きのうは、春キャベツと豚肉のちゃんちゃん焼き風。
これは、味がしみた野菜がうまいのだ。
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春キャベツも最後かもしれないから、思い残すことなく食べようと考えると、やはり豚肉と合わせて、みそ炒めということになる。
キャベツ、豚肉、それにみそは、中国料理にも「回鍋肉」があることからも分かる通り、黄金の相性だ。しかも春キャベツはやわらかいから、油通し・湯通しなどは不要、作るのに手間がかからず、また甘みがあって、何ともうまい。
炒め物を作るのに、中国のやり方を参考にしようとする人は多いと思う。特に男性などの場合なら、中華鍋から玉ジャクシから、道具をそろえ、「プロの技」を目指そうとする人もいるのではないだろうか。
もちろん料理は、どこでも自分が好きなところから入っていい。たしかに中国は、炒め物には一日の長がある。
しかし、「プロの料理と家庭料理は根本的にちがう」のを知ることも、自炊を無理なく続けるためには大事だという気がするのだ。
だいたい料理屋は、家庭で作れるようなものを出していては、存在価値がない。
家庭で食べられないものがあるからこそ、みな料理屋へ行くわけで、そもそも大もとの前提が、プロの料理と家庭料理は決定的にちがうのだ。
家庭で作れない料理の代表が、たとえば「ラーメン」で、スープを何時間もかけて取り、3杯か4杯のラーメンを作るのでは、到底ワリに合わない。ラーメンは、同じものを大量に作るからこそ手間と内容が見合うのだ。
おなじことは、油が多いほどうまい、とんかつなどの揚げ物や、多くのネタをとり揃える必要がある江戸前寿司にもいえるだろう。
これらの料理はいずれも、少ないメニューをたくさんのお客さんに出すからこそ効率的なのだ。
だったら無理して家で作らず、お店へ食べに行けばいいのである。
中国料理の炒め物で、野菜などの「シャッキリ感」にこだわることも、それとおなじところがあると思う。
野菜をシャッキリさせるには、まず火力は強いほどよく、また油をたくさん使って、油通しをするのがいい。しかしこれらはいずれも、家庭ではむずかしい話である。
強い火力や油通しは、じつは少しでも早く料理を仕上げる、お店にとって効率的なやり方でもあるといえる。
家庭では、あまりそれを目指しすぎない方が、精神衛生上はいいわけだ。
ちなみに中国の一般家庭でどのように料理するかは、ウー・ウェン氏の著書にくわしい。
これは炒め物について、目からウロコが何枚も落ちるほどの名著で、おすすめだ。
さて春キャベツと豚肉だが、「みそ炒め」でなく「ちゃんちゃん焼き風」と題名をつけたのは、「中国の炒め物とはちがう」ことを強調したかったからだ。
中国では、炒め物は、基本的に味を吸わせない。調味料にトロミをつけ、具材にまとわりつかせるわけで、これは、具材に味を吸わせることを基本とする日本の料理と、大きく異るところである。
しかし炒め物でも、味を吸わせたものも、またうまいのだ。
シャッキリ感はなくなるが、中国の炒め物とは「ちがうもの」だと考えれば、全く問題ないのである。
みそも、回鍋肉で使われる甜麺醤はもちろん使わず、日本のみそ。特にキャベツの場合は、産地がおなじだからだろう、信州みそが合うようだ。
ニンニクも使わずに、たっぷりのショウガでコクを出すことにする。
フライパンに、
- ゴマ油 大さじ3
- ショウガのみじん切り 2センチ大
- 豆板醤 小さじ1
を入れて、中火にかける。
2~3分じっくり炒めて、香りを引き出す。
つづいて豚コマ肉・200グラムと、細く刻んだ油あげ・2分の1枚、細切りのニンジン・少々を炒める。
豚肉に火が通ったら、合わせておいた調味料を入れる。
調味料は、
- 信州みそ 大さじ3
- 酒 大さじ3
- 砂糖 大さじ1
- 醤油 小さじ1
以上。
ひと混ぜして、肉に味を吸わせたら、野菜を入れる。
野菜は、ざく切りの春キャベツ・4分の1個、うす切りの玉ねぎ・2分の1個のほかに、きのうは余っていたピーマン、シメジを入れた。
強火にし、上下を返して混ぜながら、あまり炒め過ぎずに、野菜がしんなりし始めたくらいのところで味を見て、塩少々を加える。
酢・大さじ1を入れてひと混ぜし、火を止める。
みその味を吸った、しんなりとした春キャベツが、またうまい。
酒の肴になるのはもちろん、ご飯にもとても合う。
あとは、ホタルイカのおろしポン酢。
水で洗ったゆでホタルイカと、軽くしぼった大根おろし、おろしショウガと青ねぎ・それぞれ少々を、味ポン酢で和え、器に盛って一味をふる。
とろろ昆布のぬく奴。
豆腐をお湯であたため、とろろ昆布を削りぶしを入れたお椀にお湯ごとそそぎ、淡口醤油で味をつけて青ねぎと一味をふる。
それに、すぐき。
酒は、冷や酒。
きのうも、ダラダラと飲んでいたために、寝たのは3時を過ぎてしまった。
でもダラダラするのが好きなのだから、50を過ぎたら、それでいいのである。
「開き直るのはよくないよ。」
そうだよな。
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