ナスとひき肉のトマト缶カレーは、マジでおすすめなのである。まず作るのが非常に手軽で、正味20分ほどでできる。
しかも、うまい。トマトの酸味で食欲も増し、夏にガッツリ食べるには打ってつけなのだ。
インスタント食品を使わなくても手軽にできて、しかも激しくうまいものは、そうちょくちょくあるわけではない。一般に料理は、手をかければかけるほどうまくなるわけである。
しかしナスとひき肉のトマト缶カレーは、その数少ない例外の一つである。調理時間は正味20分、のんびりやっても30分で済み、それ以上は手のかけようがない。
これはもちろん、トマト缶を使うからだ。トマトは黄金の調味料なのであり、うま味と酸味をバランスよく含んでいる。これをドバっと入れるだけで、味のベースは完璧に決まってしまう。
ただしトマトには、独特のエグみがある。これを消すために、西洋料理ではハーブやパセリを入れるわけだが、日本で馴染みがあるものとして、オイスターソースと砂糖がその代用となる。
トマト缶とオイスターソースの合い方と行ったら半端ではなく、しかもちょっと東洋風の味になるから、ご飯にもバッチリ合う。
トマトの味を素直に活かし、そのままミートソースにしてもいいが、ここにカレー粉を加えると、またうまいわけである。
カレー粉は個性が強いから、どんな汁物でも、それさえ入れればカレーになる。トマトも負けず劣らず個性は強いが、やはりカレー粉には敵わず、これは「トマト風味のカレー」に落ち着く。
さらに豆板醤を使って唐辛子の辛味をつければ、夏にはまさに打ってつけの爽やかな味になる。
ニンニクは使わずに、かわりにショウガ。オイスターソースにゴマ油のコクがあるから、これで全く問題ない。
ナスに加えて、きのうは万願寺とうがらしを入れた。ピーマンより繊維が硬い万願寺とうがらしは、煮込み料理に使うのにはおすすめの食材だ。
まずはナスと万願寺とうがらしを炒めておく。
フライパンにゴマ油・大さじ1を引いて中火にかけ、皮をタテに縞に剥き、3センチ大くらいの乱切りにしたナス・2本を5分くらい、ややしんなりとするまで炒める。
つづいてゴマ油をちょっと足し、ヘタとわたを取り、食べやすい大きさに切った万願寺とうがらし・3本を、1分ほどサッと炒める。
ナスと万願寺とうがらしは皿にとり出しておき、フライパンに改めて、
- ゴマ油 大さじ2
- 玉ねぎみじん切り 4分の1個分
- ショウガみじん切り 2センチ大
- 豆板醤 小さじ2
- カレー粉 大さじ1
- 豚ひき肉 200グラム
を入れて中火にかける。
ひき肉はスプーンで押し潰してほぐしながら、水気が飛んで「ジュー」という音が収まってくるまで、5分ほど炒める。
- カットトマト 1缶(400グラム)
- オイスターソース 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
- 塩 少々(これから少し煮込むから、やや薄めにしておく)
を入れ、とり出しておいたナスと万願寺とうがらしを戻し入れる。
弱火でフタをせず、10分煮込んで、最後に味をみて塩加減する。
ご飯を盛った皿によそう。
これは、マジでたまらない。
あとは、サラダ。
ドレッシングは、レモン汁1にオリーブオイル2、砂糖と塩、コショウをそれぞれ少々。
それに、キムチ。
酒は、冷や酒。
こうして自分で作ったものが死ぬほどうまいと、
「おれは自炊の天才だ」
と、つくづく思うわけである。
自炊について天才でも、世の中の何の役にも立たないが、自分がそれで満足できれば、それで十分なのである。
「意味のない天才だね。」
ほんとだな。
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