きのうは鶏モモ肉を塩焼きにした。
鶏は塩焼きがうまいのである。
朝起きたら、京都は一面の銀世界だった。
夜中に降りだしたものと見え、もう5センチ近く積もっているが、まだ止む気配はなく、牡丹のような雪がコンコンと降りてくる。
先週は、「京都でも大雪になる」と言われていたが、肩透かしを食ったようにほとんど降らずに終わってしまった。
これだけ降るのは、京都ではこの冬初めてである。
「よし、どこかの寺で雪景色を写真に撮ろう」
ぼくは思った。
思ったが、まずはブログを更新しなくてはいけなかった。
おまけに前日寝たのが遅くなったため、起きたのは10時過ぎ、家を出たのは11時半をまわっていた。
「このまま降り続いてくれるといいな・・・」
思いながら、ぼくはかじかんだ手で傘をもち、湿った雪を踏みしめて、いつもブログ更新をする喫茶店に向かった。
ブログ更新を始めてから、1時間ほどたってもまだ雪は降っていた。
2時間たっても、降っていた。
「これはイケるかもしれない・・・」
ぼくは思ったのだが、3時間たち、ブログ更新が終わったときには、雪はパタリとやんでしまった。
雪雲は東へ移動したと見え、空を見上げても、雪はこれ以上降りそうにない。
何のことはない、前日の不摂生がたたり、せっかくの京の雪景色は写真に収められなかったという話である。
オチがなくてすみません。
さて晩飯は、冷蔵庫に鶏モモ肉が入っていた。
これをどうやって食おうかと、あれこれ頭をひねるのである。
冷蔵庫には菜の花もあり、これも食べてしまわなければいけなかった。
菜の花は吸物の実にしたい気がしたから、ここに鶏肉を入れ、さらに豆腐でも入れるのはうまそうだ。
うまそうだが、そうしてしまうと鶏肉は菜の花の引き立て役にまわることになる。
引き立て役が悪いわけではないが、せっかくモモの一枚肉があるのだから、もう少しそれを活かした使い方がしたいところだ。
となれば、やはり何といっても一番なのは、「塩焼き」なのである。
鶏モモ肉は、塩焼きがうまいのである。
「鶏モモ肉は塩焼きがうまい」のは、間違いがないところである。
大根おろしにポン酢で食べると、鶏そのもののうま味を最高に味わえる。
洋風なら、コショウをふり、レモン汁でも悪くない。
いずれにせよ、塊の肉はシンプルに食べるのが一番うまいのである。
ただしこれは、焼き加減がむずかしい。
ぼくも初めのころ、5~6ぺんは失敗している。
焼き過ぎるとパサつくし、かといって焼き足りないのもよろしくない。
厚い肉は中が見えないから、ちょうどいい加減が分かりにくい。
これについては、一番うまく焼く方法は、
「弱火でフタをせずに焼く」
ことだ。
こうすると、上の部分が生のまま保たれることになるから、下から火が通ってくるのが分かりやすい。
さらにフタをしないで焼くと、皮がパリっと仕上がる。
フタをしてしまうと、籠もった水気で皮がフニャリとなってしまうのだ。
しかしそうやって焼いても、失敗する場合はあると思う。
失敗について、「焼き過ぎ」と「焼き足りない」のの、「どちらかを選べ」と言われたら、ぼくは「焼き足りない」のを選ぶ。
焼き過ぎはおいしくないが、焼き足りないのはおいしくないことはない。
気にしなければ、問題はないのである。
鶏モモ肉は、表と裏に一つまみ(小さじ2分の1)ずつの塩をすり込み、冷たいフライパンにそのまま乗せて弱火にかける。
焦げつきを防ぐため、初めちょっと肉を動かし、あとはそのまま15~20分くらい、じっくり焼く。
焼き加減の目安は、まずは皮が、こんがりと濃いめのキツネ色になること。
それから上から見て、火が通った白い部分が半分近くまで上がってくるのも目安になる。
裏返したら、今度は5~10分、やはり下にキツネ色の焼き色がつくまで焼く。
焼き色がつけば、「もう火は通った」と思っていいから、焼き過ぎないうちに取り出すようにする。
フライパンには鶏のうま味がたっぷりと出た脂があるから、これを捨ててしまうのはもったいない。
軽く塩をふり、ぶつ切りにしたネギを焼く。
食べやすい大きさに切り、大根おろしと味ポン酢、一味をかける。
酒によく合うのも言うまでもない話である。
菜の花は、油あげと合わせて吸物にした。
菜の花は、塩をふった水でサッとゆで、水で冷やしてよく絞っておく。
昆布と削りぶしのだし2カップに、うすくち醤油大さじ2、みりん小さじ1で味をつけ、まず細く切った油あげを少し煮て、最後に菜の花をあたためる。
しみじみと、うまい。
大根やらカブやらの茎や皮と、だし殻昆布と削りぶしのじゃこ炒め。
備蓄していたのを一斉処分した。
ゴマ油にちりめんじゃこを敷いたフライパンで、細く切った茎やら皮やら、だし殻やらを中火でじっくり炒め、しょうゆを入れて、さらに水気がなくなるまで炒める。
一味やら粉山椒やらをかけて食べる。
冷奴。
梅干し。
酒はぬる燗。
これを2合飲み、その前に焼酎も、2合分くらいは飲んでいるから、いい具合に酔っ払い、酔っ払ったら歯だけ磨いてそのまま布団に入るのである。
「お気楽な毎日だよね。」
ほんとだな。
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コメント
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みんなそれを待ってますよ
高野さん、かっこいいです!
私も、フライパンで鶏もも肉の焼き鳥とねぎ焼き、よくやります。
皮をよく焼くと、おいしいです。