カレー味の麻婆ナスは、何の違和感もなくうまいのである。
おかげできのうも飲み過ぎた。
季節のものは、やはり満喫したいわけで、秋から冬は、サンマから始まりサバ、タラ、ブリ、カキ・・・、と、怒涛の魚攻撃による連打につぐ連打が提供されるわけなのだが、夏は、やはり野菜だろう。
キュウリ、ナス、トマト、オクラ、ゴーヤ、万願寺とうがらし等々、豪勢なラインナップが勢揃いするわけである。
季節のものは、どうしても食べ続けることになるから、食べ方については頭をひねる必要が出てくる。
同じような料理であったとしても、ちょっとした違いを加えれば、飽きることはないわけだ。
夏の定番メニューといえば、まずはゴーヤチャンプルーが筆頭だろうが、麻婆ナスも欠かせない。
ナスを使った、ご飯のおかずにもなるメイン料理となると、ナスにしん、そぼろあんかけ、みそ炒め・・・、とあげてみても、しっとりと油を吸ったナスに、ピリ辛甘酸っぱい味付の麻婆ナスは、夏の暑い盛りには、他の追従を許さないのではないだろうか。
それでぼくもこの春から夏、麻婆ナスは、手を替え、品を替え作ってきた。
・みそ味の麻婆ナス
・しょうゆ味の麻婆ナス
・トマトの入ったみそ味の麻婆ナス
・トマトの入ったしょうゆ味の麻婆ナス
生トマトを加えるのなどは、かなりのアイディアだと自賛しているのだが、きのうはカレー味にした。
カレー味は、ベタといえば、ベタであり、どんな料理もカレー粉を加えれば、一風変わった、気の利いた味になる。
しかし、麻婆ナスは、違うのである。
カレーに入れる具材として、ナスは定番の一つであり、さらにピリ辛甘酸っぱい味付も、カレーのベースとして打ってつけだ。
要はただ麻婆ナスにカレー粉を加えるという、だけといえばだけの話であるが、何の違和感もない、「あれ、こんな料理なかったっけ?」と、思わずつぶやいてしまうようなうまさとなる。
麻婆ナスは、ナスは揚げるのが定石のやり方だが、面倒だし、カロリーのこともあるから、多めの油で炒めるのに留める。
カレー粉は、炒めると香りが立つから、一番初めに加えるのがポイントだ。
好みでタテのトラ刈りに皮を剥き、大きめの乱切りにしたナスを、サラダ油とゴマ油半々程度で、中火でじっくり炒める。
油の量は、多ければ多いほどうまいが、その分、カロリーも高くなるというだけの話だ。
後から煮るから、しんなりとしかかり、「まだちょっと炒め足りないかな」と思うぐらいで火から上げ、皿に取り出しておく。
改めてフライパンを中火にかけ、ゴマ油少々で、2センチ大ほどのショウガみじん切り、10センチ長さくらいの長ねぎみじん切り、またはたっぷりの小口切り青ねぎ、豆板醤小さじ1、カレー粉大さじ1をじっくり炒める。
香りが立ってきたら、豚ひき肉150グラムを加え、ヘラでほぐしながら、じっくり炒める。
出てくる肉汁でベチャッとするのが、水気が飛んでカラリとするまで、5分くらいはかけるようにする。
酒とみりん、しょうゆそれぞれ大さじ1、オイスターソース小さじ1を加え、少し炒めて肉に味を付けたところで、水1カップを加える。
煮立ったら、皿に取り出しておいたナスと、食べやすい大きさに切った油あげを入れ、2~3分煮込む。
強火にし、片栗粉と水大さじ1と2分の1を混ぜた水溶き片栗粉をまわし入れ、よく混ぜてトロミをつける。
酢大さじ2分の1を加え、さらにひと混ぜして火を止める。
トロミが強めに付いているから、箸だけで食べられる。
酒は、焼酎水割り。
またカレー味の麻婆ナスが焼酎によく合い、きのうも例により、しっかり飲み過ぎたのである。
あとは、とろろ昆布の吸物。
お椀にとろろ昆布と削りぶし、青ねぎ、淡口しょうゆを入れ、お湯をそそぐ。
たたきキュウリの梅かつお。
キュウリはすりこ木でたたいて割り、手で食べやすい大きさにちぎって、塩一つまみで揉み、10分くらいおいて水洗い、水気をよく拭き取る。
梅肉1個分と、削りぶしミニパック2分の1袋を包丁でよくたたいてペースト状にし、みりん大さじ1、淡口しょうゆ小さじ2分の1でよく伸ばしたもので、キュウリを和える。
それに、わさび醤油の冷奴。
「そのうちぜったい体壊すよ。」
そうだよな。
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