あさりは値段もどちらかといえば安く、和洋中韓、幅広い味つけによく合うから、わりと多用するのである。
栄養も豊富だそうで、肝臓の働きをたすけるタウリンや、新陳代謝を活性化する亜鉛など、わりと不足しがちな栄養を多くふくんでいるそうだ。
きのうはこのあさりをペペロンチーノにすることにした。
オリーブオイルとニンニク、唐辛子で炒めるペペロンチーノは、あさりとパスタを合わせれば「ボンゴレ」になるわけで、あさりの代表的な食べ方の一つといえる。
ただしペペロンチーノを完全に洋風のやり方でつくってしまうと、ご飯のおかずになりにくい。
そこで酒やみりん、薄口しょうゆと青ねぎを使い、「和風ペペロン」にするのである。
具は、まずトマトを入れることにした。あさりのペペロンチーノにトマトを入れれば「ボンゴレ・ロッソ」になるわけで、これは定番。
それから、あさりだけだと栄養的にスタミナが不足するから、ウインナー。豚肉は、キムチ鍋にあさりを入れるとうまいことからもわかる通り、あさりと相性がいいのだが、これをウインナーにすると、洋風料理にとてもよく合う。
そしてあとは、ジャガイモなのだ。
あさりとジャガイモは、ちょっと意外なとり合わせとも思えるかもしれないが、実はクラムチャウダーの名コンビ。豚肉、トマトとも相性はとてもいい。
さらにジャガイモは、汁気を吸う役割も果たすから、あさりの炒め物にジャガイモを加えるのは、とても非常におすすめなのである。
作り方はシンプルで、失敗する可能性も低いから、初心者にもおすすめの料理だと思う。トマトに火を通し過ぎないことがポイントだ。
それからウインナーは、値段によって味が大きくちがう。「シャウエッセン」「アルトバイエルンクラス」のを選ぶのがおすすめだ。
あさり200~300グラムは、
- 水 2分の1カップ
- 塩 小さじ2分の1
の塩水に30分~1時間くらいひたして砂抜きする。そのあと水を4~5回替えながら、両手でガシガシ殻をこすり合わせてよく洗い、水を切っておく。
フライパンに、
- オリーブオイル 大さじ2
- ニンニク 1~2かけ (みじん切り)
- 赤唐辛子 2~5本 (ヘタを取って種を出し、小さくちぎる)
を入れて弱火にかけ、2~3分、ニンニクがきつね色になるまでじっくり炒める。
- ウインナー 4本 (半分くらいに切る)
- ジャガイモ 1~2個 (1センチ角くらいの拍子木にする)
を加え、強めの弱火くらいの火加減で、ジャガイモがほぼやわらかくなるまで、じっくり炒める。
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ1
- 薄口しょうゆ 大さじ1
を加えてひと混ぜしたら、洗ったあさりを加え、フタをして、3~4分かかると思うけれども、あさりの殻が全部ひらくのを待つ。
2センチ幅くらいのくし切りにしたトマト・1個を加え、弱めの中火くらいで、1分くらい、トマトがしんなりするまでさらに炒め、味をみて、必要なら塩を加えて火を止める。
皿に盛り、青ねぎと粗挽きコショウをふる。
これは、たまらん……。
具のとり合わせは、申し分なし。
あさりの味をしっかり吸ったジャガイモは、思わず唸ってしまうほど死ねる。
あとは、オクラと豆腐の赤だし。
それにビール。
そして今さら言うまでもなく、あさりとジャガイモの和風ペペロンは、酒には死ぬほど合うのである。
これで飲み過ぎないようにするためには、天よりも高く、海よりも広い努力と覚悟が、必要とされるのではないかと思う。
「そんなことないよ。」
そうだよな。