きのうは、カブと豚肉の炒め煮。コッテリとした味がしみたカブは、うまいのだ。
この年になると、あとは「死ぬだけ」なのだ。
47歳で会社をやめ、1年ほど退職金でブラブラした。これからどうやって生きていこうか考える。
仕事上は、色々やりたいこともあるような気がしていた。でもそれはあくまで「仕事上」での話で、べつに仕事をしないでいいなら、それほどやりたくもないことに気がついた。
じゃあ何をしたいのかといえば、
「うまい酒が飲めればいい、、」
そう思った。
あとは何がなくても、それだけあれば、おれは満足だと思ったのだ。
ただし、「きれいに死にたい」とは思う。あれやこれやを残したままではなく、一応は、やるべきことは終わらせたい。
それで仕事の合間に、デモやらカウンターやらへ行くようになった。
そんな考えだから、仕事を終え、家に帰ったら、まず飲む。焼酎の水割りを2杯ほど飲み、いい気分になってきたところで、食事の支度にとりかかる。
食事の支度も、「何をしたらいいんだっけ?」と考えるために、まず飲む。だから実際に支度にとりかかるまで、さらに2杯くらい飲んだりする。
支度の作業も、飲みながらダラダラやるから、時間がかかる。
なので食事ができる頃には、すっかり泥酔状態になっているのだ。
さらにきのうは、お取り寄せした福島の酒があった。
これがうまくて、どうしたって飲んでしまう。
するとだいたい、寝る頃には記憶がなくなっているのである。
でもおれは、それがよくて生きているわけだから、誰にも文句は言わせないのだ。
さてきのうは、カブを食べようと思った。
カブも、これからが季節。大根とはまたちがう、やわらかな食べごたえが持ち味だ。
カブは、やはり何といっても、コッテリとした味をしみ込ませるのがうまい。クリームシチューなどにも入れるとおり、肉系・動物系のものと合わせるのがいい。
そこで、豚肉との炒め煮。
コッテリとした豚肉のうまみがしみ込んだカブは、この世で最もうまいものの一つといえる。
カブは、もちろん葉も使う。それから彩りに、ニンジン。
さらにきのうは、干ししいたけも使うことにした。
煮汁にこのしいたけの戻し汁を使えば、うまみとしてこれ以上のものはないだろう。
カブは、皮が筋張っていて、煮るだけだとやわらくならない。でもこれは「炒め煮」で、カブの皮は炒めればちゃんとやわらかくなるから、皮はむかなくても大丈夫。
カブの葉は、身とは別に、あらかじめサッと炒めて、最後に加える。
やわらかくなり過ぎるのを防ぐのと、青い色を残すためだ。
フライパンにサラダ油・大さじ1を入れ、ざく切りにしたカブの葉・2本分を中火で炒める。
しゃっきり感がのこる程度に火を通し、皿にとり出しておく。
あらためて、フライパンに、
- サラダ油 大さじ2
- たたき潰したにんにく 1個
- 鷹の爪 1本
を入れて中火にかけ、2~3分、にんにくがキツネ色になるまで火を通す。
- 6~8等分のくし切りにしたカブ 2個
- 短冊に切ったニンジン 少々
- 1カップのぬるま湯に30分くらい浸してもどし、絞って水気をふき取って、食べやすい大きさに切った干ししいたけ 少々
を入れ、さらに2~3分、じっくり炒める。
- 干ししいたけのもどし汁 1カップ
- 顆粒の鶏がらだし 小さじ2
- 酒 大さじ1
- オイスターソース 小さじ1
- しょうゆ 小さじ1
- 塩 少々
を入れ、フタをして5分くらい、カブがやわらかくなるまで煮る。
- 豚うす切り肉(きのうはバラ肉) 200グラム
- とり出しておいたカブの葉
を入れ、豚肉の色が変わったら味をみて塩加減し、
- 片栗粉 大さじ1
- 水 大さじ1
くらいの水溶き片栗粉を、加減をみながら、スプーンで少しずつ加えては混ぜしてトロミをつける。
これが、マジでうまかった。
酒もご飯も、ガンガン進む。
あとは、しじみの赤出し。
しじみは、肝臓の友なのだ。肝臓がアルコールを分解するのに必要な成分が含まれているらしい。
よく洗ったしじみを、しじみ100グラムに対して水1カップ見当の水に入れ、酒少々をくわえて中火にかけ、殻がひらいたら火を止めて、赤出しみそを溶き入れる。
それに、白めし。
きのうは花春だったから、酒はほんとに飲み過ぎた。
でもこれはしじみ君のおかげだろう、今朝は酒がまったく残らなかったから、やっぱりしじみは食べるべきだ。
「もっとちゃんと生活しなよ。」
そうだよな。
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