きのうもまたスーパーで、豚肩ロースのかたまり肉を買ったのだ。
何しろ安い。日本の農家の人には申し訳ないとは思うけれど、100グラム97円で、ひき肉と変わらない値段だ。
しかも肩ロースは豚肉のなかでは一番うまい部位だから、それがこの値段なら、買わないわけにはいかないのだ。
かたまり肉を食べるなら、やはり煮込み料理となる。定番のトマト煮込みはこないだやってしまったから、今回は、ジャガイモやにんじんなどと合わせ、みそ煮込みにすることにした。
みそはやはり、煮込んでも風味が飛ばない八丁みそを使う。
八丁みそで肉を煮込んだのは、名古屋ではまだ見たことがないけれど、京都には、牛すじや牛テールを八丁みそで煮込んだものを出す店がいくつもある。
名古屋よりは甘みをだいぶ減らしていることもあり、これが言われなければ、八丁みそだとはまずわからない。ドミグラスソースで煮込んだシチューと、色はもちろん、味もほぼ変わらないのだ。
ちなみに白みそで鶏肉などを煮込んだものは、クリームシチューとそっくりの見た目と味になる。
べつにどちらかが、どちらかの真似をしたわけではないだろうから、人間の味の好みというものが、洋の東西を問わず共通するということだろう。
ドミグラスソースと似た味だから、八丁みそで煮込むのは、牛肉がいちばんうまい。でももちろん、みそとは相性抜群の豚肉を使っても、問題はないのである。
かたまり肉は、2センチ厚さくらいに切ったのを煮込む。これなら豚肉の場合なら、30分ほどで食べられるくらいにはやわらかくなる。
厚く切った肉を煮込むには、火が通ってしまうと味が入らなくなるので、肉に下味をつけることが必要だ。
これは韓国式の炒め煮(ポッカ)の要領で、まず鍋に調味料をすべて入れ、そこに漬け込んでおくようにするのが簡単だし、味もいい。
ジャガイモとにんじん、玉ねぎは、すべて3~4センチ大の大ぶりに切る。大ぶりのジャガイモが煮くずれる寸前まで煮える煮時間は約30分で、それでちょうど、にんじんもやわらかくなり、豚肉にも火が通る。
ただし玉ねぎは、煮時間を15分くらいにし、ややシャキシャキ感を残すのが僕は好みだ。
それから青みのブロッコリーは、サッと下ゆでしたものを最後に加えるようにする。
鍋(フライパン)に、
- サラダ油 大さじ1
- ニンニク 1かけ (みじん切り)
- 豆板醤 小さじ1
を入れて弱火にかけ、2~3分じっくり炒めて味をひき出す。
火を止めて、
- 八丁赤だしみそ 大さじ3
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ2
- オイスターソース 小さじ2
- しょうゆ 小さじ2
- コショウ 少々
を、みそを溶きのばしながら加えていき、2センチ厚さくらいの食べやすい大きさに切った豚肩ロース肉・300グラムを漬け込んで、10分くらいおいておく。
強めの弱火くらいをつけ、10分くらいかけて豚肉をじっくり炒める。
- ジャガイモ 3個 (3~4センチ大に切る)
- にんじん 1本 (3センチ大くらいに切る)
を加え、2~3分、さらに炒める。
水2+2分の1カップ(2分の1カップは煮詰まる分)を入れ、フタをして、コトコト弱火で30分くらい、ジャガイモが煮くずれる寸前まで煮込む。
煮込んでいる最中に、ブロッコリーのふさ・1茎分を、塩2~3つまみを入れた水で30秒くらいゆで、お湯を切っておいておく。
玉ねぎは、煮込みはじめてから15分くらいたってから入れ、15分ほど煮込む。
煮込みが完了したところでゆでたブロッコリーを加え、サッとひと混ぜして皿に盛る。
これは、まじでウマイのだ……。
味を吸い、ホクホクにやわらかくなったジャガイモは、東京タワーにかけ上りたくなるほど死ねる。
歯応えのあるブロッコリーが、またたまらない。
そしてこれが言うまでもなく、酒に合うわけである。
僕もさすがに、毎日飲み過ぎたくはない。でもこれほど酒に合ってしまうと、無意識のうちに酒を何杯もつくってしまうことになるから、どうすることもできないのだ。
「なんでやねん!」
そうだよな。