きのうは、豚肉のニラ玉炒め。作るには、火加減を弱めにするのがコツとなる。
酒は、高校のころから飲んでいる。いまは、高校生に酒をだすなど論外で、そんなことをすればお店は営業停止を食らうだろう。
でもおれたちの時代は、高校生になったら酒を飲むのが普通だった。みんな飲んでいたし、お店も問題なく入れてもらえた。
たぶん当時は、遊ぶといえば飲むことくらいしかなかったからではないかと思う。
それで大学へ入ると、車を持つ。当時は、車がなければ女の子とデートできなかった。
それで車でデートをしても、やはり行く先は飲み屋となる。当然帰りは飲酒運転。
でもそのころは、「車で飲みに行く」のは、誰でもがやっていた。
会社に入れば入ったで、やはり飲む。そのころは、「飲むのも仕事のうち」だった。
これはもちろん悪癖で、社員を会社に縛り付けるためにしていたことだ。また社員に飲ませてガス抜きをさせることで、会社の矛盾を小手先で解消しようというものでもあった。
実際それで、「会社人間」になってしまい、定年退職すると何をしたらいいかわからなくなってしまうお父さんが、ちょっと前には続出した。
でも飲むことが、コミュニケーションの手段として有効だったというのは、当時はあった。ネットがない時代だから、情報を得ようとしたら、誰かと飲むのが一番だった。また人間関係も、飲むことによって作られていくところもあった。
でもいまやネットも完備して、飲まないと仕事にならないような会社は、「ロクでもない」と言えるようになっているだろう。
また女の子とつき合うにしたって、LINEがあれば、車も酒もなくたって、十分事足りるのではないだろうか。
このように、いまの時代は、酒を飲む必要性は、ほとんどなくなっている。
だいたいおれは、酒はひとりで飲むのだから、コミュニケーションのツールとしては、まったく機能していない。
それではおれは、なぜ酒を飲むのか、、
それはもう、「酒に依存しているから」としか、いえないのだ。
もしある日、この世から酒がなくなってしまったら、おれは夜、何をしたらいいのかわからない。「うまい酒さえ飲めればいい」と思っているおれが、何を人生の楽しみにしたらいいのかわからない。
たぶんおれくらいの世代のやつは、そうやって、意味なく酒を飲むのが多いだろう。
それでだいたい、生活習慣病になり、早死するのだ。
でもおれは、べつにそれでいいのである。
長く生きたからといって、何の得があるわけでもないこの人生、好きな酒を飲んで終われば、本望というものだ。
さてきのうは、豚肉のニラ玉炒めをつくることにした。
このごろニラにハマっていて、思いつくメニューは、かならずニラが入ったものになる。
これを作るには、まずあらかじめ卵を炒め、とり出しておき、豚肉を炒めてニラと、とり出しておいた卵を入れ、調味料をからめる、という手順となる。
まあべつに、難しいことはないわけだ。
ここで一つ、考えるべきことがあるとすれば、
「豚肉をいかにやわらかく仕上げるか」
になると思う。
火が通りすぎて、硬くなってしまったうす切りの豚肉ほど、食べて悲しいものはない。
それを避けるためにはまず、豚肉の選び方に気を使うことがある。うす切り肉は、脂が多いものほど硬くなりにくい。
バラ肉、肩ロース、ロース、もも肉の順だから、炒め物にするのなら、脂が多いものを選ぶのはおすすめだ。
「コマ肉」は、どの部位かは店によってちがうのだが、もも肉に近いところが多いと思う。
あとは、火を弱めでやること。
「強めの弱火」くらいでいいのだ。
「中華は強火だ」と思っている人も多いと思う。でもあれは、中華料理屋のコックがテクニックを持っているからできることで、そうでないのが火加減だけ真似しても、ダメなのだ。
できるだけ時間をかけ、ゆっくり炒めると、そのあいだに味もしみる。
「肉の色が変わったら、もう炒め終わる」
くらいに考えるようにするのが、肉を炒める場合のコツだ。
フライパンに、サラダ油・大さじ1を入れて中火にかけ、溶き卵・3個をまず炒める。
あまり細かくかき混ぜず、大きめにまとめて皿にとり出す。
つづいてフライパンを強めの弱火くらいにかけ、
- サラダ油 大さじ1~2
- たたき潰したニンニク 1かけ
- 丸まんまの鷹の爪 1本
を入れて、キツネ色になるまでじっくり炒めて油に味をつける。
一旦火を止め、豚うす切り肉(きのうはコマ肉)200グラムを広げて入れる。
- 塩 1つまみ(小さじ2分の1くらい)
- コショウ 少々
をかけて強めの弱火くらいにかけ、じっくり炒める。
肉の色がほぼ変わったくらいで、とり出しておいた卵をもどし、ざく切りのニラ・1把を入れて、中火にする。
全体を2~3回まぜ、ニラに油がまわったら(しんなりしなくていい)、
- オイスターソース 大さじ2
- 酒 大さじ1
- 片栗粉 小さじ1
の合わせ調味料を入れる。
さらにまぜ、味が絡まったら、火を止める。
やわらかな卵と肉、それにシャッキリとしたニラというのが、うまさのポイントになるわけだ。
酒の肴にも、ご飯のおかずにも、バッチリ合う。
あとは、水菜のみそ汁。
煮干しだしに、酒と淡口醤油・それぞれ少々でうすく味をつけ、まず油あげ、つづいてシメジを煮、みそを溶き入れて、ざく切りの水菜をくわえ、ひと煮立ちさせて火を止める。
それに、白めし。
酒は、今度はやはり福島の銘酒・栄川。
この栄川がまたうまく、きのうも当然、飲み過ぎるわけである。
おかげできょうは酒が残り、頭がボッとして、ブログ更新にもえらく手間取るわけなのだが、それも仕方がないことなのだ。
「ちゃんと仕事もしないとね。」
そうだよな。
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