四条大宮で食事をするなら、「餃子の王将」は一つの王道だといえる。何といっても四条大宮は餃子の王将「発祥の地」。四条大宮店は1号店で、それなりの風格があるのである。
餃子を初めとしてどれも安くておいしいが、特にオススメなのは「酢豚」だ。
餃子の王将は日本全国にあるから、たとえば京都へ観光に来て、わざわざ餃子の王将で食事するのは「どうか」と思うかもしれない。もちろん京都は、おいしいものは山ほどあり、短期間の滞在なら行くところに迷うほどだと思うけれど、餃子の王将・四条大宮店が一つの王道であるのはまちがいない。
何しろ四条大宮は、餃子の王将「発祥の地」なのである。
四条大宮店は1号店で、やはりそれなりの風格があるのである。
餃子の王将は、ラーメン店「天下一品」と並んで京都の人から強く支持されているのではないかと思う。四条大宮なら、飲んだあとに餃子の王将でシメるのは、一つの定番コースとなっている。
長く通い続けている人も多い。
四条大宮店では「三谷焼き」という注文が通ることで知られている。これは餃子の「両面よく焼き」のことなのだが、「三谷さん」という、もう60代の大宮の長い常連さんがいつも注文することから、メニューにこそ書いてはいないが、一般名称になったものということだ。
餃子の王将が京都の人に支持されるのは、まずは「おいしいものを安く提供する」ことを貫き、特に学生に対して手厚くサービスしたことが一つの理由だと思う。
以前は学生なら、30分間皿洗いをすることで食事代を無料にするサービスがあったというし、今でも学生専用の安価なメニューがある。餃子が237円(税込)というのは、実際信じられない価格だし、それでいてとてもうまいのだから、まさにありがたい話である。
それから店舗による個性があるということも、京都の人に好かれている理由である気がする。
王将は、全国約700店のうち、直営店が2:1くらいの割合でフランチャイズ店より多いそうだが、店長の裁量がかなり大きく認められているそうで、共通メニューの他そのお店独自のメニューも多い。もう閉店してしまった「あの店はすごかった」などの伝説を、しばしば耳にすることもある。
調理も、食材の下ごしらえなどはセントラルキッチンで行われるが、それを料理に仕上げるのは、実際に店舗で行われる。餃子も餡と皮は用意され、それを包むところは店舗でされるようである。
なので店舗や、さらにおなじ店舗でも誰が作ったかによって、味が変わる。
ここに人間味が感じられるわけである。知人で「京都市内の餃子の王将は軒並みまわった」という強者もいて、「あそこはおいしい、ここはイマイチ」などの話題が、かっこうな酒のアテになったりする。
餃子の王将が京都の飲食店に与えた影響は、小さくないものがある気がする。餃子の王将の餃子は大ぶりで、肉がたっぷり入ったもっちりとしたタイプだが、これは京都の餃子の標準形になっている。
それから京都では、ほうれん草の炒め物を「ポパイ炒め」と呼ぶ。これも、元々は餃子の王将が発祥だったのだようである。
一昨年には、社長が銃撃されて亡くなった。その際には弔問に訪れる客で行列ができ、餃子は売り切れが続出したのだそうだ。
四条大宮の餃子の王将は、その餃子の王将の1号店なのである。それなりのものであるのは、言うまでもないことだ。
ここはまず、店員がいい。1階はカウンターになっていて、中で店員が立ち働く様子が見られるのだが、これが楽しい。
どの店員も、お客さんに対してフレンドリーで、愛想がいい。動きもキビキビしているが、追い立てられる様子はなく、自分できちんと考えているのが伝わってくる。
長い店員は常連のお客さんの顔を覚え、行けば話しかけてくる。どのように社員教育をしているのかは知らないが、「いい会社なのだろうな」と思うわけだ。
料理は、やはりまずは餃子。
肉が多めでふっくら・もっちりとしていて、「王道の味」といえると思う。
それから特にオススメなのは、「酢豚」である。
これはハーフサイズ(ジャストサイズ)で、ゴロゴロの豚肉が3個入って324円(税込)。フルサイズなら、豚肉は6個入って540円(税込)で、味もいい。
餃子の王将は、1年くらい前からか、ハーフサイズのメニューを始め、一人で行ってもあれこれ注文できるのも嬉しいところだ。
チャーハンも、ハーフサイズは267円。
ただし餃子の王将は、1つだけ欠点がある。ラーメンのスープがイマイチなのだ。
だから普通のラーメンなどはあまりおいしくなく、濃い味がつけられたのを食べる必要がある。
おすすめなのは、「辛玉ラーメン」。
肉と野菜がたっぷりと入っていて、しかも値段は464円。
麺は、細麺。
この麺は、値段を考えれば「十分だ」といえると思う。
昨日もこれだけを食べ、紹興酒の熱燗を飲んで、腹がふくれて家に帰った。
きのうは大阪の布施へ出かけ、ヘイトスピーチのカウンターをしてきたのだ。
カウンターは醜悪なヘイトスピーチを浴びながら、差別主義者を罵り倒さないといけないので、精神的にかなり疲れる。
だから終わったあとには、それなりのおいしいものを食べ、疲れを回復しないといけない。
餃子の王将・四条大宮店の料理は十分に、疲れた心を回復させ、満たしてくれるわけである。
◎食べログ
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