きのうはほうれん草と鶏親子のオイスター・レモン炒め。
これは、暖かい季節にはじつにウマイのだ。
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食材には相性があり、それを見極められる力を持つことが、「料理が上達する」ことの一つの意味だといえるだろう。相性は、食材によってさまざまに異なり、それを知るためには、一つ一つ食べてみるしかない。
ほうれん草は、食材の中でも、相性のいい食材が少ないものの一つだといえると思う。
肉や魚、乳製品、大豆製品などのタンパク系、およびキノコ系にはよく合うが、他の野菜には、まず合わない。野菜炒めなどに入れてしまうと、全てを台無しにしてくれることすらある。
だからほうれん草の代表料理といえば、日本ならおひたし、韓国ならナムル、中国なら青菜炒めと、単独に扱われるわけだ。美人だが、性格が悪い女性みたいだ。
おなじ青菜でも、無難に色んなものに合わせる小松菜や水菜とは、エライ違いである。
相性は食べて知らなければならないとはいえ、全ての組み合わせをあらかじめ食べてみることは、できるわけがない。なので新たな料理を構想する際には、相性を類推することになる。
ところが食材の相性には奥深い世界があり、類推し、「まちがいない」と思った組み合わせでも、大失敗することがあるから不思議なものだ。
「大根おろしと納豆」は、相性がいい。「納豆とオクラ」も、相性がいい。「オクラと大根おろし」も、相性がいい。
それならば、「大根おろしと納豆、オクラ」を合わせれば、うまいはずだと思うだろう。
ところが実際作ってみると、どういうわけか、「死ぬか」と思うほどまずかった。
まあ料理とはこうやって、トライ・アンド・エラーをくり返し、一つ一つ見つけていくものなのだろう。
すべての食材の組み合わせなど食べ尽くせないということは、逆にいえば、いつでも新たな発見があり得るということだから、それはそれで、幸せなことである。
それできのうは、冷蔵庫に入っているほうれん草を食べることにしたのだが、青菜炒めではメインの皿には物足りない。
そこで、鶏肉、卵、油あげと、ほうれん草のお気に召すものばかりをズラリととり揃えることにした。
味付は、オリーブオイルに赤唐辛子、オイスターソースとレモン。
「ピリ辛のレモンバター」的になり、暖かい季節の炒めものには実にいいのである。
フライパンにオリーブオイル少々を引き、赤唐辛子一つまみを入れて中火にかける。
小さな泡がプチプチと出てきたところで、表と裏に、小さじ4分の1ほどの塩をすり込み、食べやすい大きさに切った鶏モモ肉を、皮を下にして入れる。
皮にしっかり焼き色がついたところで、まず細切りにした油あげ2分の1枚、つづいてざく切りにしたほうれん草1把を炒め、溶き卵2個分を流し入れる。
最初はあまり動かさず、たまった油を卵にしっかり吸わせたところで、全体をまぜ合わせ、合わせ調味料を入れる。
調味料は、
- 酒 大さじ1
- オイスターソース 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
- 醤油 小さじ1
- おろしたショウガ 小さじ1くらい
- 片栗粉 小さじ1
以上。
全体をサッとまぜ合わせ、調味料がなじんだら火を止める。
皿に盛り、コショウをかける。
ほうれん草は、誰ともケンカすることなく、実にうまい。
あとは、トマトの赤だし。
「トマトと赤だし味噌」も、まさに特筆すべき、大拡散したいほどの、相性のよさである。
赤だし味噌は、大雑把に言ってしまえば、「ドミグラスソースからトマトを抜いた味」なのだ。だから赤だし味噌にトマトを入れると、非常に調和のとれた味になる。
削りぶしで取っただしに赤だし味噌(八丁味噌)を溶き入れ、まず油あげを少し煮て、それからくし切りにしたトマトをサッと煮る。
お椀によそい、ネギと一味を振る。
それに、生ピーマンの醤油マヨネーズ+一味。
白菜塩もみのじゃこポン酢。
酒は、冷や酒。
さらに、シメは豆ごはん。
豆ごはんは、炊き込みご飯の中でも、最もうまいものの一つといえるだろう。
ご飯には、すでに十分なうまみがあるから、余分な味付をしなくてもおいしく食べることができる。
そのため豆の淡いうまみを存分に味わえることになるわけだ。
米は普通に研ぎ、水加減も普通でいい。ここに米と一緒に、サヤから出したえんどう豆を入れ、30分ほど水に浸しておくと、皮にシワが寄ることがない。
炊き始める直前に、1合につき、塩・小さじ2分の1ほどを加える。
酒・小さじ1くらいを入れてもいいが、入れなくても十分うまい。
きのうもこれを、2時間ほどもかけてダラダラ作り、さらに1時間以上をかけて、ダラダラ食べる。
しかも作り始める前に、すでにダラダラ飲んでいるから、どうしても、寝るのは遅くなってしまう。
しかしぼくは、これが好きで人生やっているのだから、仕方がないのである。
「もうちょっとキビキビしてもいいと思うよ。」
そうだよな。
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