焼きそばは、材料と調味料が渾然一体となったタレが、麺にしみ込むのが本領です。この材料にしじみを使い、醤油ベースで味をつけると、このタレがしみ込んだ焼きそば麺は、29,881回は死ねるうまさです。
焼きそばは麺にタレがしみ込むのが本領
焼きそばの作り方として、材料を炒めて麺を入れ、水を加えてほぐしてから調味料を加えるというものがあります。でもそれではちょっともったいない……。
焼きそば麺は、ラーメン用の中華麺がゆで麺であるのにたいし、「蒸し麺」であるのが特徴です。これはあまり水を加えないようにして火を通し、実際に使うときに調味料がしみ込みやすいようにするためです。
それなのに、水を加えてほぐしてしまえば、まず麺にしみ込むのは、水。そのあとに加える調味料は、水を加えた分しみ込みにくいです。
なので焼きそばを作る際には、まずは材料を炒めたら、液体の調味料を入れ、そこですこし煮て材料と調味料が渾然一体となったタレをこしらえるのがポイント。
そこに焼きそば麺を入れれば、おいしいタレが麺にバッチリしみ込みます。
渋谷「麗郷」のしじみの欠点をまさに補った一品
渋谷にある台湾料理店「麗郷」の名物料理の一つとして「しじみ」があります。これはしじみをにんにくと醤油で炒めたもので、だいたい18,224回は死ねるくらいウマイです。
でもこのしじみがもったいないのは、しじみのうま味が出まくったおいしいタレが、皿にたまってしまうこと。いちおうしじみの殻をスプーン代わりにすくって飲むのが作法ですが、それだと大して飲めないし、けっきょく大半のしじみのタレは、皿に残ってしまいます。
ところがこの欠点を、大きく補う方法があるというわけ。それは、焼きそば麺を入れること。
焼きそば麺がしじみのうま味を吸い込みまくり、これはマジでたまらないです。
だいたい29,881回は、間違いなく死ねると思います。
作り方
しじみの醤油焼きそばは、作るのは非常に簡単。しじみを炒め、醤油を入れたら、あとは焼きそば麺を炒めるだけです。
あえてコツを上げるとすれば、しじみをケチらないこと。
しじみのうま味が全てですので、焼きそば麺1人前にたいし、最低でも100グラムくらいのしじみを使うようにします。
STEP1 しじみを洗う
スーパーなどに売っているしじみは、砂出しはだいたいされています。でももし心配なら、水200ccにたいして塩小さじ1の塩水に1時間くらい浸しておきます。
砂出しより、大事なのはよく洗うこと。
貝は殻についた汚れが臭みの原因となりますので、両手でしじみをすくってガシガシと擦りながら、水を4~5回は換えて洗います。
STEP2 しじみを炒める
フライパンに、
- オリーブオイル 大さじ1
- にんにく 2~3かけ(みじん切り)
を入れて弱めの中火くらいにかけ、2~3分じっくり炒めてにんにくの味を引き出します。
次に、
- 酒 大さじ2
- 醤油 大さじ1
- 洗ったしじみ 100~150グラム
を入れ、フタをして、しじみの殻が全部開くまで蒸し焼きにします。
STEP3 麺をくわえて炒め上げる
しじみの殻が全部開いたら、
- 焼きそば麺 150~200グラム
を入れ、火加減は弱めの中火くらいのままで、フライパンにたっぷり出ているおいしいタレで麺をほぐすようにしながら、2~3分炒めます。
味をみて、もし味がうすければ、
- 塩 少々
を加え、最後に、
- コショウ 少々
を振って皿に盛ります。
これは、まじでスゴイです。
ちなみにこれは、あまり余計な具を入れず、シンプルにしじみのみで作るのがオススメです。