マーボー茄子は、茄子の代表料理。夏のあいだは何度も作ることになる。
その際おなじ味ばかりだと、やはり飽きる。そこでこのうす味のマーボー茄子は、目先が変わってまたウマイのだ。
きのうも大阪・京橋での戦争法案反対アピールへ出かけていった。
ほんとはこれも、行かないつもりにしていたのだ。おれはいつも夜7時まで仕事するから、7時から大阪で開始されるアピールには間に合わない。
きょう15日に梅田で行われるSEALDs KANSAI主催のアピールへは参加するつもりにしていたわけで、そう毎日仕事の時間を削るわけにもいかないから、こちらは失礼させてもらおうと思っていた。
しかしなぜか、きのうは朝、いつもより2時間早くパッチリと目が覚めたのだ。
そうなれば、いつもより2時間早く仕事を終わらせられるわけで、
「これは神様が、きょうもアピールに参加しろと言っている」
と悟ったおれは、京都から大阪まで、電車に揺られたわけである。
アピールが終わったのは8時半。外食しようかと思わなくもなかったが、家に帰って飯を作ることにした。
おれにとって酒と食事は、ただ腹を満たすためにあるわけではない。自分をとり戻すためにもあるものだ。
よっぽどお気に入りの店なら別として、そこらの飲食店では、それはなかなか難しいのだ。
家に着いたのは10時、それから何を作るか考えはじめた。
豚ひき肉と茄子が冷蔵庫に入っていたから、マーボー茄子は決まりである。マーボー茄子は間違いなく、茄子の代表料理の一つだろう。
しかしマーボー茄子は、この夏、すでにもう何回も食べている。目先を変えたいところである。
そこで味つけを、「うす味」にすることにした。
マーボー茄子は、要は「茄子と豚ひき肉の甘辛みそ炒め」である。茄子にコッテリとしたみそ味がよく合うのは、「みそ田楽」が茄子の代表料理の一つであることからも明らかだ。
しかし茄子は、醤油で煮るのもウマイわけで、うす味にすることには問題は何もない。
ただしうす味で問題があるのは、豚肉なのだ。豚肉は、醤油との相性がイマイチよくない。
そこで、オイスターソースを使うわけである。
オイスターソースは、醤油と似た系統の味でありながら、豚肉との相性は完璧だ。
うす味だから、唐辛子も豆板醤ではなく、輪切り唐辛子を使う。ニンニクはいつもの通り使わないが、ショウガをたっぷり入れ、みりんと砂糖で隠し味程度に甘みを入れれば問題ない。
それから茄子は、普通は揚げるが、多めの油で炒めるので問題はまったくない。
茄子は火が通りやすいから、くれぐれも煮過ぎないようにするのが、この料理のポイントだ。
茄子・2本は、味がしみやすいように皮をタテに縞に剥き、3センチ大ほどの乱切りにする。
フライパンに、ゴマ油・大さじ1、サラダ油・大さじ1を引いて中火にかけ、5分ほど、茄子がしんなりとしかけるくらいの加減まで、じっくり炒める。
炒めた茄子は皿にとり出し、改めてフライパンに、
- ゴマ油 大さじ1
- 輪切り唐辛子 小さじ1
- ショウガみじん切り 2センチ大くらい
- 玉ねぎみじん切り 4分の1個分
- 豚ひき肉 200グラム
を入れ、中火で5分くらい、ひき肉をスプーンで押し潰してほぐしながら、じっくり炒める。
肉と野菜の水気が飛んだところで、
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- オイスターソース 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
- 醤油 小さじ1
を入れ、ひと混ぜして味をなじませて、水・1カップを入れ、煮立ってきたら、味を見ながら塩・小さじ2分の1くらいを加える。
とり出しておいた茄子を入れ、フタをして弱火で5分くらい、コトコト煮る。
茄子がやわらかくなったら、
- 大きめの小口切りにした長ねぎ 1本
- 酢 大さじ1
を入れ、ひと混ぜする。
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ1
を混ぜた水溶き片栗粉を、スプーンで少しずつ入れては混ぜしてトロミをつける。
ご飯を添え、丼にするのも、もちろんいい。
箸でも食べられる。
これは、ウマイ、、、
さわやかで、夏向きの味である。
あとは、みょうがととろろ昆布の吸物。
おとといの甘長唐辛子の炊いたん。
それに、キムチ。
酒は、冷や酒。
家に帰り着いた時には、反対のアピールをした直後だったし、気持ちがクサクサしていた。しかし飲みながら、作る料理を考えているうちに楽しくなり、作った料理を食べる頃には、いつも通り、すっかり幸せな気持ちになった。
自分の食べるものを自分で考えるからこそ、その時の自分の状態を確認し、落ち着かせることができるのだろうとおれは思う。
おかげできのうも飲み過ぎてしまったのだが、自分をとり戻すためには、それも仕方がないのである。
「飲み過ぎるのが自分じゃないよ。」
そうだよな。
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