白菜を入れた麻婆で中華麺を煮込んだもの。麻婆と白菜が合い過ぎて死ぬ。
「麻婆」は、要は「ピリ辛そぼろあんかけ煮」のことだ。豆腐やナスを入れるのが定番だが、これはあんかけ煮にはやわらかなものが合うからで、大根やカブなどそぼろあんかけが合うものは、麻婆にすると総じてうまい。
そしてもちろん、白菜も。
豚肉のあんかけ煮は白菜の代表料理の一つとすらいえるわけで、白菜を麻婆に入れれば当然ウマイ。
きのうはさらに、これをチャンポンにした。
このごろ中華麺にハマっているのは、もちろん新宿の中華料理店「岐阜屋」に通ったことがきっかけだ。
言うまでもなく当たり前の話なのだが、中華麺は、豚肉とニンニクを使った料理にとてもよく合う。中華料理のメイン食材が、豚肉とニンニクだからだ。
さらにそれが、酒にこの上なく合うのである。
だからおれのように豚肉とニンニクで体を温めなければならない年寄りの酒飲みには、中華麺を使った料理は最適だということになる。
チャンポンを作る際、大きなポイントになってくるのは、やはり麺。きのうは袋入りの「ゆで麺」を使った。
これは2人前で120円くらいする、やや高級なもの。
生麺を自分でゆでればもっとおいしいかもしれないけれど、(きのうは生麺が売り切れていたので試せなかった)、袋入りのゆで麺でも高めものを選べば、きちんとおいしくできると思う。
あとはこの麺を煮過ぎないようにすることも、ポイントになると思う。
煮込むのは、鍋にゆで麺を入れ、煮汁の温度が一旦下がってからふたたび沸騰するまでの1~2分。それで十分味がしみる。
そのあとすぐに片栗粉で閉じてしまえば、それ以上麺が伸びる心配もない。
それからおれは、ピーマンをしゃっきり炒めたり、煮汁を沸騰させたりするとき以外、火加減は一貫して弱火でやる。
味的にはそれで全く問題ないし、弱火でゆっくりやった方が、野菜を切ったり調理器具を洗ったり、さらには酒を飲んだりすることも並行してできていい。
最初に干し椎茸のだしを取る。
鍋に、
- 水 2+2分の1カップ (2カップのだしが取れる)
- 干し椎茸(中) 3枚 (サッと洗う)
を入れ、フタをして中火にかけ、煮立ったら火を止めてそのまま15分くらい置く。
フライパンに、
- サラダ油 大さじ1
- 豚ひき肉 100グラム
を入れて弱火にかけ、スプーンで押しつぶしてほぐしながら5分くらい、肉の水分がはじける「ジュージュー」という音が収まってくるまでじっくり炒める。
- 豆板醤 大さじ1
- ニンニク 1かけ (包丁の腹で押しつぶしてみじん切りにする)
- 長ねぎ 5センチ分くらい (みじん切り)
を加えて2~3分炒め、
- もどした干し椎茸 3枚 (石づきの先端だけ落としてみじん切り)
- 酒 大さじ2
- みりん 小さじ2
- 薄口醤油 大さじ1
- オイスターソース 大さじ1
- コショウ 1~2ふり
を入れて、さらに2~3分炒める。
- 白菜の芯 2~3枚分 (5ミリ幅くらいに細く切る)
- 白菜の葉 同上 (ざく切り)
を入れ、さらに1~2分、白菜の芯がややしんなりとし、全体に味が絡むまで炒める。
- 干し椎茸のもどし汁 2カップ
を入れて、一度中火にして沸騰したら弱火にもどし、白菜の芯がしんなりするまで1~2分煮る。
弱めの中火にし、
- 中華ゆで麺 1人前
を鍋の端に入れ(端に入れるのはよそいやすくするため)、混ぜてほぐしながら再沸騰するのを待つ。
1分ほどたったところで、
- ニラ 3分の1把 (ざく切り)
を入れてひと混ぜし、
- 片栗粉 大さじ2
- 水 大さじ2
の水溶き片栗粉をスプーンで混ぜながら入れてトロミをつける。
最後に、
- ゴマ油 小さじ1
を入れ、ひと混ぜして火を止める。
どんぶりにまずは麺を入れ、その上から具と汁をかける。
好みで粗挽きコショウと酢をかけながら食べる。
これは、死ぬ。
麻婆の汁を吸った中華麺は、ほんとにたまらん。
白菜と麻婆の相性も、「合い過ぎる」といえるほどだ。
中華麺があまりに酒に合うものだから、このごろは、以前にも増して飲み過ぎる。
でも中華麺に出会ってしまったのは事故のようなものであり、これは仕方がないのである。
「仕方なくないよ。」
そうだよな。