ゴーヤーは激辛味によく合うのである。
それでマーボー的な「激辛ゴーヤーチャンプルー」を作ったのだが、しょうゆを入れるのを忘れたら、これがちょっとチリソース的なさわやかな味になり、大変うまかった。
ゴーヤーが激辛味に合うことは、同類であるキュウリを想像するとわかる。キュウリは韓国では白菜・大根とならんで3大キムチ材料の一つなわけだし、中国でもラー油を使ってピリ辛味の漬物にしたり、卵と合わせて豆板醤で炒めたりする。
じっさい韓国では、ゴーヤーもキムチにするそうだ。
なのでゴーヤーチャンプルーも激辛味がうまいに決まっているわけなのだが、じっさいに作ってみると、唐辛子の激辛味とゴーヤーの苦味の見事なコラボレーションで、28,335回くらい死んだ。
それでこの激辛味をマーボー的にするつもりでいたのだが、しょうゆを入れるのを忘れたのだ。これはこのところチャンプルーばかり作って、しょうゆをほとんど使っていなかったためである。
しかしこれが、またうまかった。
さわやかな激辛味で、ケチャップは使っていないのに、たぶんスパムの洋風味のおかげだろう、ちょっとチリソースみたいなエスニックな味になる。
しょうゆを入れ、完全にマーボー味にしてしまえば、それはちょっと「チャンプルー」と呼ぶには語弊がある。
しかしこのしょうゆを抜いたちょっとエスニックな激辛味、「激辛チャンプルー」と呼ぶのに名実ともにふさわしいのではないかと思う。
作り方は、じつはきのうの「煮込みゴーヤーチャンプルー」とまったく同じだ。
ただはじめに豆板醤をたっぷり加えるだけである。
フライパンに、
- ゴマ油 大さじ1
- にんにく 1~2かけ
- 豆板醤 大さじ1~1.5(激辛好きには1.5がおすすめだ)
- 減塩スパム 80グラムとか(340グラム入り1缶の4分の1。5ミリ厚さくらいのたんざくに切る)
- 木綿豆腐 200グラム程度(2センチ大くらいの大きさに切る)
を入れて弱めの中火にかけ、豆腐の水気を飛ばしながら5分くらい、じっくり炒める。
- ゴーヤー 2分の1本(タテ半分に切ってスプーンでわたをかき出し、5ミリ幅くらいに切る)
を入れ、1~2分炒めて油をからめ、
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ1
- 水 1カップ
- オイスターソース 小さじ1
- 塩 小さじ4分の1(ひとつまみ)
- 長ねぎ 3分の1本など(ななめ切り)
を加える。
フタをして弱火で5~10分、ゴーヤーが適度なやわらかさになるまでコトコト煮たら、
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ1
の水溶き片栗粉を、まぜながら少しずつ加えてトロミをつける。
最後に、
- 酢 小さじ2
をたらして皿に盛り、粗挽きコショウをたっぷりかける。
これは、マジでうまいのだ……。
絶対に作ってみるべきだと思う。
そしてこの激辛ゴーヤーチャンプルーがまた、酒には異様なまでに合うのである。
ここまで酒に合ってしまうと、「飲み過ぎない」という文字は、辞書から消えてなくなってしまうのではないかと思う。
「なくならないよ」
そうだよな。