先日チリソース煮のつもりで作ったゴーヤーチャンプルーが、チリソースというよりはトマトソースのような味になってしまい、僕は反省したのである。
たとえうまかったとしても、料理は「うまければいい」というものではない。やはりきちんと主張がなくてはいけないのだ。
チリソースのつもりがトマトソースになるなどは、たとえてみれば、北極に行こうと思っていたのに、南極に着いてしまったとでもいうようなものではないか。
そこで先日のチリソースのつもりのトマトソースに、次のような改善を加えてみた。
まずそもそも、ケチャップの量が多かったのだ。
そこでケチャップは、大さじ2だったのを大さじ1にした。
それから豚肉は、トマトとの相性がよすぎるから、トマト味を強調してしまうところがあるのではないかと思う。チリソースといえばエビなくらいで、やはりもっとサッパリしたものを合わせないとダメと見た。
そこで肉は、豚肉ではなく鶏肉にする。
あと油はオリーブオイルを使ったのだが、オリーブオイルはトマトソースを作るとき定番として使われるものだから、これもトマト味が強調される一因となったと思える。
そこでオリーブオイルはやめ、サラダ油を使った。
以上のような改善をほどこした今回の料理……。
これはバッチリ、「鶏肉とゴーヤー・豆腐のチリソース煮」と呼んで、過言がないものになった。
作るのは、むずかしいことは全くない。
味の選択肢に「チリソース」が加わると、それだけで料理のレパートリーは一気に広がるわけだから、試してみるのがいいのではないかと思うところだ。
フライパンに、
- サラダ油 大さじ1
- にんにく 1~2かけ
- 豆板醤 大さじ1
- ケチャップ 大さじ1
- 鶏もも肉 150グラムくらい(食べやすい大きさに切り、塩・ひとつまみ、コショウ・少々、酒・小さじ1くらいをまぶす)
- 木綿豆腐 200グラムとか(1センチ厚さくらいの食べやすい大きさに切る)
を入れ、5分くらいじっくり炒める。
- ゴーヤー 2分の1本(ヘタを落とし、タテ半分に切ってスプーンでわたをかき出して、5ミリ幅くらいに切る)
を入れ、1~2分炒めて油をなじませ、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- 水 200cc
- オイスターソース 小さじ1
- 塩 小さじ4分の1くらい
- コショウ 少々
を入れる。
5~10分、フタをして弱火でコトコト、ゴーヤーがほぼやわらかくなるまで煮たら、
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ1
の水溶き片栗粉を、まぜながら少しずつ加えてトロミをつける。
最後に、
- 酢 大さじ1
を入れ、ひと混ぜして皿に盛る。
これはマジで、うまいのだ……。
ゴーヤーがまた、ピリ辛甘酸っぱい味によく合って、35,229回は死ねる。
しかもこの、鶏肉とゴーヤー・豆腐のチリソース炒めが、死ぬかと思うほど酒に合うのだ。
これほど酒に合ってしまうと、「飲み過ぎない」などというのがナンセンスに思えてくるから不思議である。
「あきれるね」
そうだよな。