定番料理・木くらげと卵炒めに、冷蔵庫で余っていたブロッコリーを入れたもの。食べる楽しさが増し、これまたうまい。
卵をつかった中華料理といえば「天津飯」をあげる人が多いかと思うけれど、おれは木くらげと卵炒め派。だいたい「ご飯に卵」の取り合わせにまったく魅力を感じないので、天津飯とオムライスは一度も食べたことがない。
「卵のフワフワ感」がいいものなのは分かっているが、それで全てが覆い尽くされてしまうのではなく、やはりその一方で歯応えのあるものも入っていてもらいたい。
プリプリの木くらげとしゃきしゃきタケノコの歯応えコンビが卵と一緒に加わっている木くらげ卵炒めはその点、やわらかいのと歯応えがあるのの往復が楽しめて、「歯応え派」には大変オススメの卵料理だ。
きのうはこの木くらげ卵炒めにブロッコリーを加えた。
加えた理由は、冷蔵庫で余っていたから。しかしこれが、意外に良かった。
ブロッコリーは、フサの部分はわりとフワフワしていて、茎の部分は歯応えがある。いわばフワフワと歯応えを兼ね備えているわけで、これを木くらげ卵炒めに入れることにより、フワフワと食べ応えの往復運動に中継地点のようなものができる。
食べる楽しみがさらに増すから、もし木くらげ卵炒めを作る際にブロッコリーが余っていたら、入れるのは非常におすすめ。
まあでも一応、木くらげ卵炒めに入れる青いものは、小松菜かニラが定番。小松菜なら長ねぎを、ニラなら玉ねぎを合わせるのが相性としてはいい。
(小松菜の場合には、作り方はブロッコリーとまったく同じでいいけれど、ニラを入れる場合は、最後に木くらげと一緒に加えるようにする)
卵は最初にふんわりと炒めておいて、最後に加えるようにする。木くらげも、煮る必要は全くないから、卵と一緒に最後にくわえる。
炒めたら干し椎茸のだしを加え、これをカタクリで閉じてトロミをつける。そうすると、卵のフワフワにさらに「トロトロ」が加味されて、タマラナイという企画。
木くらげは、スーパーの中華素材コーナーにあるS&Bのを使っている。
前に別のを使ってみたこともあるけれど、こちらの方がうまかった。
作るのは、大して難しくないはずだ。
肉を炒めるところまでは弱火でゆっくりやったらいいが、野菜を炒め始めてからは、ある程度手早くやって野菜に火を通し過ぎないようにするのがコツとなる。
まずは干し椎茸と木クラゲをもどす。
鍋に、
- 水 1+2分の1カップ (1カップくらいのだしが取れる)
- 干し椎茸(中) 2枚 (サッと洗う)
- 木くらげ 7~8個
を入れ、フタをして中火にかけ、煮立ったら火を止めて15分くらい置く。
卵も最初に炒めておく。
フライパンにサラダ油・大さじ1を入れて中火で温め、溶き卵・3個分を入れる。
ここで卵をかき混ぜ、細かくしてしまわないのが一つのコツ。卵がけっこう固まるまでしばらく待ち、大きめにまとめて皿にとり出す。
あらためてフライパンを弱火にかけて、
- サラダ油 大さじ1
- ニンニク 1かけ (みじん切り)
- 豆板醤 小さじ1
を入れ、2~3分じっくり熱して味をひき出す。
つづいて豚コマ肉・100グラムを食べやすい大きさに切って入れ、
- 酒 小さじ2分の1
- 塩 小さじ4分の1
- コショウ 1振り
をふりかけて、さらに弱火でじっくり炒める。
肉の色が変わったら、
- もどした干し椎茸 (汁気をしぼり、石づきの先だけ落として1センチ幅くらいに切る)
- タケノコ 4分の1本 (タテを半分にし、2ミリ厚さくらいにさらにタテに切る)
- 長ねぎ 10センチ分 (斜め切り)
- ブロッコリー 2分の1株 (フサの部分だけ食べやすい大きさに切る)
を入れ、(野菜を切っているあいだは、火を止めてしまってもいい)、中火で1~2分サッと炒めて油を絡める。
あらかじめ合わせておいた調味料、
- 酒 大さじ1
- みりん 小さじ2分の1
- 薄口醤油 大さじ1 (かならず薄口である必要がある)
- オイスターソース 小さじ1
- コショウ 1~2振り
を入れ、さらに1分ほどサッと炒めて味をなじませる。
- 干し椎茸のもどし汁 1カップ
- もどした木くらげ
- とり出しておいた卵
を入れ、1分ほど弱めの中火でサッと煮る。
ブロッコリーがやわらかくなったら、
- 片栗粉 大さじ1+2分の1
- 水 大さじ2
の水溶き片栗粉をスプーンで入れては混ぜしてトロミをつけ、
- ゴマ油 小さじ1
- コショウ 1振り
をかけてひと混ぜして火を止める。
皿にドカンとよそう。
酒にもご飯にも、バッチリ合います。
ご飯には、大根とニンジンの中華漬け。
4~5日前に漬けたやつが、味がしみまくってウマイ。
大根・4センチくらいとニンジン4センチくらいを、5ミリ角くらいの拍子木に切る。同量の醤油と酢、おろしニンニクとラー油それぞれ少々と一緒にジップロックにでも入れておく。
きのうも飲み過ぎてしまったのは、木くらげ卵炒めが酒に合うから仕方がないのだ。
だいたいおれは酒を飲むために生きているわけだから、それでいいのだ。
「早死するよ。」
そうだよな。