カレーは、みんなどうやって作っているのだろう?
ぼくの親の世代などは、カレー粉と小麦粉を炒めて作る「欧風カレー」が普通だったと思うのだけれど、その後おなじような味が、インスタントのルーを使えば手軽に出せるようになり、ほとんどの人はそちらに流れたのではないだろうか。
ここ最近では、インドやタイのカレーを自作する人も、増えているのかもしれない。
でも依然、インスタントが主流であるのは、たぶん間違いないだろう。
カレーを「インスタントで作る」となるのは、そうでないと「面倒」という頭があるからだろう。
欧風カレーだと、かなり煮込まないと味がまろやかにならないし、インドカレーはスパイスを調合する必要がある。
しかしぼくは今回、カレー粉を使い、煮込まなくていいという、作るのが手軽でありながら、しかもとてもとてもうまいカレーを発明したのである。
名付けて「おっさん流和風カレー」。
これは要は、何のことはない、ぼくがいつも麻婆系の料理を作るときのやり方に、「カレー粉を加えた」というだけである。
そうすると、「カレー味の麻婆になるのでは?」と思うだろう。
しかし、そんなことはないのである。
完全な、「おいしいカレー」が出来上がる。
これは実は、ぼく自身も、あまりにカレーの味だったから、自分で作ってビックリしたのだ。
たぶん「カレー粉」が、それだけ個性の際立った、強力な調味料だということなのだろう。
欧風カレーが、なぜ煮込まないといけないかといえば、「ヨーロッパにはうま味調味料がない」からだ。
ワインはまあ別として、日本のしょうゆや味噌に相当するものがない。
日本では、それらを入れれば即座にうまみが出るのに対し、あちらではそれができないから、煮込まないといけなくなる。
それだけの話だろう。
だから日本でカレーを作ろうと思ったら、素直にしょゆや味噌を使えばいいのである。
ウソだと思うのなら、ぜひやってみてもらいたい。
それからご飯なのだが、白飯でも問題ないが、ぼくの考えでは、カレーには炊き込みご飯かチャーハンがうまい。
その方が、ご飯がベチャベチャにならないのだ。
白飯だと、ご飯は一方的にカレーの塩分を吸い込むことになる。
ところがご飯に少し味が付いていれば、浸透圧の関係上、白飯のときより吸い込みは抑えられる。
さらにご飯が、油でコーティングされていれば、吸い込みはさらに抑えられるだろう。
これは好みの問題だが、ご飯がカレーに好き放題にされるより、ご飯はご飯で、ある程度の自立性を保っている方が、ぼくは好きである。
きのうはご飯にジャガイモを炊き込んで、しょうゆでうすく味を付けた。
これはグリーンピースなどを炊き込んでも、またオシャレではないかと思う。
まずご飯を炊く。
鍋に、
- 研いで水を切った米 100cc
- 1センチ角くらいのさいの目に切ったジャガイモ 小1個
- 水 120cc
- 酒 大さじ1
- 淡口しょうゆ 小さじ1
を入れて中火にかける。
湯気が勢いよく吹き出してきたら、弱火にし、少しおこげが付くくらい、10分炊く。
火を止めて、さらに10分くらい蒸らす。
それからナス。
大さじ1ずつくらいのゴマ油とサラダ油を引いたフライパンで、大きめの乱切りにしたもの2本を、5分くらい、ややしんなりしてくるまでじっくり炒める。
ナスは皿に取り出しておき、改めてフライパンに、
- ゴマ油とサラダ油 それぞれ大さじ1くらいずつ
- 2センチ角くらいのショウガみじん切り
- 玉ねぎ8分の1のみじん切り
- カレー粉 大さじ1
- 豆板醤 小さじ1
を入れ、中火にかける。
3~4分、じっくり炒め、香りが立ってきたところで、表裏に小さじ4分の1くらいずつの塩をすり込み、ぶつ切りにした鶏モモ肉を、皮を下にして焼く。
皮がこんがりとしてきたらひっくり返してさらに焼き、ナスを戻す。
- 水 1カップ
- 酒とみりん、淡口しょうゆ 大さじ1ずつ
- 砂糖とみそ 小さじ1ずつ
を入れ、5分くらい、弱火で煮る。
強火にし、片栗粉大さじ1を水大さじ1で溶きまぜた水溶き片栗粉を、スプーンで少しずつ加え、よく混ぜながらトロミを付ける。
最後に酢、大さじ1くらいを入れて混ぜ、火を止める。
皿に盛った、ご飯にかけ、青ねぎをかける。
これを食べただけでは、まさかしょうゆや味噌を使っているとは、絶対にわからないと断言したい。
あとは、伏見とうがらしの炊いたん。
伏見とうがらしは、よく「甘長とうがらし」として売られている。
万願寺とうがらしの元になった品種だそうで、万願寺ほど肉厚ではないが、素朴な味がしてうまい。
鍋に、
- ヘタを取った伏見とうがらし
- ちりめんじゃこ 大さじ1くらい
- 水 1カップ
- 酒とみりん、淡口しょうゆ 大さじ1ずつ
を入れ、落としブタをし、弱めの中火で10~15分くらい煮る。
たたきキュウリの梅酢和え。
すりこ木でたたき、食べやすい大きさにちぎったキュウリを塩もみし、10分ほど置いて水で洗い、よく水気を拭き取って、梅酢と砂糖、削りぶしで和える。
酒は焼酎水割り。
こうして自分が作った、うまいものを食べることが、やはり「幸せ」なのである。
「インスタントのルーもおいしいよ。」
そうだよな。
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ナスは鶏肉とトマトといっしょに洋風っぽい和風で煮るのである。