きのうは鶏のちゃんちゃん焼き風。
これはバカみたいに簡単にできながら、ビックリするほどうまいのだ。
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きのうは「新キャベツ」を食べることにしたのだ。
季節は冬から春に移りつつあり、春は野菜がおいしい季節だ。
新キャベツのおいしさもまた格別で、聞くところによると新キャベツは、普通のキャベツとはまた品種がちがうのだそうだ。
ただ「出始めのキャベツ」ではないわけで、キャベツより断然やわらかいのが特徴だ。
キャベツの食べ方として、「炒め物にする」「塩もみにする」などを、ぼくの場合ならまず思い付くわけなのだが、キャベツの本場、信州の人に聞いたところ、
「蒸すのが一番」
とのことだった。
「広島風のお好み焼きもそうですよね?」
とのことだったのだが、言われてみればその通り、広島風のお好み焼きは、時間をかけて蒸し上げられたキャベツを味わうようなものだ。
キャベツは白菜などとくらべて、どちらかと言えば味が淡白だから、煮てしまうと味がしなくなるところがある。
これを「蒸す」ことにより、味を閉じ込めるということだろう。
そこできのうも、今年のキャベツ第一弾を食べるにあたり、まずは蒸すことに決め、相手は鶏肉にした。キャベツというと、「豚肉」のイメージがあるけれど、ぼくは鶏肉とのとり合わせも好きだ。
味付をどうしようかと考えると、「甘辛いみそ味」が思い浮かぶ。「キャベツとみそ」も、ホイコウロウが代表だが、黄金のとり合わせだといえるだろう。
そこまで考え、
「これは、ちゃんちゃん焼きだ」
と思い至った。
ちゃんちゃん焼きは、ジンギスカン、石狩鍋とならぶ、北海道の郷土料理。鮭とキャベツ、それにジャガイモやら玉ねぎやらを、甘辛いみそ味で蒸し焼きにする。
鶏肉に、ジャガイモや玉ねぎが合わない道理はなく、「鶏のちゃんちゃん焼き風」と洒落込むことにした。
ちゃんちゃん焼きは、北海道らしい豪快な料理で、つくるのは非常に簡単。
一言でいえば、フライパンに材料をすべて入れ、「火をつけるだけ」という話になる。
味付は、ゴマ油と豆板醤をすこし利かせることにした。
そして最後にレモン汁を加えると、「甘辛酸っぱい」、東南アジア系の味になる。
フライパンにゴマ油少々を引き、食べやすい大きさに切った鶏モモ肉300グラムを、皮を下にしていれる。
それからまわりに、横に太く切った玉ねぎ1個、1センチ厚さくらい煮切ったジャガイモとニンジンを入れる。
さらに上に、キャベツ4分の1個をざく切りにしたのとしめじを入れ、よくとき混ぜた調味料をかける。
調味料は、
- 信州みそ 大さじ3
- 砂糖 大さじ3
- 酒 大さじ3
- おろしショウガ 2センチ大分
- しょうゆ 小さじ1
- 豆板醤 小さじ1
フタをして、弱めの中火にかけ、火をつけてから15分ほど、キャベツがしんなりするまで蒸す。
キャベツがしんなりしたら火を止めて、大さじ1ほどのポッカレモン100と、青ねぎを加えて上下をまぜる。
フライパンごと、食卓にならべる。
これがまた、ビックリするほどうまかった。
ちゃんちゃん焼きは、もちろん食べたことがあり、「うまい」とも思ったのだが、これはまた、別次元のうまさなのだ。
要は「鶏肉」の働きだ。
鶏の脂がしっかり出るから、そのうまみが甘辛いみそ味とまざり合い、なんともゴージャスな味になる。
鶏はクドくなりがちだが、レモン汁を入れたのも、またサッパリとさせてくれて、とてもよかった。
新しく思いつく料理の出来は、実際のところ色々で、予想していた味より落ちることも、もちろんある。
しかしきのうみたいに、予想したのをはるかに上回ることもあるのが、料理の面白いところである。
あとは、とろろ昆布のぬく奴。
豆腐をお湯であたため、とろろ昆布と削りぶし、青ねぎを入れたお椀にお湯ごと注ぎ、おろしショウガと一味をかける。
それにすぐき。
酒は、熱燗。
めしを食べるひと時は、ほんとに幸せ。
だいたいは、のけぞりながら、「うめーなー、うめーなー」と、ひとりでブツブツ言っている。
「早く彼女ができるといいね。」
そうだよな。
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