場合は、昆布と削りぶしのだしを取ったほうがうまい。

鶏と大根煮

4カップの水で、10センチくらいのだし昆布を、煮立てないようにしながら10~20分くらい、昆布がビロ~ンと伸びるまで煮出し、一つかみの削り節をくわえて、さらに5分ほど煮出す。

 

だしを取るのと並行し、大根を下ゆでする。

鶏と大根煮

2~3センチ大に切り、弱めの中火くらいでしっかりと煮立てながら、大根に串がスッと刺さるまでゆでる。

 

ちなみに大根の皮は、むく必要がない。

よっぽど汚れていれば別だが、皮があったほうがうまいし、煮くずれもしにくくなる。

 

だしが取れたら削りぶしを絞ってとり出し、3カップほどになっていると思うから、

  • 酒 大さじ3
  • みりん 大さじ3
  • 淡口醤油 大さじ3

で味付けする。

鶏と大根煮

  • 一口大に切った鶏もも肉 250グラム
  • 熱湯でさっと油抜きした油あげ 1枚
  • 下ゆでした大根

を、落としブタをして弱火で15分くらい、あまり煮立てないようにしながら煮、火を止めてからフタをしてゆっくり冷まし、味をしみさせる。

 

青ねぎと、一味をふる。

鶏と大根煮

 

ていねいに作る煮物は、やはり非常にうまいのだ。

鶏と大根煮

 

 

あとは、もやしの酢の物。

もやしの酢の物

もやしは買ってきたその日に、全部水でゆでてしまうと日持ちがよくなる。

水で冷やし、よく絞ったもやしと、ワカメ、竹輪、ちりめんじゃこを、

  • 砂糖 小さじ4
  • 酢 大さじ4
  • 塩 少々

で和え、器に盛って、ひねり潰したゴマをふる。

 

それから、とろろ昆布の吸物に、、、

とろろ昆布の吸物

 

すぐき。

すぐき

 

酒は、冷や酒。

冷や酒

 

シメは、豆ごはん。

豆ごはん

米を研ぎ、やや多めの水加減をしたところにサヤから出したえんどう豆を入れ、しばらくひたしたあと、米1カップなら、酒・小さじ1、塩・小さじ2分の1を加え、ふつうに炊く。

 

きのうもまた、10時ころ家に帰り、まずダラダラと酒を飲み、十分気分がよくなってからようやく食事をつくり始め、またつくるのも酒を飲みながらだから時間がかかり、食べるのもダラダラ食べるから、寝るのは3時近くになってしまうのだ。

もうちょっと時間を節約できないかとは思うのだが、ダラダラしてると、時間があっという間にたってしまうから、仕方がないのである。

 

「ダラダラしなければいいと思うよ。」

チェブ夫

そうだよな。

 

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