おととい作った「チキンソテー・オン・ザ・壬生菜」の残りを、きのうは食べた。
イスラム国より、安倍首相にたいして腹が立つのである。
きのうは、後藤さんの報せを聞いてから、胃の圧迫感がひどくなり、昼めしは食べられなかった。
晩めしも、食欲は全然なかったけれど、体が冷えやすく、疲れもたまりやすくなっていたから、
「これは、何か食べないといけない」
と思い、前日、食べられずに残してあったものを、少し食べた。
いやまあこれは、おいしいは、おいしいのだ。
チキンソテー・オン・ザ・壬生菜、それに粕汁、ブリ大根の残り汁で煮た高野豆腐。
鶏もも肉を焼くときは、まず小さじ2分の1ずつくらいの塩を表と裏にすり込んで、フライパンに皮を下にしていれる。
弱火にかけ、20分弱だと思うけれど、じっくり焼き、こんがりと焼き色が付いたらひっくり返し、10分弱、やはりこんがりとするまで焼く。
フライパンに残った鶏の脂に、たっぷりのオリーブオイルとレモン汁(ポッカレモン100)、淡口しょうゆと塩、コショウ、それぞれ少々で味をつけ、、、
皿にざく切りの壬生菜とうす切りの玉ねぎを敷き、食べやすい大きさに切った鶏もも肉をのせた上からかける。
下に敷くのは、べつに水菜にかぎらず、サラダに使うような生野菜なら、何でもウマイ。
ところがこれが、イスラム国が仕掛けてきたショックによるストレスで、おとといときのうの2日をかけ、ようやく食べられたわけである。
イスラム国、あのような非道いことを平気でして、なんて奴らだと思う。
ただし、イスラム国にも言い分はあるのである。
これに耳をかたむける必要は、あると思う。
中東は石油の宝庫だから、歴史的に、大国の利権争いに翻弄されてきたころがあるようだ。
イスラム国の元々の創始者は、テロリスト集団「アル・カイーダ」の出身だそうなのだが、そのアル・カイーダは元はといば、アメリカが、ソ連のアフガン侵攻に対抗するために、地元民への軍事訓練所として作らせたものとのこと。
アメリカはその後も、アル・カイーダにたいして武器や弾薬、資金その他の支援をつづけたことで、アル・カイーダは9.11が可能となるような、高度なテロ能力を身につけたのだそうだ。
さらにそれらアル・カイーダのテロリストがイラクに入り込むようになったのも、アメリカが湾岸戦争により、イラクのサダム・フセイン政権を崩壊させたからだそう。
アメリカがサダム・フセイン時代の政府関係者を全員解雇、彼らは失業して貧困におちいった上、裁判にかけられて罪を自白させられたり、処刑されたり、自宅軟禁におかれたりした。
またフセイン時代に主流だったスンニ派にかわり、主流となったシーア派は、スンニ派住民にたいして不当に逮捕・拷問・投獄などをくりかえした。
こうしてアメリカにたいする憎悪をつのらせた、イラク旧政権関係者を吸収して、「イスラム国」ができるにいたったとのこと。
いわばイスラム国を作ったのは、「アメリカ自身」であるともいえるのだ。
そうしたなか、アメリカは現在も、イギリスその他の国と「有志国連合」を結成し、イスラム国にたいして空爆をくり返している。
それにより、イスラム国関係者だけでなく、無実の一般市民も犠牲になっていく。
イスラム国が、「アメリカにたいする憎悪」によって生まれている以上、攻撃すればするほど、その憎悪はふくらんでいく。
こうした現実を直視しようとしたのが、まさにジャーナリスト、後藤健二さんではなかったか。
後藤健二さんは、
「何が起こっても、私はシリアの人を恨みません」
そうビデオメッセージを残し、湯川遥菜さんを探しに、シリアにあるイスラム国の拠点にむかった。
「イスラム国だけが一方的に悪者ではない」ことは、後藤さんが一番よく知っていたのではないだろうか。
そうした中東の複雑な状況に、よく配慮することなく、今回、安倍首相は中東外交をおこなった。
エジプト大統領には、「空爆でイスラム国壊滅を」と述べ、
⇒https://pbs.twimg.com/media/B8tZnMVCEAAEbl4.png:large
「人道支援」をきちんと強調することなく、イスラム国に「宣戦布告」ととられても仕方がないような言い方で、2億ドルの供与を発表した。
その時点で、湯川さんと後藤さんがイスラム国の人質になっていることは、もちろん安倍首相は知っていた。
人質の安全を第一に考えれば、そのようにイスラム国を挑発することなど、できるはずがないではないか。
さらにイスラム国から、「72時間」の期限を切った脅迫ビデオが送られた直後、安倍首相は、イスラム国にとっては敵国のイスラエルで、イスラエルと日本の旗にはさまれた中、記者会見をおこなう。
そして同日、菅官房長官は、
「テロに屈することなく、国際社会とともにテロとの戦いに貢献していく」
と宣言する。
⇒
これらはほとんど、
「湯川さんと後藤さんを、どうぞ殺してください」
と言っているようなものだ。
その後のイスラム国との交渉も、ヨルダンに対策本部を置いたことを、「失敗」とする声も聞く。
ヨルダンはイスラム国にとって「敵国」であり、それよりも、イスラム国とのパイプがあるトルコを経由したほうが、人質が救出される可能性は高かったという。
中東ではこれまで、憲法9条をもつ日本は、「アメリカなどとはちがう」と、特別の信頼を得たいたとのこと。
その信頼を、安倍首相は今回の中東外交で、イスラム国にたいしていらぬケンカを売ることで、みすみす壊してしまったわけだ。
日本政府の一番大きな役割は、「日本国民の命をまもること」である。
そう考えたとき、イスラム国の残虐非道はもちろんながら、むしろぼくは、安倍首相がその責任を、きちんと果たさなかったことに、腹が立つ。
しかも安倍首相は、その失敗を、なんとか取り繕うとするためだろう、
「罪を償わせる」
などの言葉を使い、シリアへの自衛隊派兵をめざすことを示唆している。
「お前はさらに、日本国民を、無用な戦争に巻き込むのか!」
ぼくは安倍首相に言いたいのである。
今ならまだ、引き返すことができるのだ。
憎悪に憎悪で対抗し、泥沼に引きずり込まれるのでなく、あくまで人道支援に徹し、対話によって、平和を模索することができる。
日本人は、「有事」となると、上の言うことに意義をとなえず、「一丸となる」ことを尊ぶ性質があるだろう。
しかしそれが、あの悲惨な太平洋戦争を生んだのではなかったか。
安倍首相は、きょう、
「テロの恐怖に怯え、我が国の足並みが乱れるようなことがあれば、それこそ卑劣なテロリストたちの思うつぼ」
などと言いはじめている。
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「ふざけるな!」
という話である。
これから、自衛隊法が国会で議論される5月まで、どれだけ戦争に反対できるかが、日本のこの先を大きく左右することになると思う。
「できるだけのことをしていきたい」
ぼくは、思っているのである。
「仕事もちゃんとしながらね。」
そうだよな。
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チキンソテー・オン・ザ・サラダは最もうまいサラダの一つである。