昨日はふたたび豚肉とニラが食べたくなり、新しい食べ方はないかとあれこれ思いを巡らすうちに、「豚肉のニラ玉」を思い付いた。
料理は、何を作るかを「構想」するのが、一番おもしろいのである。
独り暮らしが料理をする場合の最大のメリットは、
「誰にも文句を言われない」
ことである。
これが家庭の主婦なら、そうはいかない。
ご主人に文句を言われ、子供に文句を言われとなるから、そうそう下手なものは作れない。
でも独り暮らしは自分が満足すればそれでいいのだから、気を使う必要がない。
どんなにヘボくても、自分が思うとおりに作ればいいのである。
これが、独り暮らし料理の醍醐味だとぼくはおもう。
料理を、レシピを見ながら作っている人も多いとおもう。
これはもちろん、悪いことでは決してなく、ぼくも時々、勉強のため、レシピ通りにそのまま作ってみることはある。
ただレシピ通りに料理するのは、けっこう疲れるものがあり、毎日やると、それが理由で料理がイヤになる人もいるのではないかとおもう。
先日も、かなり料理をしていたけれど、ある時イヤになり、調理器具をすべて捨ててしまったという人の話を聞いた。
やはり料理をつづけるためには、初めはレシピ通りに作っていても、そこから次の段階へ移行する必要がある。
それは、「レシピを見ずに料理を作る」ことである。
レシピを見ずに料理するのは、難しくもなんともないが、レシピを見ながら料理したことしかない人が、レシピから離れるのが不安なのは、気持ちはわかる。
わかるのだが、必要なのは、「勇気」である。
まずは「レシピは見ない」と、勇気をもって決めることが第一歩となる。
次にレシピを見ないわけだから、「何をどう作るか」は、自分の頭で考えないといけないことになる。
これは料理の「構想」なわけだが、ぼくはこの構想が、料理の中で、一番おもしろいところだとおもう。
構想には、1時間ほどをかけることをぼくは勧める。
レシピを離れ、一人きりで構想するのは、考えはじめは、心細い気分がするものだ。
食べたいものがすぐにイメージできればいいが、そうでない場合は、ちょっと苦しい感じもする。
その「何もない」ところから、作るものの作り方まではっきりイメージできるところまで辿り着くまでの道筋は、人によってそれぞれ違うものだとおもう。
ただ「ぼくの場合はこうだ」というのを、昨日のメニューを例にとり、ちょっと紹介してみたい。
ぼくの場合、構想はいつも2段階に分けてする。
まずは「買い物前」の構想で、最低限、買い物ができるようにしないといけないわけだから、ここで「何の食材が食べたいか」だけを考える。
まずは「肉か魚か」を考え、魚の場合は、魚屋へ行ってあるものを見てから考えるのだが、昨日は「豚肉とニラ」が食べたかった。
そこで肉屋で豚コマ肉、スーパーでニラを買って帰った。
そのあとは、作る直前に考える。
ぼくはこの時、酒を飲み始めるのである。
酒が好きな人ならば、飲みながら料理の構想をするのは非常にオススメだ。
気分よく、あれこれアイディアが湧くのだが、つい飲み過ぎてしまうから、それには注意が必要だ。
豚肉とニラは、初めは炒めようかと思っていた。
炒めなければ、「鍋」なのだが、それよりも、ご飯にのせて、ガッツリ食べたかったのだ。
ただ豚肉とニラの炒めものは、このところあれこれやってしまって、新しいネタが思い付かない。
ぼくは料理をブログに載せることもあり、やはり毎日、新しいアイディアがほしいのだ。
玉ねぎとしめじが余っているから、それを入れることにした。
卵もあるから、炒め合わせたら彩りもよくうまそうだ。
卵の彩りを活かすには、あまり醤油を使わず、塩味にしたほうがいいかもしれない。
でも豚塩炒めは、このあいだネギでやってしまったから、ちょっとイマイチなんだよな・・・。
昨日はそこで行き詰まり、しばらくちょっとボンヤリしていた。
「料理の名前を考えてみよう」と思い立ち、
「豚、ニラ、卵・・・」
そこまで思い浮かべた時、思い付いたのだ。
「ニラ玉だ!」
豚とニラをメインで考えていたけれど、ニラと卵でニラ玉にし、そこに豚肉が入っていると考えると、新しいメニューになるわけだ。
これで食べたいものは決定し、あとは味つけなど細かいことを考えるだけである。
それはそこから10分ほどで、全部決まった。
以上は昨日の例なのだけれど、構想を練る際には毎回けっこうドラマがある。
要は「自分が食べたいもの」なのだから、あきらめずに考えていれば、紆余曲折がありながらも、最終的にはかならず決まる。
この初めのボンヤリしたところから、最後にすべてがハッキリするのは、かなりの達成感がある。
この快感を、まだ知らない人には、「ぜひ味わってほしい」とおもうところだ。
というわけで、「豚のニラ玉」を作るのだが、材料は以下のとおりである。
まず豚肉は、コマ肉を、昨日は250グラム、ガッツリ使った。
ニラは、1把をすべてざく切り。
卵2個は、溶きほぐしておく。
玉ねぎとしめじは、余っていたから使ったので、これから材料を買うのなら、無理に使わなくてもいい。
合わせ調味料は、酒とみりん、オイスターソースが大さじ1、砂糖と醤油、おろしショウガが小さじ1。
片栗粉大さじ1と水大さじ2の水溶き片栗粉も用意しておく。
フライパンにゴマ油を引き、中火にかけ、豚肉を炒める。
豚肉の色が変わったら、ここで合わせ調味料を入れる。
合わせ調味料を先に入れるのは、豚肉に味をつけるためである。
少し炒めたら、水1カップを入れ、味を見て、塩を加える。
玉ねぎとしめじ、ニラを入れ、1分ほど煮る。
水溶き片栗粉を加え、全体を混ぜてトロミをつける。
トロミが付いたら、溶き卵を入れ、フタをしめてひと煮立ちさせ、火を止めて、卵が半熟加減になるまで蒸らす。
ご飯を盛った皿にすべり込ませ、七味をたっぷり振って食べる。
炒めものと比べて、やさしい味になるのがいいのである。
昨日はあとは、酢の物シリーズ。
ワカメの酢の物。
わかめは水でもどして水気をしぼる。
キュウリはうすい小口切りにし、一つまみの塩で揉んで5分おき、水で洗ってペーパータオルで水気を拭きとる。
みょうがはうす切り、さらにちりめんじゃこも加える。
これらを、酢とみりん、うすくち醤油それぞれ1ずつの三杯酢で和える。
セロリの酢の物。
セロリはピーラーで筋をとり、斜めにうすく切って、一つまみの塩で揉んで5分おき、水で洗ってペーパータオルで水気を拭きとる。
ちくわも斜めにうすく切る。
これを、酢とみりん1ずつに、塩少々の甘酢で和える。
ナスのポン酢醤油。
ナスはうすく切り、一つまみの塩で揉んで5分おき、手で絞る。
削りぶしとおろしショウガ、それにポン酢醤油をかける。
「おっさんは料理に時間をかけられていいね。」
暇人なんだよな。
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コメント
新米主婦です。レシピから離れられません。
なぜお酒をいれるのか、しょうゆでなくてオイスターソースなのか
調味料の配合、分量がよくわかりません。
これは作って経験を積むしかないでしょうか?
なるほど、ぼくのブログでも、もうちょっと詳しく説明するようにしますね。