マーボー味の「家常豆腐(ジャーチャンドウフ)」の、みその代わりにトマト缶を使ったもの。トマトの味がバッチリしみた厚揚げのうまさはこの上なく、完全に2,355回は死ねる、クセになるやつです。
家常豆腐はマーボーより家庭での使いでがある
家常豆腐は日本ではあまり知名度がないですが、中国ではどこの家庭でもつくるポピュラーな家庭料理だとのこと。
これは東京・蒲田にある「香楽園」の家常豆腐で、厚揚げとうす切りの豚肉・ピーマン・玉ねぎが、マーボーと同様の激辛のタレで煮込まれたもの。
家常豆腐のつくり方は、中国でも地域や家庭によって「無数」ともいえる違いがあるとのことなのですが、要は「マーボーの、ゴロゴロの大きな具をたくさん入れた版」と捉えてもそれほど外れていはいないのではないでしょうか。
マーボーは、マーボー豆腐なら豆腐だけ、マーボーなすならなすだけと、なぜか具を一つに絞ります。でも家庭料理は、どうせつくるなら具をたくさん入れたほうが栄養のバランスもよくなるし、料理の品数がすくなくてよくなるので手間も省けます。
なので家常豆腐は家庭では、マーボーより使いでがあると思います。
マーボーの豆みそをトマト缶に代えるとタマラない一品に
これは僕が、上の香楽園の家常豆腐を、それなりに忠実に再現したもの。マーボー味なので、豆みそ(中国では甜麺醤となりますが、日本だと八丁みそが使いやすい)を加えます。
この豆みそを「トマト缶」と取り換えたものが、今回つくった厚揚げとピーマンのトマトマーボー。
調味料や具材は基本的に和食・中華系ですが、トマト缶はバッチリ合って、さわやかな酸味がまたタマラン、という一品です。
トマトというと洋食のイメージがありますが、酢豚にケチャップを入れることからも分かる通り、トマトは中華味ともよく合います。
ただしこのトマトマーボー、食べてみるとあくまで「おいしいトマト煮込み」となり、中華っぽい感じはまったくしないです。
じっくり炒め、煮るのがコツ
さてこの厚揚げとピーマンのトマトマーボー、つくるにはじっくりと炒め、煮込むのがコツです。
中華というと「強火であっという間に仕上げる」イメージがありますが、これはプロの職人がやるからできることで、シロウトが真似しても焦がすなどしてロクなことないです。
それから油は、オリーブオイルを使ってあります。やはりトマトにはオリーブオイルが相性いいです。
つくり方
STEP1 にんにくと豆板醤をじっくり炒める
フライパンに、
- オリーブオイル 大さじ2(トマト缶を使う場合、オリーブオイルを多めにするのは一つのコツ)
- にんにく 2~3かけ(みじん切り)
- 豆板醤 大さじ1
を入れて弱火にかけ、5分くらいじっくり炒めて味をひき出す。
STEP2 豚肉と厚揚げ・たけのこをさらに炒める
(一度火を止めて)、
- 豚ばらうす切り肉 100グラムくらい(3ミリくらいの厚さがある「焼肉用」とかだとなおウマイ)
- たけのこ 4分の1本くらい(3ミリ厚さくらいに切る)
- 厚揚げ 200グラムなど (1~2センチ大に切る)
この順番で入れ、まず豚肉を弱火で5分くらい焼いて油をひき出す。つづいて火をすこし強め、全体をまぜながらたけのこと厚揚げに味をからめる。
STEP3 トマト缶で煮込んでピーマンを加える
- カットトマト 1缶
- 酒 大さじ1
- みりん 大さじ1
- オイスターソース 大さじ1
- 塩 小さじ4分の1
を入れ、フタをして弱火で10分くらいコトコト煮込む。
味をみて塩気が足りなければ塩を加え、
- ピーマン 1~2個(2センチ第程度に切る)
- 玉ねぎ 2分の1個(同上)
を入れ、さらに2~3分、ピーマンのしゃっきり感が残るくらいに煮て火を止める。
粗挽きコショウをたっぷりとかけて食べます。
和食・中華系の味つけなので、ご飯にもバッチリ合います。