ゴーヤーチャンプルーにハマっているのである。
ハマりやすい性格だから、何かがいいと思ったら飽きるまでそれをやり続けるたちなのだが、このところもう料理はゴーヤーチャンプルーしか作る気がしない。
しかも実は、昼も毎日、食堂などでゴーヤーチャンプルーを食べているという始末。
でもまったく飽きることがないから不思議である。
ゴーヤーチャンプルーに飽きない理由は、たぶんゴーヤーチャンプルー自体が、飽きにくいものなのではないかと思う。
沖縄人のある知り合いは、「1週間毎日ゴーヤーチャンプルーでも飽きない」と言っていた。
ポイントは、ゴーヤーのあの苦味にあるような気がする。食べ物というより「薬」に近いような味だから、毎日食べても大丈夫なのではないか。
あとゴーヤーは「トマトの5倍」というビタミンCをはじめとして、豊富な栄養分を含んでいる。
だからその栄養を、身体が求めるところもある気もする。
それからゴーヤーチャンプルーの作り方や味つけを、追求するのもおもしろい。
食堂も、お店によって作り方はかなりちがう。
スパムを使うところもあるし、豚肉を使うところもある。豆腐を先に入れるところもあるし、あとに入れるところもある。しょうゆを使うところもあるし、使わないところもある。
おなじゴーヤーチャンプルーのそういう違いを見ていると、ゴーヤーチャンプルーという切り口から、沖縄料理の全体を垣間みれるような気もする。
さらにゴーヤーチャンプルーの味つけを、自分なりに工夫するのがおもしろいのだ。
ゴーヤーチャンプルーは洋風食材であるスパムを使い、味つけはしょうゆやだしの素など和風であって、和洋が融合した食べ物だ。
洋風だから、にんにくは言うまでもなく合うわけで、このにんにくをキーにすることにより、中華風や韓国風の味つけを展開することが可能となって、これがまたクセのあるゴーヤーと大変よく合う。
最近ちょっとチリソースのハマりはじめているのだが、きのう作った「スイートチリソースの鶏肉ゴーヤーチャンプルー」。
これはまじで、ヤバかった。
さっきゴーヤーチャンプルーは「和洋の融合」と表現したが、沖縄の料理は東南アジアの影響も受けている。
ゴーヤーは、パクチーとちょっと似てると思う。
なのでタイ・ベトナム系のスイートチリソースとナンプラーで味つけすると、異様なまでによく合って、僕はいつも酒を少しでもたくさん飲むため、ツマミはできる限りチビチビと食べるようにしているのに、今回に限ってはそれができず、バクバクと一瞬で食べてしまったほどである。
スイートチリソースは、中国のチリソースからケチャップを抜いたもので、にんにく・砂糖(みりん)・唐辛子・酢を使う。
このうち酢だけは、火を通すと酸味が飛んでしまうので、最後に入れるようにするのが作り方のポイントだ。
フライパンに、
- サラダ油 大さじ1
- にんにく 1~2かけ(みじん切り)
- 輪切り赤唐辛子 大さじ1(豆板醤でもいいかとは思うのだが、この味つけは初めてつくるので、一応セオリー通りにしてみた)
- 鶏もも肉 150グラムなど(食べやすい大きさに切って、塩・小さじ4分の1、コショウ・少々、酒・小さじ1をもみ込んでおく)
- 木綿豆腐 200グラムとか(1センチ厚さくらいの食べやすい大きさに切る)
を入れて弱めの中火くらいにかけ、5分くらい、豆腐と鶏肉にかるく焼き色がつくくらいまでじっくり炒める。
- ゴーヤー 2分の1本(タテ半分に切り、スプーンでわたをかき出して、2ミリ幅くらいに切る)
を入れ、1分ほど炒めて油をからめ、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- ナンプラー 小さじ1
- 塩 小さじ4分の1
- 水 100cc
を加える。
フタをして、弱めの中火のまま5分ほど、ゴーヤーがほぼ適度なやわらかさになるまで時々まぜながら蒸し焼きにしたら、フタを取って火をやや強め、
- 玉ねぎ 2分の1~4分の1個(大きさによって。タテのうす切り)
を入れて1~2分、残った水気を飛ばしながら、玉ねぎを多少歯ごたえが残る程度に炒める。
最後に、
- 酢 大さじ1
をまわし入れ、ひと混ぜして皿に盛る。
これが、ほんとにヤバイのだ……。
一瞬で食べてしまったにも関わらず、295,321回は死ぬ。
しかももちろん、このスイートチリソースの鶏肉ゴーヤーチャンプルーは、天上天下・唯我独尊なほど酒に合う。
これで飲み過ぎないというのなら、僕は逆立ちをして町内を一周する。
「一周して」
そうだよな。