きのうは、鶏手羽元のポトフ的・洋風鍋。これはとてもとても簡単にできるのに、最高にうまいのだ。
おれは自分が作ったものが、いつも非常にうまいのだ。これはまあ、当たり前といえば当たり前の話で、自分が食べたいものを、食べたいように作るのだから、うまいに決まっている。
べつに最近の話ではない。自炊を始めたころから、自分が作るものはうまかった。
毎日自炊をするようになったのは、広島にいたとき。だからすっかり、晩飯は家で食べるクセがついてしまい、広島の飲み屋はあまり開拓していない。
自分が作ったものがうまいのは、「点数が甘くなる」ということもあると思う。多少味つけに失敗しても、
「ああ、これはこうすればいいんだよな」
と、頭のなかで勝手に自動修正し、修正された味だったことにしてしまう。
これが、文句をいう旦那のために食事を作らなければいけない奥さんだったら、大変だろう。
一人暮らしの気楽なところだ。
さらに作り方を自分で考えた場合には、それに思い入れもある。多少味がちがっても、自己弁護してそれでよかったことにしてしまう。
かように、自炊は気楽なものだ。
このぬるま湯のような世界にどっぷり浸かると、簡単には抜け出せないのだ。
さてきのう作ったのは、鶏手羽元のポトフ的・洋風鍋。
ツイッターでちょっと見かけて、食べたくなった。
だいぶ前、スペイン版ポトフ「コシード」を、何度も作った。本場では、牛や豚、鶏肉のかたまり肉を、何時間も煮るそうだ。
でも、そこまで時間をかけるのも面倒だ。
そこで鶏手羽元とソーセージを使えば、30分ほどで非常にいいだしが出る。
ただし、手羽元はある程度の量を入れないといけない。きのうは4カップの水にたいして、手羽元は8本使った。
でも手羽元は安いから、それでいいのだ。
野菜は、大根とにんじん、ジャガイモと玉ねぎ。これらはいずれも、30分でちょうどほど良い加減に煮える。
ということは、この鶏手羽元のポトフ風・洋風鍋、はじめに材料をすべて入れ、あとはただ30分煮ればいいという話で、作るのがとても簡単なのだ。
味つけは、にんにくとローリエ、それに塩。
ローリエは、ずっと使わずにきたのだが、このたび解禁することにした。
この鍋に、さらに最後にうどんを入れた。
本場では、もちろんパスタを入れるのだが、べつにうどんでかまわないのだ。
鍋に、
- 塩とコショウを適当と思われる量すり込んだ鶏手羽元 8本
- 皮に切れ目を入れたウインナーソーセージ(切れ目を入れるのは破裂をふせぐためと味を出すため) 4本
- 3センチ大くらいの乱切りにした皮のついた大根 5センチほど
- 3センチ大くらいの乱切りにしたにんじん 10センチほど
- 3センチ大くらいに切ったジャガイモ 2個
- 6等分くらいのくし切りにした玉ねぎ 1個
- うす皮だけ剥いたニンニク 2~3個
- ローリエ 1枚
- 水 4カップ
をいれ、中火にかける。
フタを斜めにかけ、弱火でコトコト、軽く沸騰させながら30分くらい、大根がやわらかくなるまで煮る。
味をみて、塩を加える。
うどんを入れ、5分くらい煮て、火を止める。
食べ方はもちろん日本式、鍋ごと食卓に出し、器によそって食べる。
好みで、レモン汁、粗挽きコショウ、オリーブオイル、バター、みじん切りのパセリなどをかける。
これが、マジでうまいのだ。
肉と野菜のいいだしが、五臓六腑にしみわたる。
酒は、花春。
肴がうまければ、酒もうまい。飲みながら、
「おれはやっぱり自炊の天才だ」
と、つくづく思う。
思いながら、ついつい調子がでて飲み過ぎるのは、言うまでもない話である。
「食べるのは自分だけだから誰も否定できないね。」
そうなんだよな。
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