このところ、朝食にピラフを食べるのに鬼のようにハマっている。とにかくまずは、手間がかからないのがありがたい。
ごはんにしようと思う場合、まず米を研いでしばらく置き、さらに炊かないといけなくなる。並行して、おかずも作らないといけない。
食べ終わったあとの皿洗いも、米を炊いた鍋におかずを作った鍋の両方を洗わないといけなくなる。
ところがピラフは、フライパン1つだけでご飯もおかずも両方できる。米を研いだり、水に浸したりすることも必要なく、炒めてしまえば、炊いているあいだは別の用事をしていればいいし、洗い物もフライパン1つで済む。
朝の忙しい時間に作るには、ごはんを炊くことと比べて月とすっぽんほどラクなのだ。
さらに、ウマイ。
特にこの塩味のピラフは、オリーブオイルとニンニク・玉ねぎ、それに塩コショウとパセリ・レモン汁だけの味つけだ。
入れる素材、および米の味が生き、天上天下・唯我独尊、世界で毎日ここまでうまい朝めしを食べているのは、僕ぐらいだろうと思うほどだ。
もちろん、ピラフはある程度具をきちんと入れれば夕食に食べても遜色ないから、もしまだピラフを作ったことがない人が万が一でもいたとしたら、絶対に試してみた方がいいのではないかと思う。
というわけで今朝は、鶏肉とアスパラの塩味ピラフ。
これも底なし沼のようにうまくて、763回死んだ。
ピラフで肉類といっしょに加える野菜は、ある程度煮込めるものなら何でもいいのだ。葉物野菜は、煮込むとくたくたになってしまうからやめた方がいいと思うが、ピーマンやセロリなどの香味野菜、じゃがいもやニンジンなどの根菜、それにグリーンピースなど豆類は、ピラフにはとてもよく合う。
アスパラは、葉物野菜の一種と見えるところもあり、実際サラダなどで使うときにはサッとゆで、歯ごたえを楽しむのが常道。「これを煮込むのはどうなのか」と思う人がいるだろうことは十分予測でき、僕自身もじつは食べるまでまで半信半疑で、もしまずかったらブログには載せないでおこうと思っていた。
ところがアスパラは「白アスパラ」をぐたぐたにやわらかくして食べることから分かるとおり、味を吸ってやわらかくなったのは、歯ごたえがあるのとは別のよさがあるのである。
ウソだと思うのなら、騙されたと思って作ってみてもらいたい。
作るのは、炒めて炊くだけだからこの上なく簡単。微妙なところがある水加減は、下のレシピでやってみて、あとは適宜調整するのがいいと思う。
作り方
鶏もも肉100グラムくらいは、表と裏に塩・計小さじ4分の1、コショウ少々をすり込んで、フライパンにオリーブオイル大さじ1とともに入れて弱めの中火くらいにかけ、5分くらい、軽く焼色がつくまでじっくり焼く。
つづいて火を少し弱めてみじん切りにしたニンニク1かけと玉ねぎ4分の1個を加え、さらに5分くらいじっくり炒める。
アスパラ5本(1束)は、下の部分は硬いから切り落とし、3センチ長さくらいに切る。
米2分の1カップといっしょに入れて、1~2分、米が透き通ってくるまで炒め、
- 水 カップ1+4分の1
- 塩 小さじ4分の1
- コショウ少々
を入れて中火にし、フライパンを揺すりながら1分ほどしっかり煮立てたら、フタをして弱火にし、25分炊く。
皿に盛り、粗挽きコショウとみじん切りのパセリ、それにレモン汁(ポッカレモン100)をかける。
これは、ウマイ……。
歯ごたえのないアスパラは、常温で飲むビールのようなものであり、ハマると抜けられなくなるやつだ。
またそのアスパラと、やわらかく炊けたごはんがよく合うのがたまらない。
しかしこれが、おそらく空前絶後、百発百中でビールに合うにもかかわらず、今朝も飲まなかったのだ。
僕はこんなことをしていたら、そのうち本当に酒が飲めなくなるのではないかと心配だ。
「心配症だね」
ほんとだな。