中華っぽい煮物に入れるとウマイ中華麺、マーボーに入れても言うまでもなくウマイです。具材に使ったゴーヤーは、マーボー味と実によく合います。
中華麺はマーボーに入れてもウマイ
先日中華っぽい煮物にナマの中華麺を入れて煮込んでみたところ、天上天下古今東西、ヒジョーにうまかったので、今回はやはり中華っぽい煮物であるマーボーに中華麺を入れてみたという企画です。言うまでもなく、739回は泣けるほどウマイです。
煮物に麺を入れるのは中華料理では見たことがありませんが、日本では鯛そうめんとか、おでんにうどんをいれる「おどん」とか普通にあります。煮物の汁が麺にしみ、煮汁を余すことなく味わうことができるわけで、中華風の煮物でもやらない手はありません。
中華麺はナマのをそのまま煮込むのが圧倒的におすすめです。ナマ麺を煮汁に入れる料理は長崎のチャンポンがありますが、麺に味がよくしみ、しかものびてダラダラになりにくいです。
ちなみに今回のマーボーは豆腐をよく焼き、ゴロゴロの肉や野菜が入っていて、ひき肉だけを使ういわゆるマーボーとはちょっと違い、中国の家庭料理として知られる「家常豆腐(ジャーチャンドウフ)」に近いです。
ですが家常豆腐といっても知らない人が多いですし、味は豆板醤をキリッときかせたマーボーの味ですので「マーボー」と呼びました。
ゴーヤーはマーボー味に実によく合う
今回のメイン具材はゴーヤーです。理由はゴーヤーのデカイのを2本ももらい、使ってしまわないといけないからですが、ゴーヤーはマーボー味とよく合います。
ゴーヤーをとうがらしと合わせた料理はあまり見たことがありませんが、ゴーヤーと近縁のきゅうりはキムチの代表的な具材ですし、中国でも豆板醤で炒めたりします。ゴーヤーは味にちょっとクセがありますので、それをとうがらしがうまく中和してくれます。
具材はほかには豚肉と豆腐、しめじに玉ねぎ。ゴーヤーチャンプルーの具材と近いですので、バランスはもちろん最高です。
レシピ
まず具材を炒めてから煮るだけで、作るのはべつに難しくありません。コツはまず第一にゴーヤーを厚めに切ることで、味がしみて柔らかくなったゴーヤーはちょうどウリの煮物みたいで、コックリとしておいしいです。
それから中華麺は、袋に書いてあるゆで時間よりやや短めの、ちょっと芯が残るくらいのところでトロミをつけはじめます。トロミをつけているあいだにも火が通るので、皿に盛るときにはそれでちょうどよくなります。
マーボーは、一般的には豆板醤と甜麺醤を使います。豆板醤はないとどうしようもありませんし、大変便利に使えるので常備するのがいいですが、甜麺醤はそうそうマーボーばかり作るわけにもいきませんし、ほかにどういう料理にどのように使ったらいかもわからないしで、冷蔵庫の肥やしになりがちです。
なので甜麺醤は買わないのがおすすめです。甜麺醤は「甘みのある豆みそ」ですので、八丁みそと砂糖で完全に代用できます。
さらに八丁みそは、しょうゆで代用が可能です。しょうゆで作ったマーボーも、問題なくおいしいです。
あとここしばらくのハヤリでは、マーボーには花椒(ホワジャオ)を使います。これもマーボー以外にどう使ったらいいか分かりませんので、賭けても買うと棚の肥やしになります。
花椒は粗挽きコショウでほぼ代用が可能です。粗挽きコショウは花椒独特の風味こそありませんが、これも問題なくおいしくできます。
STEP1 具材を炒める
フライパンに、
- ゴマ油 大さじ1
- にんにく 1かけ(みじん切り)
- 豆板醤 大さじ1
- 豚コマ肉 100グラムくらい
- 木綿豆腐 100~200グラムくらい
を入れて中火にかけ、箸で豚肉はほぐし、豆腐は途中で一度ひっくり返して、豆腐の両面にかるく焼き色がつくまでしっかり炒める。
次に、
- ゴーヤー 2分の1本(タテ半分に切ってスプーンでワタをかき出し、1センチ幅くらいに切る)
- 玉ねぎ 4分の1個(うす切り)
を入れ、1分ほど炒めて油をなじませる。
STEP2 ゴーヤーがやわらかくなるまで煮る
- 酒 大さじ2
- しょうゆ 大さじ2
- みりん 小さじ2
- オイスターソース 小さじ2
を加え、1分ほど炒め煮して味をなじませ、
- 水 500cc(100ccは煮詰まる分)
を入れる。フタをして煮立ってきたら火を弱め、コトコト10分くらい、ゴーヤーがやわらかくなるまで煮る。
STEP3 麺を入れてトロミをつける
フタを外して中火にし、
- ナマの中華麺 1人前(鍋の端に入れておくようにすると皿に盛るときとり出しやすい)
- しめじ 4部の1袋など(石づきを切り落としてほぐす)
を入れ、麺にかるく芯が残る程度まで煮る。火を少し弱め、
- 片栗粉 大さじ1+2分の1
- 水 大さじ1+2分の1
の水溶き片栗粉を混ぜながら少しずつ加えてトロミをつける。
たっぷりの粗挽きコショウと少々の酢をかけて食べます。酒に合うのはもちろんですが、白メシのおかずにしてもダブル炭水化物でよく合うあと思います。