先日作った「激辛ゴーヤーチャンプルー」は、マーボー味にしようと思ってしょうゆを入れるのを忘れたのだが、これがちょっとエスニックな趣きでとてもうまかった。
今思えばこれは、にんにく・唐辛子(豆板醤)・砂糖(みりん)・酢、それにオイスターソースを使っているから、巧まずしてスイートチリソース的なものを作ってしまったわけである。
そこで今回、上の構成にケチャップを加え、「チリソースのゴーヤーチャンプルー」を作ってみたのだ。
これはまず初めに言っておくと非常にうまくて、2,974回はまちがいなく死ねる。
ただ問題は、あまりチリソースっぽくないのである。
チリソースといえば、エビチリ。やはりイメージ的に魚介に合わせるものだから、豚肉であるスパムに合わせると、チリソースというよりは「トマトソース」と言いたくなる。
でもチリソースを豚肉に合わせてはいけないという法律はないわけだし、南米の似たような味つけの料理「チリコンカン」にはひき肉を使うのだから、ここでも「チリソースのゴーヤーチャンプルー」で押し通すことにした次第。
作るコツは、スパムやにんにく・豆板醤・ケチャップなどを、弱火でじっくり炒めること。
これらのうまみが溶けまくった油が、味の決め手になるのである。
フライパンに、
- オリーブオイル 大さじ1
- にんにく 1~2かけ(みじん切り)
- 豆板醤 大さじ1
- ケチャップ 大さじ2
- 減塩スパム 80グラムとか(=340グラム入り1缶の4分の1。5ミリ厚さ程度のたんざくに切る)
- 木綿豆腐 200グラムなど(2センチ第程度に切る)
を入れて弱めの中火にかけ、5分くらい、豆腐の水気がほとんど飛ぶまでじっくり炒める。
- ゴーヤー 2分の1本(ヘタを落としてタテ半分に切り、スプーンでわたをかき出して5ミリ幅くらいに切る)
- 長ねぎ 3分の1本くらい(ななめ切り)
を入れ、1~2分炒めて油をなじませ、
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ1
- 水 200cc
- オイスターソース 小さじ1
- 塩 小さじ8分の1(ほんのひとつまみ。スパムにもケチャップ・豆板醤・オイスターソースにも塩気があるから、塩はけっこう十分なのだが、やはり塩はちょっとでも入れたほうが味が引きしまる)
- コショウ 少々
を入れる。
5~10分、ゴーヤーが適度にやわらかくなるまでコトコト煮たら、
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ1
の水溶き片栗粉を、混ぜながら少しずつ加えてトロミをつける。
最後に、
- 酢 小さじ2
くらいを加え、ひと混ぜして皿に盛る。
いやこれはほんとにウマイんすよ……。
だいたいトマトと豚肉は相性が非常によいわけだから、たとえチリソースっぽくなかったとしても、ゴールデンな味なのだ。
そしてこれが、また完全に死にそうになるほど、酒に合うのだ。
ここまで酒に合ってしまうと、べつにそれがチリソースであってもなくても、飲み過ぎてしまうのは仕方ないのだ。
「仕方なくないよ」
そうだよな。