ゴーヤチャンプルーには「無限」とも言えるほどの作り方がある。ウソである。
でも軽く100通りくらいはあるのではないかと思える。
具材については、ゴーヤと豆腐、それに卵は、やはり入らないとゴーヤチャンプルーにはならないと思うけれども、豚肉についてはスパムと豚肉の両方の流派があるし、もやしやネギ、玉ねぎなどを入れる人もいる。
味つけは、沖縄では塩コショウにカツオだし(カツオ節)だけでするみたいだが、加えて酒や砂糖(みりん)、しょうゆなどを入れるのは普通だし、みそ味もわりとポピュラーだと思う。僕は、キムチを入れるのが最高にうまいと思っている。
さらに作り方も、すべての具材を一緒に炒めるやり方から、一つ一つをすべて別々に炒めるやり方、豆腐と卵だけ別に炒めておくやり方などさまざま。
だいたい名前が、「チャンプルー」は「ごちゃまぜ」という意味だとのこと。ゴーヤチャンプルーは「ゴーヤのごちゃまぜ」だ。
要は「なんでもいい」と言っているに近いわけで、このおおらかで、縛りが非常にゆるいところが、この料理の魅力なのだと思う。
というわけできのうは、中華風ゴーヤチャンプルー。
これは、「中国人がこのようにしてゴーヤチャンプルーを作っている」という意味では、もちろんない。ただ単に、味つけが中華風というだけなのだが、これがまたヤバイ。
要はサラダ油にニンニクと豆板醤を入れたもので炒め、酒・みりん・しょうゆ・コショウで味つけし、カツオ節をたっぷりかけるという企画。
ニンニク・唐辛子味と、和風だし系味のマリアージュは、正確にいえば「在日コリアン風」となるかもしれないが、これがまさに王道で、ゴーヤチャンプルーにももちろん合う。
夏場になれば、ゴーヤは食べる手。ゴーヤチャンプルーも何度でも作るはずだ。
その際、まず和風で普通に作り、次にキムチ味で作って、その次くらいに、この中華風で作ってみるというようにするのがいいのではないかと思う。
作り方は、豆腐をまず炒める方式。ここに溶き卵をからめ、「豆腐卵」としてしまう。これはどうせ合体させるのだから、わざわざ別に炒める必要もないからだ。
豆腐卵を取り出したら、あとはスパムとゴーヤ、それに長ねぎをじっくり炒め、豆腐卵をもどして味つけ。
作るのは、別にむずかしいことはないはず。急いで炒めなくてもいいから、火加減は弱めでやるのがおすすめだ。
フライパンに、
- サラダ油 大さじ2
を中火で熱し、
- 木綿豆腐 1丁 (=300~400グラム。1.5~2センチ厚さで、大きめに切る)
を入れる。(水切りはしなくていい)
くっつきやすいのでフライパンを揺すりながら5分ほど炒め、こんがりときつね色になったら裏返し、さらに5分くらい炒める。
豆腐が両面こんがりと焼けたら、
- 溶き卵 3個分
を流し入れる。
あまり細かく動かさず、大きめにまとめてよく火を通し、皿に取り出す。
フライパンに改めて、
- サラダ油 大さじ1~2
- ニンニク 1かけ (みじん切り)
- 豆板醤 小さじ1
- 減塩スパム 2分の1缶 (=170グラム。5ミリ厚さくらいの短冊に切る)
を入れて強めの弱火くらいにかけ、5分くらいじっくり炒めて味とスパムの脂を引き出す。
- ゴーヤ 2分の1本 (タテ半分に割ってスプーンでワタをかき出し、3~5ミリ幅の輪切りにする)
- 長ねぎ 2分の1本 (斜め切り)
を入れて、ネギがしんなりとしてくるまで中火で炒める。(ネギがしんなりするまで炒めれば、ゴーヤには自動的に火が通る)
取り出しておいた豆腐卵を戻したら、1分くらい炒めて油をなじませ、
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ2
- 薄口醤油 大さじ2 (濃口醤油なら小さじ2+塩少々)
- コショウ 1~2振り
で味付けする。
さらに1~2分中火で炒め、汁気が飛んだら火を止める。
(スパムには、減塩を使ってもかなりの塩気があるから、たとえばゴーヤを食べてみて「味が足りない」と思っても、塩はくれぐれも控えめにするのがポイント)
皿に盛り、カツオ節をたっぷりかける。
酒も飯も、いくらでも進むってやつですわ。
というわけで、きのうももちろん飲み過ぎた。
おれはこんなに毎日飲み過ぎて、バカなんじゃないかと思うのだが、バカは死んでも治らないのだから仕方ないのだ。
「屁理屈はよくないよ。」
そうだよな。