きのうはイイダコ煮付とタケノコごはん、若竹汁。
季節を味わえるのは幸せなのだ。
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晩飯のメニューをどうするかは、昼寝から覚めてから、30分くらいは考える。
やはり飯は、自分が「食べたい」と思うものを食べてこそ、満ち足りた気持ちになるし、食べたいからこそ作る気もわく。
池波正太郎も起きるとまず、その日の晩に何を食べるかを、かなりの時間をかけて考えたそうだ。何を食べるか考えるのは、自炊の「キモ」とも言っていいことだと思う。
まず冷蔵庫を点検し、入っているもののなかに食べたいと思えるものがあれば、それを軸にメニューを考える。なければ、何を軸にするかをあらためて考える。
ところがきのうは、あれこれと考えてみたのだが、何も浮かばなかったのだ。
そういう場合は、仕方がないから、とりあえず買物に行くのである。
すると魚屋へ行ってみると、イイダコがあった。
イイダコは頭に飯粒のような卵をいっぱいに入れたタコで、この時期だけに出てくるもの。これは食べなければいけない。
それから八百屋で、朝採りのタケノコをゆでたのが、「買ってください」と言わんばかりに、ただ一つ残っていた。
今年はまだ、値段が下がるのを待っていて、タケノコを買っていなかったのだ。
大きさも、一人分には手頃だったし、これも買うことにした。
イイダコは、魚屋で食べ方を聞き、大根といっしょに煮付けることにした。
たけのこは、上の姫皮の部分を若竹汁に、下の茎の部分をタケノコごはんにすることにした。
このようにきのうは、買物で一気にメニューが決まった。
だいたい、こんなもんである。
イイダコ煮付と若竹汁には、だしがいる。
4カップの水と10センチくらいのだし昆布を鍋に入れ、煮立ってきたら弱火にし、煮立てないよう10分煮出し、次に削りぶし一つかみを加えて、さらに煮立てないよう、5分煮出す。
このだしは吸物にも使うから、削りぶしは絞らずとり出す。
イイダコは、水でさっとゆでて湯を捨てる。
鍋に、イイダコと、5ミリくらいの厚さに切った大根をならべ、
- だし 1カップ
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ2
- 淡口醤油 大さじ2
を入れる。
落としブタをして強火にかけ、煮立ってきたら、弱めの中火くらいにして、10分煮る。
これはいちばん最初にやり、火を止めてからフタを閉め、ゆっくり冷ますようにすると、そのあいだに味が染みる。
タケノコごはんは、だしは削りぶしのを使わず、昆布を入れるだけにする。
ご飯のうまみがあるし、油あげも入れるから、それで十分ということと、結局ごはんはイイダコ、若竹汁といっしょに食べるわけだから、味を多少うすめにしておいた方がいいのである。
鍋に5センチくらいのだし昆布を敷き、
- 研いで30分ほどザルに上げておいた米 1カップ
- タケノコの茎をうすく切ったの
- 熱湯をサッとかけて油抜きし、細く切った油あげ 2分の1枚
- 水 1カップ+大さじ2
- 酒 小さじ1
- 淡口醤油 小さじ1
- 塩 小さじ2分の1
を入れ、フタをして中火にかける。
湯気が勢いよく吹き出してきたら弱火にして10分炊き、火を止めて10分蒸らす。
炊き時間の「10分」は、オコゲができるまでの時間で、これが8分だと、オコゲはできない。
若竹汁は、2カップのだしに、
- 酒 小さじ2
- 淡口醤油 小さじ2
- 塩 味を見ながら少々
で味付し、ゆでワカメとタケノコの姫皮を、サッと煮る。
タケノコの皮の部分の、下側から内側にかけてある、色の付いていないやわらかいところが姫皮で、これは皮の硬いところと区別がつきにくいから、捨ててしまわぬよう注意する必要がある。
酒は、冷や酒。
イイダコは、温めなおしてタテ半分に包丁で切り、ネギと、好みで一味をかける。
ホクホクに味がしみている。
タケノコごはんも、さすがに、うまい。
若竹汁。
ワカメも姫皮も、プリップリ。
あとは、厚揚げの焼いたの。
それに、すぐき。
きのうもこうして、季節を味わうことが無事できた。
日本に生まれて本当によかったと、改めて思うわけである。
「脳天気で幸せだね。」
ほんとだな。
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