【親鶏のすき焼き】鶏すきは、鶏肉の最もおいしい食べ方の一つだ

親鶏のすき焼き 鶏肉

おととい生野コリアタウンへ行ったとき、たまたま出くわし一緒に飲んだ友人が、

「帰りに親鶏を買っていきましょう」

と言う。鶴橋駅近くにある鶏肉専門店で、親鶏を扱っているところがあるそうだ。

「それはいい。ぜひ行きましょう!」

一も二もなく、僕も同行することにした。

親鳥は若鶏より圧倒的に強いうまみがある

スーパーなどで売っている鶏肉は、ほぼ100%が「若鶏」だ。若鶏は生まれて3ヶ月以内のものを指し、肉質がやわらかいのが特徴だ。

それにたいして親鶏は、卵を産んだことがあるもののことを指す。若鶏にくらべると硬いのだが、硬いというより「快い噛みごたえがある」のであって、しかも若鶏より、うまみは圧倒的に強いのである。

僕は四国で骨付鶏の親鶏を食べてから、親鶏のうまさを知り、機会があるなら親鶏を食べたいと思っているのだ。

友人に連れられて行った鶏肉専門店は、名前を控えるのを忘れてしまった。

鶴橋のかしわ屋

でも近鉄鶴橋駅のすぐ近く、東口の改札から南へ1分ほど行ったところにあるので、行けばわかるのではないかと思う。

 

若鶏が黄色っぽい色をしているのにたいし、こちらは真っ赤。

親鶏

いかにもウマそうだ。

鶏すきは親鳥の最もおいしい食べ方の1つ

肉屋の女将に、「どうやって食べたらおいしいですか」と聞くと、

「いちばん簡単なのは、細かく刻んで塩コショウで炒めることです」

とのことだ。それでは簡単でないのはどういうのがあるかを聞くと、

「好きな人は鶏すきにします」

とのことだった。

 

なるほど、僕は鶏すきは好物なのだ。

親鶏の鶏すき

それできのうは、この親鶏で、鶏すきと洒落こんだ次第である。

 

鶏すきは、関東にいた頃には聞いたことがなかったけれど、関西ではわりとポピュラーではないかと思う。牛肉のすき焼きと基本的におなじ作り方をするわけで、鶏肉は値段が安い分、普段でも食べられる。

しかもこれが、ウマイのだ。

 

砂糖としょうゆの味つけは、要は「焼き鳥」とおなじであり、鶏肉には最も合うものの一つだろう。

さらにこれを、生卵につけて食べる。卵と鶏肉は「親子丼」の名コンビなのであり、完全にゴールデンだ。

 

鶏肉は、肉食が禁じられていた江戸時代にも、「かしわであって肉ではない」と食べられていたわけだから、当然、砂糖としょうゆで味つけする鶏すきも、その頃からあったのではなかろうか。

そうすると、明治になって肉食が解禁されてから生まれた牛肉のすき焼きは、鶏すきのやり方を牛肉に応用したものではないかと思えてもくるのである。

 

親鶏の鶏すき

 

さて鶏すきに入れるのは、関西では、まず焼き豆腐。それから玉ねぎと青ねぎ、糸こんにゃくに焼き麩となると思う。

中でも青ねぎをドバっと入れるのがポイントで、きのうは3分の1把くらい、ずいぶんドバっと入れたつもりだったのだが、青ねぎは火が通ると本当に「シュン」としてしまうから、「もっと入れればよかった」と作ってみてから思ったほどだ。

 

焼き麩を入れるのも、味をじんわりと吸い込んでくれるのでポイントが高い。焼き麩はいくつか種類があるから、「煮込み用」などの、味が濃いタイプを選ぶ。

「丁字麩」がブランドなのだが、きのうはスーパーに売っていたこれを使った。

焼き麩

 

それから関西では、割り下は使わない。だしが必要ないのであって、酒と砂糖、しょうゆを順番に入れていけば、あとは卵をつけ、粉山椒や一味をかけると十分に味がととのう。

ちなみに鶏すきの作り方は、親鶏でも若鶏でもまったくおなじ。若鶏の鶏すきも、文句なくウマイから、親鶏が手に入らなくても作ってみるのはおすすめだ。

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鶏すきの作り方

親鶏の鶏すき 作り方

  • 鶏肉 250グラムほど

は食べやすい大きさに切り、

  • サラダ油 小さじ1

ほどを引いたフライパンに、皮を下にしてにして入れ、火にかける。

弱火で15分くらい焼くのが、皮がカリッとして一番おいしいのだけれど、時間がなければ火は多少強めでもかまわない。

 

親鶏の鶏すき 作り方

鶏肉の皮にこんがりと焼色がついたところで、鶏肉はひっくり返して強めの弱火くらいにし、

  • 焼き豆腐 2分の1丁 (食べやすい大きさに)
  • 玉ねぎ 2分の1個 (1センチ幅くらいでヨコに切る)
  • 糸こんにゃく 小さいの1袋 (サッと洗って水気を切る)
  • 焼き麩 大2個くらい (水に浸してよくしぼり、2センチ大くらいに切る)
  • 青ねぎ 2分の1把~3分の2把くらい (斜め切り)

を加え、

  • 酒 大さじ3
  • 砂糖 大さじ1
  • しょうゆ 大さじ3

をこの順番で入れて、箸で頭を出した具を煮汁に沈めたり、必要なら裏返したりしながら4~5分煮る。

味がそこそこしみたところで、火を止める。

粉山椒と一味をかけて食べる

あとは鍋のまま食卓へ出して食べる。

親鶏の鶏すき

 

溶き卵につけ、好みで一味と粉山椒をかける。

親鶏の鶏すき

 

青ねぎと鶏肉がよく合って、また親鶏にしっかりと味があるから、これは本当にたまらない。

味がしみた豆腐や糸こんにゃく、焼麩がマジで死ねるのは、言うまでもないことだ。

 

それからきのうは白めしにしたのだが、鶏すきの残り汁で焼きうどんをすると、またウマイ。

その場合、青ねぎと、刻んだ油あげを追加するのがおすすめだ。

 

酒

そしてもちろん鶏すきは、酒に「死ぬか」と思うくらい、よく合うのだ。

これで飲み過ぎなかったら、「人間ではない」と僕は思う。

 

「間違ってるよ。」

チェブ夫

そうだよな。

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